HomePod日本この夏発売。ホームパーティ好きは絶対に2個買うべき!
- 2019年08月13日
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Hey Siri ! ハウスミュージックをかけて、と言って僕は後悔した
海外でHomePodの音は聞いたことがあったのだが、僕は本当のHomePodの価値を分かってなかった。
試すなら絶対、HomePodは2台をペアにしてステレオで。
Hey Siri ! ハウスミュージックをかけて!
Hey Siri ! ボリュームを40%にして!
と言ってみて欲しい。
広がる重低音、部屋中を満たす音、クラブにいるような気分になれるはずだ。
いや、そういう意味ではボリュームはもっと上げてもいいのだが、壁の薄い賃貸マンションの我が家では窓を締め切った昼間でも40%のボリュームが限界だ。いったい100%はどんな音なのだろう? 残念ながら我が家の環境では試せない(笑)
HomePodは、2台をステレオペアに設定して、テラスに向けて開けた広いリビングで、ホームパーティでも開いて大音響で音楽を鳴らす……というような状況にピッタリだと思う。残念ながら、ホームパーティを開こうにも、2〜3人でいっぱいになってしまう我が家では再現できないシチュエーションではあるが。
2台をステレオペアで使うと、いろんな場所で聞いてみてもステレオ感があるし、音場が部屋中に広がっている感じがする。低音はほんとうにこのコンパクトなサイズからは信じられないほど効いていて、ボリュームを思い切り上げたら窓ガラスがビリビリというほど。ビートの効いた音楽をお好みの方にはピッタリだ。
これまで、1台きりで、8%とか10%の音量でしか聞いたことのなかった私は、本当にHomePodの真価を分かっていなかったと思う。以前、1台切りでしか鳴らしたことがなくて、さらに8〜10%の音量でしか聴かずにレビューを書いてしまったことを反省している。
発売はこの夏。精緻な仕組みを持つ真にスマートなスピーカー
HomePod発売にニュースに対して、「Amazon Echoがあるからいいや」「Googl Homeがあるからいいや」という声はよく聞くが、HomePodとこれらは本質的には別のものだと思う。
Amazon Echoが最終的には商品を発注してもらうためにあり、Google Homeは検索してもらうためにあるのだとすれば、HomePodは大音量で音楽を聴くためにあるといっていいだろう。
日本での発売はだいぶ遅れたが、先月ようやく日本語化も終わり、この夏発売されることが発表された。価格は3万2800円(税別)と、Amazon EchoやGoogle Homeに較べると高いような気がするが、そもそも高級なスピーカーを買ったと思えば、音質の割にはむしろ安いほどだと思う。
何度も解説しているがセンター上部にはウーファー、下部には7つのスピーカーアレイ、ちょうど中段の部分には6つのマイクアレイが内蔵されている。
ユニークなのはこのマイクアレイが、Siriに呼びかける声を聴くだけでなく、自らが出した音が周囲から跳ね返って帰ってくるタイミングの差により、周囲の音響環境を把握し、それに合わせた音を出す仕組みになっているというところだ。
この周囲の状況の把握には長い時間がかかるわけではなく、まず最初の9秒でおおまかな調整を行い、あと15秒かけて細かい状況を調整する。
それゆえ、HomePodは置く場所を選らばない。どこに置いても、置かれた場所の状況に合わせて自らの発する音を調整する。
※ただし、置かれた場所が極端に薄い板でビビるとか、クッション素材のようなフカフカの状況は望ましくないらしく、やはりしっかりした安定した場所に置いた方がいいようだ。
これにより、HomePodは、1台でも周囲の壁の反響を使ってステレオ効果を発揮することができる。
HomePodは音楽を、ボーカルや、ピアノの音、そのほかの楽器の音、オーディエンスの声、拍手などに分離し、オーディエンスの声や拍手などは広い範囲にビーミングし、ボーカルや楽器の音は特定の場所から聞こえるようにビーミングする。
2台をステレオペアに、さらに何台ものスピーカーを他の部屋に
とはいえ、2台をステレオペアとして聴いた時のインパクトは大きかった。単体でもステレオ効果を出せるが、HomePodは絶対に2台買った方がいい。
セッティングが終わったHomePodと同じ部屋に、もう1台のHomePodを置いて電源を入れ、iPhoneを近づけるとセッティングするようにメッセージが出てくるが、『ステレオペアとして使用』と設定し、その2台目が、1台目に対して、右か左かだけを回答すればOK。
2台が協調してサウンドを奏でた時に、その迫力、音の広がりに、あなたは驚くはずだ。
iPhoneのHomeアプリには、他の部屋にさらに多くのスピーカーを設定することができる。筆者は最初の2台のスピーカーの他に、書斎にもう1台のスピーカーを設定してみた。
すべてのスピーカーで同じ曲を聴くこともできるし、リビングではヒップホップを、書斎ではオルタナティブをかける……というようなこともできる。
また、『Hey Siri !、音楽を書斎に移して』というと、リビングで聴いていた曲の続きをそのまま書斎で聴くことができる(ただし、気をつけないと、書斎だけで再生したつもりが家中に鳴り響いている……ということも起こり得る)。
Siriに音楽の再生や停止を頼むことになれてくると、なぜエアコンや照明も操作してくれないのかな……と思うが、そのためにはいろいろさらなる周辺機器の購入が必要となる。ただ、音声でぜんぶ操作できればいいのになとは思うようになった。
また、ホームアプリでは、『オートメーション』という機能があり『自分が自宅に到着した時には○○をする』『全員が自宅を出た時には、○○の電源を切る』というようなアクションを設定することもできる。
HomePodは、すでにあなたの好きな音楽を知っている
Apple Musicはこれまで私の聴いてきた曲を分析しているので、「Hey Siri ! 僕の好きそうな音楽をかけて」という雑なオーダーにも応えてくれる。この分析はiPhoneやMac、HomePodなど、同じアップルIDを使っているデバイスで共有されているので、今日、HomePodを買ってきたとしても、あなたがiPhoneで聴いてきた曲の傾向から、曲を勧めてくれる。また、「Hey Siri ! 80年代のダンスミュージックを聴かせて」とか「リラックスできる曲を聴かせて」「ワークアウトに合うポップスをかけて」というオーダーにも応えてくれる。
また、「Hey Siri ! この曲好き!」「Hey Siri ! この曲は嫌い!」みたいなことを言うと、「了解しました」と言って、曲の好みをさらに記憶してくれる。
ちなみに、英語圏ではファミリーアカウントで使っている場合、家族の声を聞き分けて、それぞれの好みの音楽を再生してくれるらしいが、日本語版にはその機能は実装されていない。子供がHomePodで何度も再生したディズニープリンセスの曲によって、あなたがディズニープリンセス好きと分析されてしまうのを防ぐためには、セッティングの「視聴履歴をアップデート」をオフにしておくしかない。
また、もちろん、いわゆるスマートスピーカー的な、天気を聴いたり、タイマーをセットしたり、計算をさせたりすることもできる。
メッセージを送ったり、スケジュールを入れたり、リマインダーを入れたり、電話をかけたりもできるが、これは家族の誰もができてしまうので、それでは困るという場合には『パーソナルリクエスト』の設定をオフにしておいた方がいい。
他社のスマートスピーカーとはまったく違う、真に『スマートなスピーカー』
もちろん、普通にiPhoneの外部スピーカーとして使うこともできるし、2個のHomePodをApple TVの外部スピーカーに設定することもできる。
Amazon EchoやGoogle Homeでもう十分……という気分になっている人は多いかもしれないが、大音量で音楽を鳴らせる環境を持っている人なら、大出力、高品質かつ『スマートなスピーカー』として、HomePodは独自の位置にいる商品だ。
取材機材を返却するタイミングがやってきたら、1ペアのHomePodをオーダーするのを我慢するのは難しそうだ。2台で、6万5600円(税別)。音質と機能の割には安いと思う。
(出典:『flick! digital (フリック!デジタル) 2019年8月号 Vol.94』)
(村上タクタ)
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PROFILE
flick! / 編集長
村上 タクタ
デジタルガジェットとウェブサービスの雑誌『フリック!』の編集長。バイク雑誌、ラジコン飛行機雑誌、サンゴと熱帯魚の雑誌を作って今に至る。作った雑誌は600冊以上。旅行、キャンプ、クルマ、絵画、カメラ……も好き。2児の父。
デジタルガジェットとウェブサービスの雑誌『フリック!』の編集長。バイク雑誌、ラジコン飛行機雑誌、サンゴと熱帯魚の雑誌を作って今に至る。作った雑誌は600冊以上。旅行、キャンプ、クルマ、絵画、カメラ……も好き。2児の父。