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Apple Watchは常時点灯にしてバッテリーが持つのか? Appleが施した5つの対策

Apple Watchといえば、時計なのにほぼ毎日のように充電が必要であることが話題になる。Apple Watch Serise 5は、液晶が常時点灯になり、いつでも時間が見られることがウリになっているが、そんなことをしてバッテリーが持つのだろうか?

常時点灯のためにAppleが採った5つの対策を、ご紹介しよう。

ディスプレイにLTPO(低温ポリシリコン酸化物)を採用

実は、ディスプレイの大きくなった昨年モデルのSeries 4もLTPOディスプレイを使っている。しかし、Series 4の時はLTPOを使うこと自体がチャレンジだったが、Series 5では、その省電力性能を引き出すことがチャレンジになっている。いわば、Series 4でLTPO採用ことの成果ようやくSeries 5で花開くということだ。

超低電力ディスプレイドライバの採用

ディスプレイドライバも、LTPOディスプレイの性能を引き出すように書き換えられている。いくら消費電力の少ないディスプレイがあったとしても、ドライバーがその性能を引き出せていないと意味がない。そのため、ディスプレイドライバが新たに更新された。

電力管理ICのチューニング

常時点灯ディスプレイ周り以外の更新は比較的少ない。チップセットはS4からS5に更新されているが、処理速度などの向上はされていない模様(Series 4もSeries 5も、『Series 5から2倍の性能向上』とされている)。しかし、処理速度を向上させず、省電力性能に注力したのだろう。

環境光センサーのデータを利用した明るさのコントロール

この変更が一般ユーザーにも一番よく分かる。ユーザーがディスプレイを見ていない、従来だと液晶が消えていた状態の時に、ディスプレイが暗く表示され、時間を確認したり、アプリの表示を見たりできる。

非対応の文字版の場合は単に暗くなるし、非対応のアプリの場合はボカして表示され、上に時間だけが表示されたりする場合がある。アプリを暗く表示するにはwatchOS 6に合わせたアプリの更新が必要だ。

メリディアンやカリフォルニアなど最新の文字盤では若干色やデザインを変えた別のグラフィックが用意され、ディスプレイの表示を暗く抑え、電力表示を抑制することができる。

この表示は常に表示されているので、たとえば電車のつり革を持っている時に、次のスケジュールや、連絡先、心拍などのヘルスケア情報が表示されると困ることになる。セキュリティやプライバシーにこだわるAppleだけあって、そのあたりはキチンと配慮されている。この暗いモードの時には、スケジュールや、連絡先、ヘルスケア情報などを表示しない設定にすることも可能だ。

『設定>画面表示と明るさ>常にオン』の下に『機密コンプリケーションを表示』があり、そこで設定できる。

リフレッシュレートの削減

点灯時Apple Watchは60Hzで更新されているが、暗いモードの時には画面表示は1Hzに抑制されている。つまり、画面描画を1秒に1回だけ書き換えることによって消費電力を抑制しているのだ。

1秒に1回しか更新されないので、暗いモードの時にはアナログ表示の場合、秒針は省略され、デジタル表示の場合は1秒未満の時間は表示されなくなる。

実に細かな工夫が行われているのだ。

バッテリーライフはSeries 4とほぼ同等?

Apple Watchにせよ、iPhoneにせよ、新モデルを使いはじめたばかりの時は、新品のバッテリーも馴染んでいないし、バックグランドで移行データの更新を行っていたり、何かするたびにクラウドからデータを持ってきたりするので、電池が減りがちだ。Apple Watch Series 5のバッテリーライフについては、もう少し時間を置いてから判断すべきだろう。

しかし、日常的に使っていて不足を感じることはあまりない。毎晩充電すれば朝にはキチンと満充電になっている。そんなことより、いつでも時間が確認できる。文字盤が表示されていて、Apple Watchがファッションとして機能していることの方が嬉しい。

 

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PROFILE

村上 タクタ

flick! / 編集長

村上 タクタ

デジタルガジェットとウェブサービスの雑誌『フリック!』の編集長。バイク雑誌、ラジコン飛行機雑誌、サンゴと熱帯魚の雑誌を作って今に至る。作った雑誌は600冊以上。旅行、キャンプ、クルマ、絵画、カメラ……も好き。2児の父。

デジタルガジェットとウェブサービスの雑誌『フリック!』の編集長。バイク雑誌、ラジコン飛行機雑誌、サンゴと熱帯魚の雑誌を作って今に至る。作った雑誌は600冊以上。旅行、キャンプ、クルマ、絵画、カメラ……も好き。2児の父。

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