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トリニティのwearaは世界を救うか?

トリニティ14年の集大成……という発表会

iPhoneをはじめとしたアップル製品などの周辺機器を作るトリニティから、『SAVE THE WORLD』と銘打って、「トリニティの14年の歴史の集大成となる商品の発表会を行うので、来て欲しい」という招待状をいただいた。

本件は、今日の20時情報解禁なので、いっせいに多くの記事が上がると思うので、ここではこの製品が何だったのかと、筆者(タクタ)がそれについてどう感じたかを中心に分かりやすく短めに書いておきたい(取材した全部を書くと、とても長くなるので)。

『SAVE THE WORLD』とはまた大上段に振りかぶったものだな……とは思うけれども、トリニティの代表の星川哲視さんはそういう人なのだ。常に本気だし、全力だ。

その姿勢で、iPodやiPhoneのケースを作るところから、さまざまな周辺機器、JAWBONE製品の輸入、レストラン経営、マンション経営、そして、NuAns NEOではついに携帯電話メーカーにもなっている。創業14年ということだから、ベンチャーというには歴史が長いが、そのぶん着実に成長を続けて、実績を重ねている会社なのだ。

だから、我々メディアも『世界を守るための、新製品を発表します』とだけ書いてあって、何が発表されるかわからない発表会に足を運ぶのだ。今日も、ITガジェット業界の錚々たるメンツが集まっていた。

肥満とは、健康管理ができないから起こること

さて、そんな星川さんが提示した数字が『22億人』というものだ。

これは世界、70億人余りの人口の中で過体重となっている人の数。そして、約1割の7億人が体調を脅かすほどの肥満。

人類70億人余りのうち、飢餓に直面している人もいるが、肥満で死に瀕している人も少なくないということだ。これはご存じの通り、十分に裕福だから発生するのではなく、十分なコストがかけられないから、炭水化物や脂質の多い食事となり、肥満してしまうということだ。自らの生活をコントロールする機会がないということでもある。

これは日本においても他人事ではなく、42兆円の医療費を必要としており、高齢化とともに、今後国民生活をますます圧迫していくことになる。

健康を維持するためには、何を食べて、どのぐらい運動し、どういう睡眠を取っているかを管理しなければならない。

そのために、トリニティが開発した商品が、このweara(ウェアラ)だ。

……ちょっと理論が飛躍しているような気がする? まぁ、もうちょっとお読み下さい。

機能的なコアと、ファッショナブルなベルト

wearaは過去のウエアラブルデバイスや、Apple Watchを含むスマートウォッチでは届かなかった部分を埋め合わせるために開発された。

センサーテクノロジーはわずか10gのポリカーボネート製のボディ内に組み込まれている。これをシンプルな突起部分を介して、バンドに止めることでホールドする。

これにより、機能とファッションを分離することができ、バンドは自由に交換することができるようになった。純正で用意されるのは、DAIKIN『DAI-EL』を使ったフルオロエラストマー、ナイロン、レザー、そして時計のバンドと組み合わせるためのメタルプレート(後述)。

そして、形状のCADデータは公開されるので、サードパーティも自由にベルトを作ることができる。また、ファッショナブルなレザーブランドオジャガデザインとコラボして、ハンドメイドのレザー製バンドも用意される。

メタルプレートは、コアに接続可能な金属製のプレートで、市販の18mmの時計のバンドを利用可能。これで、ほぼ無限に存在するので市販の時計用のベルトが無限に使える。クレバーな方法だ。

コア部分の内部には3軸の加速度センサーと、光学式心拍センサー、気圧、気温センサー、サーミスタが内蔵される。

また、バイブレータも内蔵されているので、メール、アラーム、起きわすれ防止、スマホの呼び出しなど、さまざま機能も使うことができる。

デバイスの特徴としては、
・目立たずファッショナブルであること
・ディスプレイを持たないため1カ月以上バッテリーが持つこと
・バッテリーが持つので、睡眠中も使えて、睡眠のログが取れるということ

が、挙げられる。

裏面には充電用の端子と、光学式のセンサーが設けられている。

アプリの熟成がキモになりそう

データはもちろん、iPhone、Androidのアプリを経由して、クラウドに保存される。アップルのヘルスケアデータとも連携する。

3軸のセンサーで、日常の活動を読み取り、ログを取り、睡眠のデータを取り込み、さまざまなアドバイスを表示することができる。

運動や、心拍、睡眠に関するサジェストが受けられるのはありがたい。

また、さまざまなミッションや、メダルなどによって、日々の活動をゲーミフィケーションし、楽しく健康を管理することができる。

Apple Watchとどう使い分けるのか?

……ということでお気付きだろうが、多くの機能がApple Watchとカブってくる。

Apple Watchと違って、1度充電すると1カ月間バッテリーが持つのは素晴らしいが、Apple Watchを毎日充電することになれた人なら、本機を充電しなくてよくても、Apple Watchは充電しなければならない。別に手間は減らない。

wearaがヘルスケアデバイスとして優れていても、Apple WatchのようにSuicaでお金を払ったり、アプリを使ったり、ランニングのログを見たり、電話したりはできないだろう。つまり別のタイプのデバイスなのだ。

時計をしない人で、アクティビティログを取りたい人や、コンベンショナルな時計を使っている人で、アクティビティのログを取りたい人には、wearaは相応しいだろう。しかし、星川さんも、ずっとアップル製品に関わってきた人、Apple Watchを無視して話を進めることはないだろう。

睡眠ログはぜひ取りたい

wearaの一番のアドバンテージは睡眠のログを取れるところだ。

Apple Watchは、常時点灯の方に舵を切ったということでは、逆に当分バッテリーライフを大きく伸ばすことはできないはず。

Apple Watchは睡眠管理デバイスとして使うには、『いつ充電するか?』という問題から逃れることはできない。つまり、睡眠管理デバイスとして、当分wearaにアドバンテージがあるはずだ。また10gという重さは相当軽くて、実際に運用してみないとわからないが、自宅にいる時にもずっと付けていてもさほどストレスではないだろう(筆者の場合、休日自宅にいる時はApple Watchは外していたりするが、これなら付けていられるかも……とは思った)。

筆者も編集者だから、睡眠不足になりがちで、ついつい夜中に「もう一本!」と睡眠時間を削って原稿を書いてしまったりする。

日常的に5〜6時間ということも多いし、少し忙しくなると4時間、アップルの発表会で海外に行ってる時などは24時間仕事しっぱなしで、1時間ぐらいの睡眠を何度か取るというような謎の生活になったりもする(そもそも時差ボケだし)。

あらためて、睡眠の重要性を訴えられると、ちゃんとログを取って改善したいなと思う。

実際、昔、Jawbone UPで睡眠のログを取れた時には、「こんなにちゃんと寝てないのか!」と驚いて、若干改善する習慣がついたように思う。

また、これもJawbone UPにもあった機能なのだが、目覚ましを設定した時間の直前の眠りの浅いタイミングにバイブレーションで起してくれる。これ、毎日使っていると、眠りの深い時に起されなくて、毎朝が実に快適になる。

また、バイブレーションで起きるので、家族と同じ部屋に寝ていても、家族を起すことなく自分だけ起きることもできる。

1月発売、1万7800円(税込)、先行予約特典アリ!

20時には情報公開がされているはず。

サイトはこちら(https://weara.jp)。

気になる価格は1万7800円(税込)(もちろん、10%の消費税)。

本日、10月1日より予約受付開始で、先行予約特典としてデフォルトのエラストマーのバンドの他に、レザーバンドが1本追加される。発売は1月。11月から、少人数で先行ベータテストを開始するとのこと。

フリック!創刊の頃に、筆者も日常的に使っており、記事を書いたJawbone UPはいいデバイスだった。

いろいろトラブルもあって、Trinityを離れることになり、デバイスとしても消滅したJawbone UPだが、その後を継ぐデバイスを作りたいという思いが、星川さんの中にあっただろうということは想像に難くない。そういう意味では、きっと使い勝手に優れたいいデバイスに成長していくのではないかという期待感はある。

特に睡眠ログは取りたい。生活の中で睡眠をもっと改善したい気持ちはある。

一方、日常的には、筆者にとっては、もはや手放すことができなくなってしまっているApple Watchとの機能のかぶりが気になる。

とはいえ、ウェアラブルデバイスは日常的に試してみなければわからないものではある。

Apple Watchと快適に併用できるのか? さまざまなサジェストは僕らの生活を改善してくれるのか? 睡眠のログは僕らの生活をどう改善してくれるのか? 試用できる機会ができたら、極力早くに試用し、その使用感をお伝えしたい。

(村上タクタ)

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PROFILE

村上 タクタ

flick! / 編集長

村上 タクタ

デジタルガジェットとウェブサービスの雑誌『フリック!』の編集長。バイク雑誌、ラジコン飛行機雑誌、サンゴと熱帯魚の雑誌を作って今に至る。作った雑誌は600冊以上。旅行、キャンプ、クルマ、絵画、カメラ……も好き。2児の父。

デジタルガジェットとウェブサービスの雑誌『フリック!』の編集長。バイク雑誌、ラジコン飛行機雑誌、サンゴと熱帯魚の雑誌を作って今に至る。作った雑誌は600冊以上。旅行、キャンプ、クルマ、絵画、カメラ……も好き。2児の父。

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