AirPods Proは、突然の静けさであなたの集中力を最大限に引き出す

集中力増幅装置だ

ちょっとこれは、他のイヤフォンは要らなくなったかもしれない。

装着した途端、集中力が増す。

『Pro』が付いて、新たに搭載されたノイズキャンセリングの効果が大きいのはもちろんなのだが、他のありとあらゆる煩わしいことがなくなってしまっている。

耳に入れた途端、耳障りな雑踏の音も、通りすがる他人の声も聞こえなくなる。煩わしい設定操作も必要なければ、以前のAirPodsのように耳から落ちるんじゃないかという心配もない。

まるで、居心地のいい静かな街にひとりでたたずんでいるようだ。

AirPodsのストレスフリーが、超ストレスフリーに

ご存じのようにAirPodsが世界的に非常に売れている。

音質は、いわゆるマニアご用達の高級ヘッドフォンに較べればたいしたことはないかもしれないが、ナチュラルでクセがなく、聞きやすく、面倒な操作を一切必要としないところが最大の人気の秘密だ。

耳に入れる。あとは、音楽を再生するだけ。

従来のワイヤードヘッドフォンならφ3.5mmピンプラグを差し込むという作業が必要だったが、それさえも必要なくなってしまった、究極の便利さがそこにある。

数少ない欠点といえば、耳から落ちやすいこと(満員電車などでは落として紛失しないか、特に気を遣う)、比較的密閉性が少ない装着感なので、外部の音が気になる、音洩れが気になる……ということが挙げられた。

しかし、AirPods Proでは、そのわずかな欠点さえも解消された。

耳に入れて周囲の音を遮断する。音楽を聞く。そのためにヘッドフォンを取り出したのに、Bluetoothの接続にワンアクション必要だったり、落としたり、耳への装着感で不快感を感じたり、逆に周囲の音が聞こえなくて危険だったり……そんな集中力をそがれる事柄を一切取り除いたヘッドフォンが、このAirPods Proだ。

例によってケースにいれておけばいつの間にか充電されているし、その状態でケースを含む全体の電池容量は24時間分もあるから、通勤通学に使うのであれば、ケースを週末にでも充電しておけば十分だ。

本体もケースも、少しワイドに、短くなった

梱包は例によってアップル製ならはの非常に美しいパッケージにまとまっている。上面のAirPods Proの部分にエンボス加工が施されているのが凝っている。

電源ケーブルはUSB-C to Lightningになった。今どきUSB-Cの電源アダプターを持ってない人はいないだろうが、iPhone 11しか持っていない人は同梱されているアダプターがUSB-Aタイプなのでちょっと注意が必要だ。

従来モデルのAirPodsと並べてみるとこんな感じ。

ケースも本体も、少し横幅が増して、縦に長くなった感じ。

従来よりもカウンターウェイトの部分が短く、目立たなくなっている。棒状の部分の下にあったマイク穴は肩の部分に移動して、小ぶりになっている。

イヤーチップの取り外しは最初、少し硬いような気がするが、ゆるゆると引っ張るより、思い切ってプチンと勢いよく引っ張った方がきれいに外れる。

素晴らしいフィット感。落ちない

ご覧のように、イヤーチップの中に軸が通ってるわけではないので、耳が痛くならない。海外製ヘッドフォンの場合、中に入っている軸が太くて、チップを変えようがどうしようが、耳が痛かったりするが、そんな悩みとも無縁だ。

接続は例によって、超簡単。

iPhoneの横でケースを開くと接続するのか聞いてくる。『接続』をタップすればペアリングは終了だ。面倒な設定は一切不要。

次からは、耳に装着するだけで、OK。

AirPods Proの名前の変更、接続の解除、リモコン的使い方の設定の変更などは『設定>Bluetooth>○○’s AirPods Pro』で変更可能。

ユニークなのが、イヤーチップの装着状態についてのテストが可能なこと。

Small、Medium、Lrgeの3種類のイヤーチップが同梱されているが、それぞれを装着して、『イヤーチップ装着状態テスト』をタップ。そこにある再生ボタンを押す。

そうすると、短い音楽が流れ、AirPods Proの耳の内側にあるマイクが耳の中の反響状況を確認して、フィットしているかを確認してくれる。

筆者の場合、MediumでもOKだったが、もっと奥まで入れようとSmallに変えてみると、右側がフィットしていないとの結果が出た。意外なことにLargeにして少し押し込むようにした方がフィット感は良かった。これでもフィットしているとの結果は出たが、しばらくして結局Mediumの方がストレスがなように感じて元に戻した。

あまりガッチリ押し込むというよりは、少し緩いぐらいで入れた方がいいようだ。カウンターウェイトなど全体の形状デザインが優れているから、落ちたりする可能性は少ないように思う。

EarPods(普通のiPhoneのワイヤードヘッドフォン)の時に、数千人の耳を3Dスキャンして形状を検討したとのことだが、今回また新たに数千人の耳の3Dスキャンを行って形状を再検討したという。今回のテーマは、どこに当ったら不快で、どこなら不快に感じないかということだったのだそうだ。

結果として、頭を振っても落ちないフィット感なのに、装着している痛みや抵抗感はまったくないデザインを完成させている。

装着しているのを忘れるほどだが、忘れたからといってAirPodsのように落としてしまうような緩さではない。人によって差異はあるかもしれないが、本当に理想的な装着感だ。

ノイズキャンセリングと、外部音の取り込み

コントロールセンターのボリューム部分を長押しすると、ノイズキャンセリングのオンオフと外部音の取り込みの設定が可能だ。

本体の軸部分を長めにつまんでもオンオフできる。今回は従来モデルのようなタップではなく、この部分を押すことで操作するようになった。新しい『本体の軸部分をつまむ』という操作は誤動作がなくて便利になった。

周囲の音を切り離して、自分の世界に入りたければ、ノイズキャンセリングON。周りの音も聞きたければ『外部音取り込み』に。誰かに話しかけられても、『外部音取り込み』の状態なら話し声がクリアに聞こえるからAirPods Proを耳から外さずに対応できる。

『外部音取り込み』は人の声は通す設定なのに、周囲のノイズは多少減るから、もしかすると雑踏の中などでは、ヘッドフォンをしていない状態よりも、話し相手の声がクリアに聞こえるかもしれない。

本体下部を長めにつまむ操作で、『ノイズキャンセリングのオン』と、『外部音の取り込み』を切り換えることができる。

『外部音の取り込み』は『ノイズキャンセリングのオフ』とは違って、外部のマイクで取り込んだ音をスピーカーで再生している。だから、単なるオフより外の音がクリアに聞こえる。取り込んで再生となるとレイテンシーがありそうなものだが、H1チップが優秀なので、ほとんどレイテンシーは感じない。

本体内部は、内外の圧力差を解消するために空気の通りみちもあり、普通に空気を通して聞こえる音もあるはずだが、そことのズレも感じないので本当にレイテンシーが少ないのだろう。

とはいえ、筆者はゲーマーではないので、微妙なタイミングの差にはこだわらない方だ。少ないとはいえ、処理を施しているわけだから、音ゲーマーの人などにとってはズレはあるのかもしれない。ともあれ、私レベルだと。GarageBandでピアノを叩いてみたり、普通のゲームをしたりしても音に違和感は感じない。そのぐらいのレイテンシーの少なさだ。

一日中着けていたいと思った、初めてのヘッドフォン

AirPodsの『ストレスフリーで使える使い心地』を気に入っている人なら、本機はさらに気に入るに違いない。

静かな環境で集中したければ、『ノイズキャンセリングON』。周囲の音も聞きたかったり、話しかけられたりすれば、『外部音の取り込み』を使う。ずっと着けていても耳にストレスはなさそうだし、旧AirPodsのように落とす心配もない。装着している状態ならHey Siri !も使えるし、かかってきた電話にも出られる。

これはもう、一日中着けていた方が便利かもしれない……。

そう思った初めてのヘッドフォンだ。

(村上タクタ)

出典

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PROFILE

村上 タクタ

flick!編集長

村上 タクタ

デジタルガジェットとウェブサービスの雑誌『フリック!』の編集長。バイク雑誌、ラジコン飛行機雑誌、サンゴと熱帯魚の雑誌を作って今に至る。作った雑誌は600冊以上。旅行、キャンプ、クルマ、絵画、カメラ……も好き。2児の父。

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