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Adobe MAXは、なぜ今年も日本でこんなに盛大に開催されたのか?

米国外で唯一継続的に開催されているAdobe MAX

今年も、Adobe年間最大のイベント、Adobe MAXが12月3日にパシフィコ横浜で開催された。

参加費は1万円(早く申し込むと割引もある)なのだが、なんと5300人もの人が集まったという。参加者の大半はもちろんクリエイター。

1日中、最新のアプリケーションの活用方法や、新機能、エキスパートの活用事例などの話が聞けるのだから、アンテナの高いクリエイターにとっては参加が欠かせないイベントになりつつある。

今回は、その中から最初に行われたKeynoteスピーチの様子をお届けしよう。

最初に壇上に上がったのはJim McCready氏。

氏は日本市場がいかにAdobeについて大切かを語った。そういえば、Adobe MAXのようなイベントが開催されるのは、ワールドワイドのイベントであるアメリカ・ロサンジェルスを除いては、実は日本だけ。

クリエイティブの世界にとって日本は特別に重要な存在なのだとMcCready氏は語った。マンガやアニメはもちろん、映像表現や、雑誌などの印刷物などでも、日本のように特別にクリエイティブが重視される国は他にないと。

その例として、約20年前に開発されたInDesign Japanの話がされた。

※初出時25年と書いていましたが、聞き取り間違いです。おわびして訂正します。

 

日本導入のために、InDesignは非常にさまざまな機能を盛り込まねばならなかった。

DTPの歴史は、AldusのPage Makerから始まる。AldusがAdobeに買収されて、Page MakerとQuarkXPressの2強時代が続き、QuarkXPressが勝利を修めかけた時に登場したのがInDesignだった。

InDesignはMac OS Xという新しい土台の上に新たに構築されたアプリで、OpenTypeフォントに最適化されていたので、柔軟性の高い高度な表現が可能だった。特に日本語表現においては、多彩なフォント、ルビ表現、文字組みなどに優れた表現力を持っており、登場当初こそ未完成な部分はあったが、あっという間にQuarkXPressを旧時代のアプリケーションへと押しやった。

ウチの会社も、InDesignが丁度登場したばかりの頃に、QuarkXPressの大量導入を行っており「ええ、新しく登場したInDesignの方がいいのに……」と思っていたら、翌年に全部InDesignに買い直すハメになっていたことを思い出す。今や、QuarkXPressを使っている人を探し出す方が困難だ。

ともあれ、InDesignが日本語に大きくコミットしてくれたことが、日本語の印刷表現を強く支えたことはたしかだし、Adobeとしても当時日本語表現に力を入れたことで、結果として2バイト文字も完全に扱う能力を盛り込むことができたし、複雑な文字表現を印刷デザインに取り入れることができたといえるだろう。

その他にも、マンガ、アニメ、などのサブカルチャー方面でも、Adobeにとって日本は大きな存在なのだそうだ。もちろん、それらのクリエイティブに携わる人にとっても、Adobeは欠かせない存在であり続けている。

さて、アプリの発表内容に関しては、先日レポートした通り。

Adobe MAXで新機能・サービス大量発表! 知っておきたいAdobeアプリの超絶進化
https://funq.jp/flick/article/526615/

下の3つのテーマを中心として、機能アップしているという話は上記レポートと同じ。

iPad版のFresco、Photoshop、Illustrator

ことに、iPadアプリの機能強化は嬉しい。Frescoの登場、PhotoshopとIllustratorのiPadアプリ開発は、今後Adobeのクリエイティブアプリがタブレット中心へと移行していくことを示唆している。

仲尾毅さんが登壇してデモ。

ちなみに、服についているワッペンやバッジは会場で限定販売されており、絶大な人気を博していた。

AdobeのAIであるAdobe Senseiのおかげで、長年、労力のいる作業だった、キリヌキもご覧の通り。ワンクリックで終了してしまう。これはAIが物の特徴を認識しているからだ。ここまでがパプリカ、ここまでがタマネギと認識しているから、ワンクリックで完全なキリヌキが可能なのだ。

その他、仲尾さんはiPad版のPhotoshopの使い易さをデモ。森の風景をボカし、コケのある斜面や、キノコを合成し、それが光っているような効果を加えて、蛍の光を不思議な魔法の粒のように合成して見せてくれた。ここまで5分もかからない感じだった。iPad版Photoshopを使いこなせるようになりたいと思った。

iPad版Illustratorの登場も楽しみだ。

おなじみ轟啓介さんのデモはXDについて。

ウェブサイトのワイヤーフレームを作るためのXDだが共同編集をできるようになったのが最も大きな変化だ。さらにUXデザイナー以外のビジネスユーザーがしばしばワイヤーフレームを作るという日本独特のワークフローに対応するために、Quick Mockupという機能も追加された。

我々がAR世界を日常的に楽しむためにはAdobeの対応が必要

『新たな表現への挑戦』とは、Adobe Aeroが実現するAR表現を示している。他のアプリで作った立体表現をAR空間上で扱うのがAeroの役割だ。これは我々にまったく新しい体験をもたらしてくれる。

これまで、Grass系のデバイスで我々が得られると言われてきた体験を、実現するのがAeroの役割だ。公開された動画は、まさに我々が夢見てきたものだと思う。

動画も見てみていただきたい。
Project Grasswing
https://youtu.be/0_Pkbz4eAV8

いかにAdobeが数多くのサービスを作り出しているか、この画像を見たらご理解頂けると思う。角が四角いのがパソコン用のアプリ、角が丸いのがタブレットデバイス用のアプリの存在するものだ。これらをすべて理解するのはなかなか大変。

Keynoteのあとも各会場で個別のセッションが行われ、数多くのブースが出展された。

US以外で、唯一継続的に開催されているAdobe MAX。これからの展開も楽しみだ。

(村上タクタ)

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PROFILE

村上 タクタ

flick! / 編集長

村上 タクタ

デジタルガジェットとウェブサービスの雑誌『フリック!』の編集長。バイク雑誌、ラジコン飛行機雑誌、サンゴと熱帯魚の雑誌を作って今に至る。作った雑誌は600冊以上。旅行、キャンプ、クルマ、絵画、カメラ……も好き。2児の父。

デジタルガジェットとウェブサービスの雑誌『フリック!』の編集長。バイク雑誌、ラジコン飛行機雑誌、サンゴと熱帯魚の雑誌を作って今に至る。作った雑誌は600冊以上。旅行、キャンプ、クルマ、絵画、カメラ……も好き。2児の父。

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