新しいiPad Pro用Magic Keyboardは、フラットで未体験ゾーンの打鍵感。ただし……
- 2020年04月20日
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体験したことがない種類の打鍵感
2020年3月18日発表された、新しいiPad Pro用のMagic Keyboardは5月に発売予定と言われていたのだが、スケジュールは前倒しされ、本日発売になった。しばらく使ってみたので、その使用感をお届けしよう。
まず、確かなのは、歴代のiPadに組み合わされたキーボードの中で、間違いなくダントツの打鍵感を持っているということだろう。
たしかに、MacBook Pro 16や、MacBook Air(2020)と同じような構造のシザー式キーボードなのだが、それがデスク面から完全にフラットな位置にあるとなると少し話が違う。
まるで、デスク面を叩いてるような位置なのに、しっかりしたキーボードの打鍵感があるのだ。
他の何にも存在しなかった打鍵感。これが、このキーボードの最大の特徴だ。
このキーボードが使えるようになったというだけで、iPad Proの可能性は大きく広がったといえるだろう。さらに、トラックパッド。やっぱり、キーボードを打ってる時に腕を持ち上げて画面を触るのは面倒なのだ。トラックパッドがあると利便性は大きく高まる。
電源をMagic Keyboardから供給することで、iPad Proは2ポートに!?
Magic KeyboardはiPad Pro背面のスマートコネクター経由で接続できるのだが、このスマートキーボードのヒンジの部分に、USB-Cポートがあり、ここから電源を供給することができる。
これによりiPad Pro本体のコネクターがフリーになるので、そこにストレージなどを接続して利用することができる。
試しにTUNEWEAR ALMIGHTY DOCK C2や、CS1-960などを接続して使って見たが、SSDも認識するし、SDカードリーダーとしても、USB-Aポートとしても認識する。この使い方はかなり便利だ。
魔法のように浮いている
このキーボードのさらに興味深いところは、画面が浮いてるということだ。
いったいどんな魔法を使えば、こんな薄い板とヒンジで、640gもあるiPad Proを支えられるのだろう? 実物を見て、その秘密を暴くのを僕は楽しみにしていた。
……しかし、実物を見ても答えは分からなかった。操作感はけっこう固く、グラグラするような感じはまったくない。安定してiPad Proをホールドしているが、角度を変える気になれば、簡単に動かせる。
結局のところ、どうなってるのかは分からなかったのだが、意のままに動かせて、意のままに固定できるということは分かった。とても不思議。まさにMagic Keyboardだ。
経年変化などで緩んでくるような感じもしない。いったいどういう仕組みなのだろうか?
個人的にはもう少し寝かせたい
ただ、この傾きに限界があるのが、筆者にとっては残念なポイントだった。筆者の広くないデスクでは割とiPad Proが近くに来てしまう。もう少し、画面を寝かす事ができたら、快適に使えるのだが……。
とはいえ、この角度はSmart Keyboard Folioの寝かした側と同じなので、従来のSmart Keyboard Folioで問題なかった人は問題ないだろう。
もうひとつ、気にかかることがある。
正直、ちと重い。しかし……
そう、今日自宅にこの商品が届いた人の多くが語っている『重さ』だ。
iPad Pro(12.9インチ)と合わせて実測、1,347g。これはチト重い。
フローティングしたiPad Proを安定させるため。キーボードの打鍵感を確保するため。とは言えるが、iPad Pro本体より重いっていうのはどうなんだろう……。
ちなみに、Smart Keyboard FolioとSmart Coverの単体の重量と、装着状態の重さも計って見た。こんな感じ。
まぁ、Magic Keyboardも重いが、Smart Keyboard Folioだって重いのだ。1kgを越えているのだ。
12.9インチにMagic Keyboardを付けると、MacBook Airより重くなる! のは確かだが、MacBook Pro 13インチよりはまだ軽い(笑)
マルチタッチとApple Pencilとタブレットの自由度と、Magic Keyboardの文字入力の快適さを合わせて持ってると思えば、1.35kgなんて軽……くはないか(笑)
しかし、その重さもやむなし……と思えるぐらいMagic Keyboardが快適であるのは確かだ。快適さと重さがトレードオフ。あなたの使い方に合わせて、カバーやキーボードを選んでいただきたい。
文章を書く機会の多い人なら、この打鍵感は捨て難いはずだ。
(村上タクタ)
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PROFILE
flick! / 編集長
村上 タクタ
デジタルガジェットとウェブサービスの雑誌『フリック!』の編集長。バイク雑誌、ラジコン飛行機雑誌、サンゴと熱帯魚の雑誌を作って今に至る。作った雑誌は600冊以上。旅行、キャンプ、クルマ、絵画、カメラ……も好き。2児の父。
デジタルガジェットとウェブサービスの雑誌『フリック!』の編集長。バイク雑誌、ラジコン飛行機雑誌、サンゴと熱帯魚の雑誌を作って今に至る。作った雑誌は600冊以上。旅行、キャンプ、クルマ、絵画、カメラ……も好き。2児の父。