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アップル『マップ』の日本地図が秋に大きく進化。歩行者ルートのルックアラウンドも!

進化いちじるしいアップルのマップ。特にこの秋日本で進化

WWDCで紹介されたアップル純正アプリは、いずれもBig Sur対応、Catalyst対応などで、大きな変更が施されている。

中でも、進化が著しいのがマップだ。

ご記憶の方も多いと思うが、アップルのマップは、初代iPhoneで初搭載された時はGoogleマップを使っていた。しかし、ロケーション関連の情報がすべてGoogle経由になってしまうことを嫌ったアップルは、2012年、iOS 6のタイミングでGoogleマップと決別した。

とはいえ、実際の世界中の位置情報を扱うマップアプリの自社開発は容易なことではなく、『パチンコガンダム』問題をはじめ、さまざまな問題が起こり、ユーザーの信頼を大きく損なった。

Google Mapに対する使い勝手の良さと、プライバシー機能

そこから、8年。アップルのマップは著しい進化を遂げており、Googleマップとは違った個性を持つアプリとして完成度を高めている。

ローンチ当時からアップルマップはスムーズなベクターデータで構成されているのが特徴と言われており、Googleマップより少ないデータで表示することができたし、構造的にも拡張性に富んでいた。側道や歩道などを含む複雑な構造の道も上手く表現することができた。

基本的にGoogleやアップルのマップは、クルマ移動が前提であるアメリカの文化を前提に作られているが、アップルの日本の地図は鉄道が非常に見やすくなっていたり、駅の中の案内がしっかりしていたりする。ちゃんと日本のユーザーに特化したアレンジがされているのだ。実際、渋谷や新宿のような複雑怪奇な構造の駅は他の国には存在しないのだから、専用に作り込まれたマップでないとガイドしきれない(世界の駅の昇降客数ランキングを作ると100位までの80%以上が日本の駅で、23位から上は日本の駅しか存在しないというぐらい日本の駅の集積度の高さは特殊)。

機能としても単なる位置情報やルート案内だけでなく、乗り換え案内や、ショップデータの他アプリへの連携など、純正ならではの洗練されたフレキシビリティあふれるアプリへと進化している。

Googleマップの方が優れているとの思い込みで使っていない人は、ぜひ最新のアップルマップを使ってみて欲しい。その使い心地の良さ、情報量の多さ、拡張性の高さに驚くはずだ。このマップアプリはiPhoneやiPadはもちろん、Macでも、CarPlayでも、Apple Watchでも使うことができる。iPad Pro 12.9インチで地図を見るのは、とてもゴージャスな体験だ。

アップルのマップのもうひとつ重要なポイントは極力個人のルート情報、移動情報を取得しないようになっているということだ。たとえば、通常のルート検索でさえ、出発地点近く、中間部分、到着地点近くに分割して処理される。すべてをマーケティング情報として扱わねばならないGoogleとは違うアプローチでアップルが最近取り組んでいるのはご存じの通り。

ガイド、自転車・EVマップ。速度取り締まり位置の通知も

そんなアップルのマップだが、最近は世界的に地図データの更新に取り組んでいる。道路のデータもより詳細になっているし、公園の中の歩道などのデータも扱われるようになった。今年の前半に全米地図の更新が終わり、さらにイギリス、アイルランド、カナダの地図が追加される。

ショッピングモールや、駅、空港など世界1000カ所以上の屋内情報が掲載された。また、iOS14ではガイド情報が充実する。ロンリープラネットの提供するアウトドアのガイドなど、出版社のロゴ入りで信頼性の担保された情報が提示される(日本ではどうなのだろう? 弊社にはまだお声掛けはないようだが……(笑))。

交通機関に自転車が加わったのも注目ポイントだ。

ルート案内では、どのルートだと高低差が少ないかなどが一目瞭然だ。また、車道とシェアしながら走らなければならないか、自転車専用道かなどの情報もルートを選ぶ前に見る事ができる。watchOSとも統合されているので、Apple Watchを見ながら走ることもできる。

EVルーティング機能も追加された。

充電ポイントを考慮に入れてのルート案内も可能。チャージングスポットの数や料金、タイプなどを確認して選ぶこともできる。充電中はApple Watchでリアルタイムの充電率を確認することができる。
速度取り締まりがある場所も教えてくれる。

新たにリバインドロケーションという機能も追加された。周囲の建築物の影響などで、GPSの位置情報と、実際の位置が多少ズレている時に、iPhoneのカメラをオンにして頭上に高くかざして周囲を撮影すると、視覚的情報から位置のズレを修正してくれる。

ついに、日本にもルックアラウンドがやってくる

そして、注目が日本の地図の情報のアップデートだ。

秋には日本のマップにたくさんの情報が加わる。

なんといっても、あのルックアラウンド(アップル版ストリートビュー)が日本でも使えるようになる(全国くまなくではなく、一部だと思うが)。

ストリートビューとの決定違いは、ストリートビューは数メートルごとに360度写真を撮っているだけだが、ルックアラウンドは建物を含めた3Dマップを作って、そこに写真を貼り付けているということある。つまり、VR空間のような3Dデータの空間があり、その中を視点が移動するからスムーズな映像展開が可能なのだ。まわりを見渡しても、前進、後退してもスムーズに画像が動く。

もし、将来アップル製のVRゴーグルが登場することがあれば、まるでその場所にいるかのような感覚が味わえるはずだ。

徒歩でしかいけないルートも非常に充実している。

たとえば京都、嵐山の有名な竹林の中とか、鴨川の出町の三角州(高野川と加茂川の合流地点を京都の人は三角州と言う)の川を渡る飛び石なんていうところを通るルートまである。

ルックアラウンドで、雷門をくぐって(しかし、なぜかちょうど提灯がないタイミングで撮影してしまったのは残念……つまり今年の3月中旬から4月中旬に撮影されたデータということになる)、仲見世を見て回って、浅草寺の本堂にお参りする……なんてことも可能だ。

公園などの歩道ルートが盛り込まれ、ビルなどの詳細な形状を反映した3Dマッピング、それを生かした非常に美しく、詳細なグラフィックが反映されたフライオーバー、などが取り込まれる。

乗り換え案内も、フェリーやバスまで網羅したルートガイドをしてくれるようになる。本当にこれ以上ないほどの使い勝手の良さがアップルのマップにやってくる。

非常に楽しみだ。

しかし、アップルがこの秋に向けて日本の地図を充実させてきたのは、当然のことながらオリンピックのために世界中からの旅行者がやってくることを前提としたものであったことを考えると、少し複雑な気分になる。

水面下で、テクノロジーのコロナ対策利用も検討中

WWDCのKeynoteで発表された部分以外でも、コロナ対策にテクノロジーを活かせないかという検討はさまざまなセクションで行われていて、マップにおいても例外ではない。個人情報の分からない状態で、感染者の発生したホットスポットを表示するとか、いうことも検討中で、日本でも最前線で感染症対策を行っている人たちと直接対話も行っているらしい。

非常に優れたフレームワークを持っており、この秋にドッと情報の増す日本にいて、アップルマップを使わない手はない。ぜひご体験いただきたい。

ちなみにこの新しい豊富なデータの地図はiOS 14でなくても、iOS 13の途中のバージョンから使えるようになっているという。秋が楽しみだ。

(村上タクタ)

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PROFILE

村上 タクタ

flick! / 編集長

村上 タクタ

デジタルガジェットとウェブサービスの雑誌『フリック!』の編集長。バイク雑誌、ラジコン飛行機雑誌、サンゴと熱帯魚の雑誌を作って今に至る。作った雑誌は600冊以上。旅行、キャンプ、クルマ、絵画、カメラ……も好き。2児の父。

デジタルガジェットとウェブサービスの雑誌『フリック!』の編集長。バイク雑誌、ラジコン飛行機雑誌、サンゴと熱帯魚の雑誌を作って今に至る。作った雑誌は600冊以上。旅行、キャンプ、クルマ、絵画、カメラ……も好き。2児の父。

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