iPhone 5の再来? いや、iPhone 12 miniはひとめで魅了される超高性能コンパクト!
- 2020年11月10日
INDEX
かわいい! かわいいよ! iPhone 12 mini!
このiPhone 12 miniを見たら、そのかわいさに誰もが魅了されるに違いない。
私の手が大きいということは差し置いても、iPhone 12 miniはとてもコンパクトでチャーミングだ。
今週末に発売されるiPhone 12 miniだが(現在予約受付中)、一足先に試用することができたので、レポートをお届けしよう。
そのサイズ感と、スクエアなフォルムから、誰もが往年の名作、iPhone 5シリーズ(もしくは初代SE)を思い出す人も多いかもしれない。
たしかに、持った感じや、かわいいフォルムに共通する部分はある。しかし、本体サイズいっぱいに広がる有機ELディスプレイ、最新のSuper Retina XDRディスプレイ(有機EL)、5G、A14 Bionicチップセットを搭載した最新鋭トップエンドモデルでもあるのだ。
懐かしいiPhone 5sを出して比べてみた。
iPhone 12 miniの高さ131.5mm、幅64.2mm、厚さ7.4mm、重さ133gというサイズは、往年のiPhone 5sの高さ123.8mm、幅58.6mm、厚さ7.6mm、重さ113gより若干大きい。
しかし、ディスプレイのサイズははるかに大きいし、これまでコンパクトサイズとして代表的な製品だったiPhone SE2や、iPhone 6/7/8の高さ138.4mm、幅67.3mm、厚さ7.3mm、重さ148gよりひと周り小さい。
左がiPhone SE2、中央がiPhone 12 mini、右がiPhone 5s。
いかに、コンパクトかつ大画面か、よくお分かりいただけると思う。
USB-C充電器をお持ちでない方は、18W以上のものを用意
新しいiPhone 12シリーズは、製品パッケージから電源コネクターがなくなった。
「すでに、電源コネクターはいくつもお持ちでしょ?」ということで、製品価格を押し下げるために省略。iPhoneのパッケージが小さくなることで、地球中に運搬される億の単位のiPhoneの輸送コストを押し下げて、地球温暖化の抑制に貢献するという意義もあるらしい。
とはいえ、同梱されるケーブルはUSB-C−Lightningなので、USB-C充電器はまだお持ちでないという方も多いかもしれない。身近にUSB-Cの充電器がないような方がiPhone 12シリーズを購入する場合には、充電器の購入を勧めておいた方がいいかもしれない。
まだ、正確には計測していないが、おそらくこのサイズのiPhoneなら、18W以上のUSB-PD充電器を用意すればいいと思う。11はMaxのみ23W、それ以外のモデルは18Wが最大の充電キャパシティに設定されていた。
Super Retina XDRディスプレイは本当に魅力的
最初にも述べたが、最大の特徴は最新の5nmプロセスで設計され、iPhone 12シリーズと、iPad Air 4を含む将来のすべてのiPadや、これから登場するApple Silicon Macの礎となるA14 Bionicチップの搭載だ。
このチップセットの高性能が、すべての処理を高速に行ってくれる。たとえば、映像を見るのであれ、ゲームをするのであれ、写真を撮るのであれ、日常的な簡単な作業をするのであれ、高性能なチップセットがあればすべてが効率化され、スムーズになる。
そして、Super Retina XDRディスプレイの効果も絶大だ。
これまでは、最上位機種以外の11やSE2は液晶のディスプレイだったが、このiPhone 12 miniは有機EL(OLED)のSuper Retina XDRディスプレイを搭載している。精彩だし、一番明るい部分は従来より2倍近く明るく(625ニト→1200ニト(HDR))、一番暗い部分は従来よりはるかに真っ黒。結果、明るい部分と暗い部分のコントラスト比は1,400:1から200万:1と飛躍的に向上している。
結果、iPhone 12シリーズの液晶はミドルモデルであるiPhone 12や、コンパクトなiPhone 12 miniでさえ、非常に精緻で、色鮮やかで、表現力が豊かなのである。しかも本体の端まで画面が広がっているので、ディスプレイがワイドに見える。
この点は実際に、iPhone 12 miniを手にすることがあれば、注意して欲しい。高精細で色鮮やかだから、小さくて魅力的なのだ。
今回発表された中で一番大きい、iPhone 12 Pro Maxと並べてみた。これはこれで魅力的なのだが、コンパクトなminiも魅力的。この2台は同じA14 BionicチップとOLEDを搭載している。
底部。Lightningコネクターが大きく見えることからも、iPhone 12 miniのコンパクトさが分かるだろう。
カメラ性能も大幅に向上している
最後にカメラのお話を。
iPhone 12 miniは、これまでのiPhone 11などと同じ画角の26mmの広角レンズと、13mmの超広角レンズを搭載している。
iPhone永遠のスタンダードである26mmレンズに対して、もう一本のレンズに13mmを搭載するようになったのは、室内の撮影、大勢の記念撮影、風景などワイドなレンズの方がニーズが高いと判断されたからだろう。
画角は同じだが、広角レンズのF値は1.6へと明るくなり光を27%も多く取り込むようになり、超広角カメラでもナイトモードが使えるようになった。そのほか、内部的な処理も全般に渡って向上している。
もちろん、暗所性能は大きく向上しているし、ポートレートモードの処理もさらに洗練された。
広角のレンズのポートレートモードで撮ったこの写真、日没後のかなり『薄暮』といってもいい状況で、さらに逆光なのだが、まるで顔にレフ板でも当てたかなのようにあざやかに描かれている。服のディテールも失われていない。何気ない表現だが、従来のiPhoneでは撮れなかった写真だ。
52mmのレンズがないので、ここよりズームしようとすると、実際に近寄るしかない。近寄ってポートレートモードで撮った写真がこちら。
被写体がクローズアップされた分、さらに顔に即した処理が施され、暗さと逆光を感じさせない写真に仕上がっている。
まつげ、眉毛の一本一本まで描写され、ポートレートモードのボケ感もさほど違和感がない。目のクッキリした描写と耳や咽喉のボケ感のスムーズさには本当に感心する。
iPhone 12 mini。ぜひ店頭でこのキュートなボディを手に取ってみていただきたい。たぶん、そのまま買って帰ってしまうころになるだろうと思う。
(村上タクタ)
モデル:河合美侑(かわい みゆ・オスカープロモーション)
SHARE
PROFILE
flick! / 編集長
村上 タクタ
デジタルガジェットとウェブサービスの雑誌『フリック!』の編集長。バイク雑誌、ラジコン飛行機雑誌、サンゴと熱帯魚の雑誌を作って今に至る。作った雑誌は600冊以上。旅行、キャンプ、クルマ、絵画、カメラ……も好き。2児の父。
デジタルガジェットとウェブサービスの雑誌『フリック!』の編集長。バイク雑誌、ラジコン飛行機雑誌、サンゴと熱帯魚の雑誌を作って今に至る。作った雑誌は600冊以上。旅行、キャンプ、クルマ、絵画、カメラ……も好き。2児の父。