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アップルM1 Macその異次元の速度を体感! 様々な速度テストと注意点

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体感速度は素晴らしいが、ベンチマークはどうなのだろう?

M1搭載MacBook Airを試用し始めて数日が経つが、日常使用では、あまりに速過ぎて、どれほど速いのか分からない

筆者は普段MacBook Pro 13(2016)を仕事に使っている。それと差し替えて日常業務を行っても、すべての作業が引っ掛かりなく瞬時に終わってしまうので、速いのは分かるのだが、どのぐらい速いのかレポートすることができないのだ。

このスピード感はすべてのアクションに行き渡っていて、たとえば、決済などに使う指紋認証でさえ、指を置いた瞬間に終わってしまっている感じだし、ネットワーク速度に依存するはずのウェブブラウジングなども含めて、すべてのアクションでサクサク感を感じる。

そこで、様々なベンチマークをもって、M1チップ搭載MacBook Airの速度を計測してみた。

M1チップが圧倒的な処理能力を持つ、そのワケ

テスト結果を見るまえに、ご説明しておきたいことが2つある。

ひとつは、なぜ、M1が速いかということだ。

従来アップルが採用していたインテルチップは、Power PCで速度が出なくなった2006年から搭載されている。ライバルのWindowsで採用されていたインテルチップ搭載はかなり衝撃的なニュースだった。

それから、14年、今度はそのインテルチップの速度向上が芳しくないとの理由での乗り換えとなった。

アップルは2007年発表の初代iPhoneからARM系のチップを採用しており、特に2010年発売のiPhone 4や初代iPadに搭載のチップセットを『A4』と名付け自社製とした。その後A8からはTSMC(台湾セミコンダクター)で生産されるようになり、最新モデルはiPhone 12シリーズや、iPad Air 4に搭載されるA14 Bionic。

歴史を考えると、インテルチップを搭載するようになった直後からAシリーズチップの開発に着手しているわけで、うがった見方かもしれないが、『いつかは自社製チップをMacに』という思いはあったのかもしれない。

ともあれ、このAシリーズチップは年々性能を向上させており、A12 BionicあたりからはMacBook Airに搭載されているインテルチップの性能をすでに上回ってると言われていた。

インテルチップに対するAシリーズチップの最大の特徴は、圧倒的な低消費電力と発熱の少なさである。なにしろ、Aシリーズが搭載されるiPhoneやiPadには放熱ファンがない。また、バッテリー容量も限られている。そんな限れた条件下での開発が、Aシリーズチップをずば抜けてW(ワット)あたりの処理能力の高いチップにしたのである。

また、スペースの限られたiPhoneで使うためにチップの集積度は増し、ひとつのチップの中にCPU、GPU、コントローラなども内蔵するようになり、メモリさえも同じパッケージに含まれるようになった。さらにTSMCの生産技術向上により、A14 Bionicからは5nmプロセスという微細な回路技術を活用して製造されている。これにはインテルは遠く及ばない。

そのA14 Bionicの技術を活かして、パソコン用チップセットとしてさらにコア数を増し、処理能力を高めたチップセットがM1である。

また、Aシリーズチップには顔認証、画像認識、など機械学習を必要とする処理のためにニューラルエンジンという専用チップが搭載されている。これは、機械学習処理の機会が増えているというソフトウェア上の要件を、そのままハードウェアとして実現できるアップルならではの仕組みだ。

このニューラルエンジンはM1にも搭載されている。これはパソコン用のチップセットとしては革新的なことで、また新たなMacのアドバンテージになりそうだ。

どうやって、インテルMacのプログラムを動かすのか?

完全に新しいM1 Macは、従来のインテルCPUと全く違うプロセッサーなので、同じソフトウェアを実行できない。そこでアップルが作ったのが、ユニバーサルバイナリーとRosetta 2という仕組みだ。

ユニバーサルバイナリーの条件を満たすようにコードを書いてビルドすると、2種類の実行コードを持ったユニバーサルアプリケーションが生成される。この場合、それぞれネイティブの速度で動作する。

インテル用のコードしか持たないアプリケーションは、Rosetta 2を用いてM1用に翻訳される。これは初回起動時に自動的に翻訳されるとのこと。もちろんネイティブアプリよりも速度は低下するが、M1の処理能力の高さで補われる度合いが大きい。

つまり、ユニバーサルバイナリーで書かれていれば、より高速で動作するし、それ以外の昔のままのアプリはRosetta 2を介して動作するというわけだ。

ちなみに、それぞれのプロセスがどちらで動いているかは、アクティビティモニターで分かる。アーキテクチャがAppleとなっているアプリはユニバーサルアプリとして動作しており、IntelとなっているアプリはRosetta 2を用いて動作している……というワケだ。

ユニバーサルアプリとして動作するアプリは、Rosetta 2を通して動かして、その違いを体験することごもできる。『⌘+I』で情報を見て、『Rosetta 2を使用して開く』にチェックを付ければOKだ。

また、一部のiPhone、iPadアプリを動作させられるのもアップルシリコン搭載Macの特徴だ。

出典

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PROFILE

村上 タクタ

flick! / 編集長

村上 タクタ

デジタルガジェットとウェブサービスの雑誌『フリック!』の編集長。バイク雑誌、ラジコン飛行機雑誌、サンゴと熱帯魚の雑誌を作って今に至る。作った雑誌は600冊以上。旅行、キャンプ、クルマ、絵画、カメラ……も好き。2児の父。

デジタルガジェットとウェブサービスの雑誌『フリック!』の編集長。バイク雑誌、ラジコン飛行機雑誌、サンゴと熱帯魚の雑誌を作って今に至る。作った雑誌は600冊以上。旅行、キャンプ、クルマ、絵画、カメラ……も好き。2児の父。

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