iPhone 4|歴代iPhone名鑑
flick! 編集部
- 2020年12月17日
ガラスとステンレスの記念碑的存在「iPhone 4」
当初、異端児と考えられ、やがて変わり者のトレンドリーダーになったiPhoneユーザーは、4が出る頃には『勝者』になりつつあった。
2010年1月には初代iPadが発表され、6月にはiPhone 4という決定的な新端末が登場し、アップルの優位は確かなものになっていく。反面、壇上に立つスティーブ・ジョブズは年々痩せ衰えており、「問題ない」「ホルモン異常のため」というリリースを出してはいたが、実はこの頃はすい臓ガンが重篤化の一途をたどっており、いよいよ隠しきれない状態になっていた。
初の自社設計チップセットApple A4を搭載し、驚くほど高精細なRetinaディスプレイを採用、ステンレスのフレームに、表裏ともガラスという構成で登場したiPhone 4は、圧倒的に高い支持を得た。アウトカメラはLEDフラッシュライト付き500万画素になり、インカメラはFaceTime通話用として30万画素のものが搭載された。この小さなカメラが発展して後に自撮り文化を産むことになる。
ちなみにiPhoneビジネス自体が急成長したためかトラブルも多かった。外側のフレームの持ち方による電波状況の悪化が問題になったり、当初から発表されていたブラック/ホワイト2色のうち、ホワイトの方が歩留まりの問題で約10カ月も出荷されないとか、そもそも発表前のプロトタイプをエンジニアがサンノゼのバーに置き忘れ、それがUSギズモードの記者の手に渡り、大問題になるなどの出来事があった。
iPhone 4の特長
・Apple A4プロセッサー搭載
・Retinaディスプレイ初搭載
・ステンレスフレーム、背面ガラス
iPhone 4 スペック
発売日 | 2010年6月24日 |
発売時のOS | iOS 4.0 |
最終対応OS | iOS 7.1.2 |
CPU | Apple A4 800MHz |
ストレージ | 8/16/32GB |
ディスプレイ | 640×960ピクセル 326ppi |
バッテリー | 1,420mAh |
通信 | 3G |
アウトカメラ | 500万画素 |
インカメラ | 30万画素 |
サイズ | 115.2×58.6×9.3mm |
重さ | 137g |
iPhone 4が登場した2010年
Android、SNS、クラウドアプリなどが盛んに
iPhoneの優位性が高まるとともに、iPhoneを販売できないドコモとauはAndroidスマホを猛プッシュするが、IS03、レグザフォン、ギャラクシーSC-02B、シャープのガラパゴスなど、今考えるとどう考えても厳しい布陣だった。
モバイルで投稿、閲覧できることもあり、TwitterやFacebookなどのSNSが隆盛を迎えた。
Evernote、Dropboxなどのクラウドサービスも注目を集め始めていた。また、デスクで書類を書き、クラウドサービス経由で同期し、屋外や海外で見たり加工したりすることも可能になり『デジタルノマド』という概念も注目された。
スマートフォンは次第に、誰もが使う普通のものになっていく。
iPhone 4でも十分に動作するEvernote。ローンチは2008年なので、わずか2年でここまで成長していたことに。
雑誌フリック!創刊時にロケタッチの『フリック!』シールを作ってもらった。位置情報ゲームのルーツかも。
IS03(左)とiPhone(右)。この頃はなんとかAndroidのいいところを探してレビューしようと苦労した。あと2、3年は難しかった。
Twitterのミートアップが開催され、@evことエヴァン・ウィリアムズが来日していたりした。SNSをビジネスに使う方法も試行錯誤。
『セカイカメラ』がローンチされたのもこの頃。こうしてみると、早過ぎるコンセプトだった気もする。ARグラスで再び実現しそう。
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