
Apple、グリーンボンドで調達した約5000億円を1.2ギガワットのクリーンパワー発電に投資
- 2021年03月17日
地球環境を維持したいというAppleの思想
Appleはすでにグローバルな企業運営においてカーボンニュートラルを達成しているが、2030年はでには発売されるすべてのデバイスにおいても、気候への影響をネットゼロにすることを目指している。
企業というのは利益を追求するべきだとは思うが、Appleはその利益を地球に与えるダメージを最小限にするために遣っている。
今回発表されたのは、グリーンボンドで調達した47億ドル(約5000億円)で、1.2ギガワット分のクリーンパワーを調達したという話。
Apple、グリーンボンドによる調達資金47億ドルを1.2ギガワット分のクリーンパワー発電に投資(英文リリース)
2020年、Appleは年間平均92万1000トンの温室効果ガス削減を目的に、約17のグリーンボンドプロジェクトに資金を投じ、世界で合計1.2ギガワット分の再生可能エネルギーを発電可能にした。このグリーンボンドの規模は、もちろん私企業の起債によるものでは過去最大。
冒頭の写真は、ネバダ州に完成したソーラファーム(Turquoise Solar社との共同プロジェクト)。このソーラーファームからは50メガワット分の再生可能エネルギーが供給されるという。
パリ協定以来、グリーンボンドで47億ドルを調達
いわゆる2015年のパリ協定(気候変動枠組条約締約国会議(COP21))以来、Appleは3つのグリーンボンドを発行し、そこで調達した資金を環境保護に投じてきた。2016年に15億ドル、2017年に10億ドル、そして2019年に米国と欧州で合わせて22億ドル、合計47億ドルを調達した。
サンフランシスコの内陸にあたるネバダ州リノ(古い大戦機によるエアレースで有名な場所だ)にあるAppleのデータセンターのサーバーは、合計3カ所の電力プロジェクトから合計270メガワットの電力の供給を受けている。
その他にもシカゴ郊外のウィンドファームから112メガワット相当の電力購入契約、バージニア州フェデリックスバーグでは165メガワット分の再生可能エネルギー開発支援、デンマークでは世界最大の陸上ウィンドタービン2基の建設により、高さ200mのタービンから毎年62ギガワット/時の電力を産み出すことが期待されているという。デンマークのエスビアウで生み出される電力は、ヴィボーにあるAppleのデータセンターに電力供給するほか、余剰分はデンマーク国内の電力グリッドに回されるという。
(村上タクタ)
(最新刊)
flick! digital 2021年3月号 Vol.113
https://funq.jp/flick/magazines/20158/
デジタル超整理術 リモートワーク編
https://funq.jp/flick/magazines/20164/
SHARE
PROFILE

flick! / 編集長
村上 タクタ
デジタルガジェットとウェブサービスの雑誌『フリック!』の編集長。バイク雑誌、ラジコン飛行機雑誌、サンゴと熱帯魚の雑誌を作って今に至る。作った雑誌は600冊以上。旅行、キャンプ、クルマ、絵画、カメラ……も好き。2児の父。
デジタルガジェットとウェブサービスの雑誌『フリック!』の編集長。バイク雑誌、ラジコン飛行機雑誌、サンゴと熱帯魚の雑誌を作って今に至る。作った雑誌は600冊以上。旅行、キャンプ、クルマ、絵画、カメラ……も好き。2児の父。