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19年ぶりのカラフルな新型iMacは、カジュアルで在宅勤務に最適な性能!

37年をかけて進化したアップルのオールインワンの到達点

iMacが、12年ぶりにボディ形状も含め、全面的に新設計されて登場した。

チップセットもインテルを廃し、M1を搭載。ボディは11.5mmとタブレットのような薄型。すべてが新しくなったiMacは、iPhone、iPadの成功に支えられて、Macを刷新しようとしているアップルにとって象徴的なモデルになるだろう。

発表会で使われた『hello』の文字は1984年に登場した、初代にMacintoshのディスプレイに描かれていたものだし、ジョブスが帰ってきてアップル再生の狼煙となった1998年のボンダイブルーのiMac発表時にも使われたものだ(その時は、『hello(again)』だったが)。

カラフルなボディカラーは、1999年1月に登場したキャンディカラーのiMac(CMにストーンズのShe’s A Rainbowが使われていたのが懐かしい。今回のニューモデルでもう一回使ってくれたら、泣くのに)以来。カラフルなモデルはiMac G4が登場して姿を消したから、19年ぶりということになる。

『hello』に象徴されるメッセージは、今回のiMacの重要性を物語っている。初代iMacから約14年経っての初代iMac、そして23年経っての今回のiMacは、37年間のMacオールインワンパーソナルモデルの新たな到達点なのである。

長い時間自宅にいる時代だからこそのカラフルさ

初代Macに始まり、歴代iMacに通底するメッセージは『個人の能力を拡張する、パーソナルなコンピュータ』ということにある。それは、利用者にはディスプレイ以外ほぼ見えないデザインだったり、ファンを嫌う静音性の追求だったりする。

(そういう意味では、今回の画面下のボディカラーはちょっと気になる。ディスプレイの表示色に影響を与えないように、利用者から見える部分はほぼ無彩色……がMacのポリシーだったのではないのか?)

つまり、今回のiMacは、コロナ禍の影響で世界的に在宅時間が増え、ビデオ会議などが増えた状態におけるパーソナルなコンピュータはどういうデバイスであるべきか? を再考してデザインされている。それがゆえの、7色のカラフルなバリエーションなのだと思う。在宅で長い時間目にするものだし、極力明るい色の方を提供したい……というホスピタリティを感じる。

カラーはブルー、グリーン、ピンク、シルバー、イエロー、オレンジ、パープルの7色。シルバー以外の6色は、それぞれよく見るとツートンカラーになっている。

カラーコーディネートはモデル全体で徹底されており、電源ケーブルや、付属するUSB-C−Lightningケーブル、マウスやキーボードに至るまで、色が共通化されている。箱もそれぞれ別。在庫管理を考えると気が遠くなりそうで、管理しなければならない商品の増加を嫌うティム・クックが、よくぞ許可したものだと思う。

デザイン設計の根幹となっているのは、昨秋発表された自社設計のM1チップセット。

iPhoneやiPadのAシリーズチップセットは、放熱ファンが不要なほど発熱が少なく、にもかかわらず高い性能を実現している。これにより、新型iMacは、11.5mmという薄型のボディと、高い性能、静音性を実現している。

故に性能的には、先行して発売されたM1搭載のMacBook Air、MacBook Pro(2ポート)、Mac miniに基本的に準じたものになると思われる。2基のファンによる冷却性能向上により、多少性能アップがあるかもしれないが、大きな差はないだろう。

つまり、M1は、24インチの4.5Kディスプレイを搭載したiMacでも問題なく使える性能を持っていると、アップルが自信を持っているということでもある。

どのコンフィグを選ぶべきか?

15万4800円(税込)で提供される最廉価モデルは、GPUが7コアで、背面のポートはThunderbolt / USB 4 ×2のみとなっており、さらにカラーバリエーションもブルー、グリーン、ピンク、シルバーの4色に限られる。また、Touch ID付属タイプのMagic Keyboardも付属しない(Touch IDが付属しないということは、旧型のMagic Keyboardだと思われるが、その場合はシルバーなのだろうか? 今のところ不明)。

他のモデルでのデータを見てもGPUが7コアになってもたいした性能低下はないので、実用上は、この製品を選ぶのもアリだと思う。背面のポートが少ないのはちょっと困るし、せっかくのTouch ID付きマジックキーボードが付属しないのは寂し過ぎるが。

GPUが8コアになる真ん中の仕様以上のモデルには7色のカラーバリエーションとともに、USB 3ポートが2つ追加される。これは興味深いことで、Thunderboltコントローラーが内蔵されており、ポートを増やせないM1チップ搭載機でもUSB 3ポートを2つ追加することはできるということになる。

電源アダプターは、このパーソナルなMacintoshからiMacに至るシリーズとしては初めて別体式に。放熱が少ないM1チップを搭載したことから、大きな熱源であるアダプターを別体式にしたと思われる。ケーブルはボディーとコーディネートされた色で、マグネットで簡単に付け外しできる。

ユニークなのは、ここにEthernetポートを設けたこと。たしかに、これで本体に向けて伸びるケーブルを1本減らせる。

VESAマウント対応型も販売されており、通常のタイプと価格は同じ。アームマウントや壁掛けにするもスタイリッシュだろう。

ビデオ会議の時代だからこその、高品質なカメラ、マイク、スピーカー

ディスプレイは24インチの4.5K。4,480×2520ピクセルで、218ppi、500ニト、True Toneも搭載している。

時世を反映したポイントとしては、ビデオ会議向けの性能が充実していることが挙げられる。

カメラは1080p FaceTime HDカメラで、高画質。M1のISPにより、ハイレベルな画像処理が施され、画質、特に暗部の画質が大幅にアップ。ハイライトも飛びにくく、ディテールを再現。さらにM1のニューラルエンジンと連携して露出とホワイトバランスを調整するという。

マイクは『スタジオ品質』との触れ込みの3アレイマイク。周囲のノイズをフィルタリングして、声をはっきりときれいに伝えてくれるという。

6スピーカーのサウンドシステムは、2組のフォースキャンセリングウーファーによって不要な振動を排除して豊かな低音を響かせ、1組のウーファーとごにツイーターを組み合わせてバランスを調整、重厚でかつきめ細やかなサウンドで、映画も音楽も楽しめるという。また、トルビーアトモスでビデオを再生した場合には、空間オーディオにも対応しているという。

同梱されるMagic Keyboardは従来モデルより角Rの大きな専用設計。こちらも本体色とコーディネートされたカラーになっている。Touch ID内蔵(指紋データをBluetoothで飛ばすわけにはいかないから、T2チップがキーボードに内蔵されていると思われる)、さらにSpotlight、音声入力、おやすみモード、絵文字のキーが追加されている。今のところ単体販売はされない模様。

また、トラックパッドやマウスもコーディネートされたカラーのものが用意される。購入時はトラックパッドかマウスのどちらかを選ぶことができる。両方を選ぶことができるのかも今のところ不明。

27インチの『ゴージャスで、何もかもできる強力なオールインワンモデル』とは違った方向性

新しいiMacは、『個人の能力を拡張する、パーソナルなコンピュータ』という意味において、原点に立ち返った意欲的なモデルだと思う。在宅勤務で、自宅に大きなディスプレイのパソコンを1台置きたいという人にとって、優れた選択肢になるだろう。

色あざやかな、7色のカラーも『1台欲しい!』と思わせてくれる。

しかし、従来の27インチiMacにあった『ゴージャスで、何もかもできる強力なオールインワンモデル』ではなくなったことは意識しておきたい。

M1チップセットは非常に高性能ではあるが、あくまで、エントリー、スタンダードモデル向きのチップセットだということだ。24インチの4.5K。4,480×2,520ピクセルという仕様も、27インチ、5K、5,120×2,880ピクセルよりスケールダウンしていることは知っておきたい。もしかすると、この24インチモデルは、従来の21.5インチ、4K、4,096×2,304ピクセルというモデルの後継なのかもしれない。

となると、M1の上位チップセット(おそらく、MacBook Pro 13インチ4ポート、16インチ、Mac Proなどのために用意される)を搭載した、27インチの後継モデル的オールインワンも控えているのかもしれない。たとえば、本機と同じデザインを踏襲した30インチモデルとか……。

この24インチiMacも素晴らしいが、27インチ後継の『ゴージャスで、何もかもできる強力なオールインワンモデル』を求める人は、ちょっと待った方がいいかもしれない。もっとも、それはラインナップから推測できるだけで、今後のiMacの方向性は、このパーソナルな24インチモデルが主流になるのかもしれないが。

『個人の能力を拡張する、パーソナルなコンピュータ』という方向性で買うなら本モデルはとてもお勧め。『ゴージャスで、何もかもできる強力なオールインワンモデル』を求めるなら、もしかしたら待ちかもしれない……というのが筆者の意見だ。

(村上タクタ)

 

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PROFILE

村上 タクタ

flick! / 編集長

村上 タクタ

デジタルガジェットとウェブサービスの雑誌『フリック!』の編集長。バイク雑誌、ラジコン飛行機雑誌、サンゴと熱帯魚の雑誌を作って今に至る。作った雑誌は600冊以上。旅行、キャンプ、クルマ、絵画、カメラ……も好き。2児の父。

デジタルガジェットとウェブサービスの雑誌『フリック!』の編集長。バイク雑誌、ラジコン飛行機雑誌、サンゴと熱帯魚の雑誌を作って今に至る。作った雑誌は600冊以上。旅行、キャンプ、クルマ、絵画、カメラ……も好き。2児の父。

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