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LiDARで異空間を作る『Effectron』でアピールする群馬の制作会社【WWDC直前レポ2】

群馬・高崎のウェブ制作会社のチャレンジ

今年、6月8日から開催されるWWDCといえば、MacBook Proなどの新製品が発表されるイベント……と思っている方は多いと思うが、本来は、開発者の方々が、次世代のOSについて話を聞き、次に開発するアプリケーションについてのアイデアを得たり、その仕組みを使えるかどうかを相談したりする場所である。

開発者は何のために17万円も払ってWWDCに行くのか? 聞いてみた

開発者は何のために17万円も払ってWWDCに行くのか? 聞いてみた

2019年06月11日

群馬県高崎市のウェブ制作会社アフェクションでは、ウェブサイトやアプリ開発などを行っている10人ぐらいの会社。デザインをやりながら、会社の第2、第3の柱を作り、技術力が高いことをアピールするためにアプリを作ることになった。社員からアイデアを募ったところ、なんと50以上のアイデアが集まったという。

その中で、2020年のWWDCで発表されたARの技術を活用して、リアルタイムで録画映像を加工し、動画にする……というCG motion開発室室長の金井一馬さん(写真右)のアイデアが採用された。

LiDARセンサーを活用して、現実の動画に特殊効果を

金井さんはオンライン取材の際に、Yam.と入った5色のiMacのTシャツを着てくるほどのiMac好き。

2020年3月に発表されたiPad Proに搭載された、現実世界の空間形状の情報をスキャンするLiDARセンサーを活用するAPIがWWDC 2020で発表されたのを受けて、すぐに開発に取りかかった。

また、2020年9月に、iPhone 12 ProにLiDARセンサーが統一されると、すぐにiPhoneにも対応した。今回はiPhone 12 Proを使って試用してみた。

EffectronはLiDARセンサーで部屋の形状を取得して、壁面などの形状に沿ったグラフィックをまるでプロジェクションマッピングで壁面に投影するかのように表示するアプリ。壁に表示されるグラフィックと、一緒に映る人には別の効果を適用することができる。

上のように現実世界にワイヤーフレームが表示され、それがリアルタイムで反映されているのを見ると、驚く人が多いはずだ。

エフェクトのセンスが実に良くって、トロンのようにワイヤーフレーム風だったり、マトリックスのような緑の粒子が流れているものだったり、エネルギーに満ちた空間風だったり、実に面白い。

ただの特殊効果ではなくて、現実空間の形状を取り入れているからこその面白さがある。

また、人物はそのまま表示することもできるし、モノクロ風にすることも、モザイクをかけることもできるし、サーモセンサー風にすることもできる。動画のアクセントとして面白いし、TikTokやインスタに上げる動画をこれを使って撮るのも面白いだろう。

ビデオ会議でもこの効果が使えると、面白そうなのだが……そういう機能も期待したい。

アップルのWWDCでは、こうした開発者の方々が、次世代のユニークなアプリのアイデアを取り込もうと、虎視眈々としていらっしゃる。自分だったら「この新技術を使って、どんなアプリを開発しようか?」などと考えながらWWDCを見るもの面白いだろう。

Effectron
https://apps.apple.com/us/app/id1526438768

(村上タクタ)

(最新刊)

flick! digital 2021年6月号 Vol.116
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PROFILE

村上 タクタ

flick! / 編集長

村上 タクタ

デジタルガジェットとウェブサービスの雑誌『フリック!』の編集長。バイク雑誌、ラジコン飛行機雑誌、サンゴと熱帯魚の雑誌を作って今に至る。作った雑誌は600冊以上。旅行、キャンプ、クルマ、絵画、カメラ……も好き。2児の父。

デジタルガジェットとウェブサービスの雑誌『フリック!』の編集長。バイク雑誌、ラジコン飛行機雑誌、サンゴと熱帯魚の雑誌を作って今に至る。作った雑誌は600冊以上。旅行、キャンプ、クルマ、絵画、カメラ……も好き。2児の父。

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