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らくがきが動き出す! Apple Design Awardファイナリスト『らくがきAR』の秘話

「こいつ動くぞ!」

らくがきARというアプリをご存知だろうか?

紙に描いたらくがきが、命を得たかのようにむくりと起き上がり、動き出すというアプリだ。iPhone、iPadで動作し、らくがきは子供の描いた絵でも、例えペンを持ち始めたはかりの幼児が描いたグジャグジャとした丸でも、魔法のように生き生きと動き出すのに驚かされる。

ONE PIECEの尾田さんはじめ、多くのマンガ家さんやイラストレーターさんが、Twitterなどで楽しんだので、それで知った人も多いだろう。

アイドルファンの女性が、『推し』の写真を机の上で立体化させて愛でたりもするらしい。

この『らくがきAR』が、2021年のWWDCで発表されたApple Design Awardにノミネートされた。惜しくも受賞は逃したが、ノミネートされただけでも日本初の快挙だ。

2021年Apple Design Awardsの受賞者
https://developer.apple.com/jp/design/awards/

このらくがきARの開発社であるWhatever Inc.の方々にお話を聞けたので、お伝えしよう。

2020年、世界で最もダウンロードされた有料アプリ

(上/クリエイティブディレクター・宗佳広さん、左/プログラマー・岡田隆志さん、右/プロデューサー・関健一さん)

Whateverはクリエイティブスタジオ。六本木、ベルリン、台北に支社を持ち、ムービー制作、アプリ開発、製品プロデュースなど、なんでも行うクリエイター集団だ。

『らくがきを動かそう』という発想は、2010年の『撃墜王ゲーム』にはじまる。カードに描いた飛行機が、描いた絵柄によって攻撃力やスピードが変わって対戦するゲームだった。それからも『らくがき水族館』『らくがき動物園』などのらくがきコンテンツが作られた。

2017年にはアップルからARKitのβ版が発表され、なんらかのカタチでリリースできないか、さまざまな企業に提案したが実現しなかった。

そして、2020年8月、「外出がままならない状態の中、子供たちに遊んで欲しい」という思いでiPhone/iPadアプリ版として完成させた。ローンチされた途端、マンガ家やイラストレーターのTwitterなどで取り上げられて、爆発的人気を博した。小さな子供たちでも遊べるし、描いた絵を写してタップするだけというシンプルなUIなので、どんなに小さな子供でも楽しめるというのも素晴らしい点だった。

らくがきARはなんと、リリース5日で46万ダウンロードを達成。App Storeの有料総合アプリで24日間連続1位を獲得。世界8カ国のApp Storeで1位を獲得した上に、2020年最もダウンロードされた有料総合アプリで1位となった。

さらに、角川武蔵野ミュージアムに展示、文化庁メディア芸術祭エンターテイメント部門優秀賞受賞、さらにiF Design Award 2021 Product部門、 Communication部門受賞など、数々の賞を受賞した。

そして、ついに、アプリなどをデザインする人にとっては最高の栄誉である、デザインにこだわる会社であるAppleのDesign Awardのファイナリストに選ばれたのだ。

子供の笑顔が好きだった山田純也さんの遺志を継いで

ARKitのβ版を開発した2017年から、2020年のローンチまで時間が空いてしまっていたのには理由があった。らくがきを動かすことにこだわり、『らくがき動物園』の時に、描いたものに自動でボーン(骨)が入るホネボーン(HoneBorn)システムを作った山田純也さんが志半ばに他界されたのだ。

アプリのコードの中には、山田さんしかわからない部分もあったので、開発は止まってしまっていた。その『秘伝のレシピ』とでもいうべき部分を解析し、2020年、子供たちが外出できなくなった折に、あらためて『子供たちの家での時間を楽しいものにしたい』という思いを重ねて、完成にこぎつけた。

ローンチしてからの成功ぶりは先ほどお伝えした通りである。

ARKitを利用することで、どんな絵でも簡単に動かせるようになった

開発でこだわったポイントは、ワンタップで立体化できるシンプルさと、どんな小さな子の描いた絵でも立体化して動かせること。それは、子供の笑顔が大好きだった山田さんのこだわったポイントでもある。

初期のらくがきコンテンツは、画像の認識にとても苦労した。照明の当たり方や、撮影物との距離など、かなりチューニングしないと、画像を認識できなかったのだ。それが、ARKitのローンチによって、最初から室内の空間を把握してスキャンすることにより、かなり幅広い条件下で簡単にらくがきを認識できるようになった。

Apple Design Awardは、エントリーが必要なわけではなく、全アプリが対象となってその中から選ばれるので、ノミネートに関しては、突然アップル社の方から連絡があったのだという。

アップル製品が大好きで、新製品が出たら買ってしまうアップルファンのひとりだった山田さんが聞いたらどれほど喜んだことだろうか?

↓動かないと分からないと思うので、動画を撮ってみました。とっても簡単なので、ぜひみなさんもらくがきARで遊んでみて下さい。ちなみにらくがきは妻に協力してもらいました。

(村上タクタ)

(最新刊)

flick! digital 2021年7月号 Vol.117
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PROFILE

村上 タクタ

flick! / 編集長

村上 タクタ

デジタルガジェットとウェブサービスの雑誌『フリック!』の編集長。バイク雑誌、ラジコン飛行機雑誌、サンゴと熱帯魚の雑誌を作って今に至る。作った雑誌は600冊以上。旅行、キャンプ、クルマ、絵画、カメラ……も好き。2児の父。

村上 タクタの記事一覧

デジタルガジェットとウェブサービスの雑誌『フリック!』の編集長。バイク雑誌、ラジコン飛行機雑誌、サンゴと熱帯魚の雑誌を作って今に至る。作った雑誌は600冊以上。旅行、キャンプ、クルマ、絵画、カメラ……も好き。2児の父。

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