GIGAスクール構想で配布されたiPadが盗まれたら? 売り飛ばしたら? どうなる?
- 2021年10月16日
「親が売ってしまった」なんていう話も
GIGAスクール構想のおかげで、全国の学校に210万台のiPadが導入された。我々の取材している学校は、上手く行っているところが多いが、導入支援業者の方に聞くと、なかなか一筋縄ではいかないケースも多いようだ。
なにしろ安倍元首相の鶴の一声で『1人1台』である。全国津々浦々ということはさまざまな人のところに行くということでもある。
導入支援企業で聞いた話で、裏取りをしたわけではない話だが、「子供が自宅学習のために家に持って帰ったら、親が売ってしまった」「同級生のiPad、まとめて10台をメルカリで売ろうとした」なんていう話もあるとのこと。
想像を絶する話だが、たしかに数万円するガジェット。盗んだり、売り払ったりという人が出る対策は考えておかねばならないだろう。GIGAで配られた予算が1人4万5000円。40人教室に、180万円分のデバイスがあると思うと、たしかに物騒だ。
初期化できないばかりか、位置情報を追跡される!
結論から言うと、ちゃんとした導入支援業者の方が導入したiPadなら、盗んでも追跡可能。そもそも使えないから盗む意味はない。
昔は、手作業でひとつひとつiPadのアカウントを作って、ログインして初期設定していたものだが、今は、MDMを使って一気にセッティングしてしまう。
この時に、最初から学校で使う用に『自動デバイス登録品』として購入していれば、Wi-Fiに繋がった途端に設定ファイルが流し込まれ、どこの学校のどの生徒の使うデバイスだ……という初期設定がすべて流し込まれる。どんなアプリをインストールするか、何時から何時まで使っていいか……というような細かい制御も可能だ。
なので、仮に売却しようとして初期化しても、Wi-Fiに繋がった瞬間に、初期設定ファイルが降りてきて、学校で使っている状態になる。
そればかりか、MDM側からデバイスをロックできるし、位置情報も追跡できる。学校のiPadは盗んだって役に立たないばかりか、あっという間に捕まってしまうのだ。
学校のiPadは盗んでも無駄だということの周知を!
というわけで、泥棒のみなさん! 学校のiPadは盗んだって使い物にならないし、盗難したら位置情報ばれて、すぐに通報されてしまう。盗まないように!
もうひとつ大事なのは、ちゃんとした導入支援業者から購入してMDMや、自動デバイス登録をちゃんとやってもらうことだ。詳しくは『子供を伸ばす! 学校と家庭のiPad超活用術』に載っているので、ぜひご参照下さい。
(村上タクタ)
(最新刊)
flick! digital 2021年10月号 Vol.120
https://peacs.net/magazines-books/flick-906/
子供を伸ばす! 学校と家庭のiPad超活用術
https://peacs.net/magazines-books/flick-1064/
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PROFILE
flick! / 編集長
村上 タクタ
デジタルガジェットとウェブサービスの雑誌『フリック!』の編集長。バイク雑誌、ラジコン飛行機雑誌、サンゴと熱帯魚の雑誌を作って今に至る。作った雑誌は600冊以上。旅行、キャンプ、クルマ、絵画、カメラ……も好き。2児の父。
デジタルガジェットとウェブサービスの雑誌『フリック!』の編集長。バイク雑誌、ラジコン飛行機雑誌、サンゴと熱帯魚の雑誌を作って今に至る。作った雑誌は600冊以上。旅行、キャンプ、クルマ、絵画、カメラ……も好き。2児の父。