Google Pixel 6/6 Pro をiPhoneユーザーが試してみた
- 2021年11月10日
リーズナブルな高性能Android、Google Pixel
Google Pixel 6/6 Proがいいと評判だ。普段Apple製品を中心に情報をお伝えしているフリック!としても見逃せないので、機材をお借りして試してみることにした……というわけで、今後、主に我々と同じiPhoneユーザーのみなさんに向けて、ライバル製品たるGoogle Pixel 6/6 Proについて情報をお届けしよう。
ご存知のように、アップルのみが作るiPhoneと違って、Android OSの動作するAndroid携帯は公開されていて、いろいろな会社がAndroid OSを使った携帯を作ることができる。しかし、それだけではGoogleの意図した機能をプッシュできない……ということもあり、2016年からGoogle Pixelという携帯が作られるようになった。Googleのハイエンドな携帯といえば、SamsungやHUAWEIがあるので、Pixelはどちらかといえば先進機能を取り入れているが、コスパの高い標準モデルという位置づけになる。製品名は数字で区別され、その後にスタンダードモデルが『a』の文字を付けて追加される。上の写真の一番右が5a(5G)で、中央が新発売の6、左がその高機能版だる6 Proだ。
主なスペックを書き出すと以下の通り。
直接、iPhoneと比較することはできないが、5a(5G)が、価格帯としてはiPhone SE2並みの廉価なモデル。だが、全面ディスプレイだったりと、機能的にはiPhone SE2より1枚上手。
6と6 Proは、iPhone 13 / 13 Proと比べるには少しリーズナブル。カメラの画素数のスペックはiPhone(1,200万画素)よりはるかに上だが、ストレージはあまり大きい容量のものはなく(Google Driveの使用が前提となっているのだろう)、単純に比べるのは難しい。
注目のGoogleオリジナルチップ『Tensor』
6と6 Proの特徴は、なんといってもプロセッサーに従来のクアルコム社製のSnapdragonシリーズではなく、自社製の『Tensor(テンソル)』を搭載していることにある。我々iPhoneユーザーに分かりやすくいえば、アップルがAシリーズチップを作ったように、Googleも独自設計のチップを作ったということにある。
Tensorとは多次元の配列を意味しており、機械学習(いわゆる、AIと呼ばれるもの)をイメージしていると思われる。その名の通り、Tensorは機械学習用のチップを積んでいる。スペック的にはiPhoneのNewral Engineに劣ると言われているが、豊富な言語データ、画像データとその解析技術を持つGoogleのこと、単純にチップの性能の優劣で語るには留まらない能力を発揮するアプリケーションが実装されているという。このあたり、アップルとGoogleのスタンスの違いもあって面白い。
つまりは、アップルにしてもGoogleにしても、端末側での機械学習が不可欠だと感じているということだ。
アップルはNeural Engineでそれを先に実装し、写真の識別、加工などに積極的に利用してる。Googleは、Tensorで後追い的に機械学習専用チップを搭載したが、写真の認識、加工はもちろん、言語認識、翻訳などに積極的に利用してきた。このあたりを見てみたい……というのが、今回筆者がGoogle Pixel 6/6 Proを試用してみた理由である。
ちなみに、Googleからは、今回の製品をお借りする前に、『Google Original Chips』と書かれた、6と6 Proを模したデザインのポテトチップスが送られて来ていた。ご丁寧に『フリック!特別仕立て』というステッカーまで貼っていただいていたのに、文脈が分からない筆者は、ただ単に、美味しくいただいてしまった。
google 初のオリジナル『チップ』であるTensorに、ポテト『チップ』をかけたジョークだったのだ。気付くのが遅くて申し訳がない。ジャガイモの素材がいいのか、非常に美味しいポテトチップスだった。ごちそうさま。
アップルとGoogleのスタンスの違い、商品の違い
すでに、2〜3週間、iPhoneと並行してGoogle 6/6 Proを使用しているが、日常的な利用において、iPhoneとAndroidの性能に優劣があるようなことはないと思う。たいていのアプリは同じように動作するし、出来ること出来ないことというような差はない。
ただ、iPhoneを利用するメリットといえば、Apple Watch、iPad、Mac、iCloud、iTunes……などで構成される完成度の高い(ただし閉じた)エコシステムの使い易さが挙げられるだろう。また広告に振り回されない適度なプライバシーも安心感が高い。ただし、この排他的なエコシステムを不快に感じる人も多いだろう。
対して、Googleは、広く開かれたインターネット上のGoogleのエコシステムのメリットを引き出せる。iPhoneユーザーの方でも多くは、Gメールや、Googleドライブ、Google Mapなどを日常的に使われていると思う。それらのサービスにより密接に組み込まれているのは、やはり快適だ。ホテルの予約メールが来ればGoogleカレンダーに自動的に書きこまれる。写真を撮ればGoogleフォトに保存される。高度な連携は快適だが、すべての動作がマーケティングデータとして活用され、適切な(時にうるさい)広告との連携機能が働く感覚がiPhoneを使っている時より、より前面に出てくる。
商品で勝負するアップルの製品は高くなりがちだが、Googleの場合、スマホを安く売っても広告ビジネスからの収入があるから、極端な話Pixelで儲けなくてもいいという立ち位置の違いもある。そういう意味でもPixelシリーズのコスパは高い。
今後、[FUNQ/flick!]でいくつかの機能を試用して、記事を書いてみるので、ぜひご覧いただきたい。
(村上タクタ)
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flick! digital 2021年11月号 Vol.121
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PROFILE
flick! / 編集長
村上 タクタ
デジタルガジェットとウェブサービスの雑誌『フリック!』の編集長。バイク雑誌、ラジコン飛行機雑誌、サンゴと熱帯魚の雑誌を作って今に至る。作った雑誌は600冊以上。旅行、キャンプ、クルマ、絵画、カメラ……も好き。2児の父。
デジタルガジェットとウェブサービスの雑誌『フリック!』の編集長。バイク雑誌、ラジコン飛行機雑誌、サンゴと熱帯魚の雑誌を作って今に至る。作った雑誌は600冊以上。旅行、キャンプ、クルマ、絵画、カメラ……も好き。2児の父。