音質激上がりのAirPods 第3世代と、AirPods Pro。どちらを選ぶかはあなたの聞き方次第
- 2021年12月08日
INDEX
AirPods 第3世代が非常に優秀
AirPodsの標準モデルが第3世代になり、音質が激上がりしたのは既報の通り。
AirPods Proの登場から2年を経て、AirPodsシリーズの志向するコンピューテーショナルオーディオの世界は大きく進化した。
素晴らしいのは、空間オーディオの臨場感だが、デリケートな音の粒状感、ディテール。低い音の広がりが非常に向上していて、筆者の個人的意見ではAirPods Proより上のように思える。
これが、ノイズキャンセリングをしていないからこそのクオリティなのか、それともAirPods Pro発売からの2年間での向上なのかは分からないが、とにかく単体での音質はAirPods 第3世代の方がAirPods Proよりいいと思う。
どこでも自分のリスニングルームにするAirPods Proの魅力
ちょっと詳しく解説すると、AirPods Proの発売は2019年10月。約2年前。
旧来のAirPodsとの違いは、周囲の雑音と逆位相の音を出して雑音を消すノイズキャンセリング機能が追加されていること。そのために、外部と内部を切り分けるためにイヤーチップが装着されており、耳の穴ともピッタリフィットする感じで落ちにくい(個人差はあります)。
ソニーやBOSEのノイズキャンセリングのように『ビタッ!』と突然周りの音が押さえ込まれる感じではないが、自然と周囲の音が聞えなくなり、音楽に集中できる感じだ。
その後、今年のアップデートで空間オーディオにも対応。たとえばApple TVの対応映像を視聴すると、砲弾が前から後に跳んでいくのを感じて、振り返れば爆発音を自分の顔の前の方に感じるような体験をすることができる。
2年を隔てたAirPods 第3世代の最新テクノロジー
それに対して、AirPods 第3世代はノイズキャンセリング機能を持たない。
その代わり、空間オーディオに対応しているし、耳に合わせて音楽を調節するアダプティブイコライゼーションにも対応している。アップル設計のダイナミックドライバとカスタムアンプを搭載している。
どのアップデートが一番有効だったかは分からないが、ともあれ音質だけとればAirPods Proより緻密で広がりを感じられると思う。
選択が難しいように思えるが……
AirPods Proは3万0580円と少々値が張る。AirPods 第3世代は2万3800円。どちらを選ぶかといえば非常に難しい。
筆者は音質だけではAirPods 第3世代の方がいいと思う。
ただ、AirPods Proのノイズキャンセリングが非常に優秀なので、静音性の方が重要であればこちらをお勧めする。では、どちらを選ぶか? これは難しい問題のように思える。
しかし、実のところ意思決定は簡単だ。
どちらをチョイスするかは、あなたがどういう状況で音楽を聞くかで選んだ方がいい。周囲が静かな自室などで聞くなら、断然AirPods 第3世代だ。音の広がりが違う。粒状性が違う。
静かな環境で聞くのならAirPods 第3世代がお勧めということだ。ウォーキングなどをする時も、周囲の音をキャンセリングしないAirPods 第3世代だと少し安心だ。
対して周囲がにぎやかな場所、通勤電車の中や、駅のホームなどでは断然AirPods Proの方がいい。AirPods 第3世代では周囲の音が聞え過ぎて、再生している音が聞えにくい。Podcastなどトークコンテンツだと、聞きづらくてボリュームを上げる必要がある。また音を大きくしすぎると音洩れの心配もある。
というわけで、周囲がにぎやかな場所で使うならAirPods Proシリーズがお勧め。静かな場所で使うならAirPods 第3世代がお勧めというわけだ。
(村上タクタ)
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PROFILE
flick! / 編集長
村上 タクタ
デジタルガジェットとウェブサービスの雑誌『フリック!』の編集長。バイク雑誌、ラジコン飛行機雑誌、サンゴと熱帯魚の雑誌を作って今に至る。作った雑誌は600冊以上。旅行、キャンプ、クルマ、絵画、カメラ……も好き。2児の父。
デジタルガジェットとウェブサービスの雑誌『フリック!』の編集長。バイク雑誌、ラジコン飛行機雑誌、サンゴと熱帯魚の雑誌を作って今に至る。作った雑誌は600冊以上。旅行、キャンプ、クルマ、絵画、カメラ……も好き。2児の父。