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サウナでかぶる帽子、サウナハットついて調べてみました

突然ですが、皆さんサウナの中でかぶる帽子、「サウナハット」をご存知でしょうか?

・サウナハットとは
サウナの熱から、頭や髪を守るための帽子です。色、柄、形状、生地の厚さなど、様々なバリエーションがある

僕は昨年度からサウナが好きになり、屋内、屋外問わず、様々なサウナに通うようになりましたが、サウナハットのお陰で、よりサウナを楽しめました。

サウナハットとは、もともとサウナの熱から頭や髪の毛を保護するという役割がありますが、特にアウトドアサウナと相性がとても良い。アウトドアサウナでは、日中の日差しの中、複数のテントサウナに入ることが多いのですが、テントサウナはロウリュ (サウナストーンに水を掛け、蒸気を発生させること)することにより、体感温度がかなり上昇することも。日差しのある中で、そんなサウナをいくつも周る場合は、サウナハットかぶっていることにより、より快適に楽しめると思います。

機能だけでなく、見ているだけでワクワクしてしまう、デザインも素敵です。一言にサウナハットと言っても、色、柄、形状、生地の厚さは様々。ハンドメイドのものもあるので、この世にただ一つだけの、オリジナルサウナハットに出会えます。

SAUNA HAT FACTORY
「SAUNA HAT FACTORY」のサウナハット

僕は、「SAUNA HAT FACTORY」というブランドのものが特に好きで一目惚れしました。

その後、「SAUNA HAT FACTORY」でサウナハットを作成されている、TARUさんと知り合う機会があり、WEBサイトの作成のご依頼を頂き、下記サイトを作成させて頂きました〜。

・SAUNA HAT FACTORY公式WEBサイト
http://sauna-hat-factory.com/

そんなサウナに通う日々を過ごす中で、一つの思いがむくむくと大きくなりました。

そもそもサウナハットっていつからあるもの何だろう?

日に日に高まる疑問にいてもたってもいられなくなってしまい、ついに「公衆サウナの国フィンランド」の著者、サウナの本場、フィンランドにお詳しい小林文菜さんに相談してみました。
すると、お知り合いにサウナハットについて論文を書かれているフィンランド人のご友人がいるというじゃありませんか!!是非お話ししたかったので、早速ご紹介頂きました!

サウナハットってどこからやってきたの?

紹介頂いたJUHAさんは、人類学を専攻されている方で、サウナハットの歴史や効能について探求をされていました。
・JUHAさんのWEBサイト
https://www.saunakonkeli.com/

※今回の記事は、フィンランド語で記載された参考文献を英訳、日本語訳した上で考察し、また、JUHAさん独自にお調べ頂いた内容も記載いたしております。あくまで一解釈とし、お読み頂ければと思います。

JUHAさんのご見解では、サウナハットはロシアからフィンランドに伝わったという説があるそう。ロシアのサウナは110度やそれ以上高くなるほど熱くなることがあり、帽子やグローブを身に着けることもあったようで、そのカルチャーとしてサウナハットも伝わったと考えられるということか。

熱により血管が開くことによって、特に低血圧の人に引き起こされることがある、サウナの後のめまいなどの予防に役立っていたのではないかとのこと。

また、これは逸話的な話なのですが、フィンランドの文献によると、1930年代に中央フィンランドで、サウナに入って頭を熱しすぎないよう、サウナ利用者にサウナハットをかぶるよう啓蒙活動をしていた人もいたみたい!この話本当だったらとても面白い!

サウナハットはいつからあるものなの?

では、サウナハットはいつから存在するものなのでしょうか。参考文献として、「Savusauna ennen ja nyt」があるとのことで、JUHAさんにフィンランド語の文献を、英訳頂きました。

”In the Middle Ages in Europe it was possible to take steam baths in spas by throwing water on the stove. According to old scriptures and drawings, also the whisk was in common use even in the 1200’s and saunagoers also used different types of hats that were felt or woven. Thus, a whisk and a hat was a natural symbol to hang as a sign outside a public bath. The combination of a hat and a whisk was an easily interpreted symbol, that would work well even today.”

参考文献:Savusauna ennen ja nyt
https://otava.fi/kirjat/savusauna-ennen-ja-nyt/

なるほど!著者によると中世から石に水をかけて蒸気を浴びること(ロウリュ のことか?)をしていたらしい。ウィスキングも1200年代から行われており、フェルトなど様々な素材で作られたサウナハットをかぶっていたとか!?

結果として、今でも公衆サウナのシンボルとして、帽子やヴィヒタがシンボルになっているのだとか…。

また、「SAUNA KAUTTA AIKOJEN」という書籍には、時代ごとによるサウナハットのデザインの遷移が描かれています。

参考文献:SAUNA KAUTTA AIKOJEN
https://otava.fi/kirjat/savusauna-ennen-ja-nyt/

ここに掲載できないのが残念でならないのですが、書籍内には、1200年代から1600年代にかけて、ドイツでかぶられていたサウナハットの変遷が描かれています。現代かぶられているものに近いものもあれば、王冠みたいな形もあって、面白いな〜!当時はhay straws(麦?)で作られていたものもあったようです。

また別に教えて頂いた、「SWEAT」には、1400年代のロシアのサウナも様子が描かれていました。サウナハットは描かれていなかったけど、ウィスキングの様子が描かれています。600年以上前から行われていることなんですね。

参考文献:SWEAT
https://www.mikkelaaland.com/sweat.html

サウナハットを自作してみました

JUHAさんのご厚意に甘えて、様々教えていただきましたが、やっぱりサウナハットを知るには、自分でも実際に作らなければ!ということで、「サウナハットワークショップ」に参加し、サウナハットを作ってきました。ざっくり作成工程をお伝えいたします。

写真は、映像クリエーターのアベさんに提供頂きました。ありがとうございました。

1.フェルトを選ぶ

まずはフェルト選び!様々な色の中から、自分の作りたいイメージに合わせて、色を選びます。僕は星空を表現したかったので、白、紺、そしてアクセントカラーに黄色を選びました。

2.フェルトを重ねていく

次は、選んだフェルトを作りたい形に合わせた厚紙の上に乗せていきます。これは隣で作っていた別の方の写真ですが、すでにパンダを作ることがバレバレで可愛いですね。

3.石鹸水で固めていく

重ねたフェルトに石鹸水をかけて、固めていきます。ここが難しかった!フェルトのムラがなく均等に伸ばしたいんだけど、一部分少なくなってしまったりと四苦八苦です…。

4.乾かして、完成のはずが…!?

すみません…失敗しました。教えてくれた人の指示を途中から無視して、勝手にフェルトの量を多めにしてがっしりしたサウナハットを作ろうとしてしまい…。最後フェルト同士がうまく繋がらず、一人だけ雑巾を作ってしまいました。

ちなみに上手に作ると…

こんな感じで綺麗に仕上がります。美しすぎる…。

サウナハットを販売してきました

「SAUNA HAT FACTORY」は9/21~9/23、長野県小海町のフィンランドヴィレッジにて開催される、日本最大級のサウナイベント「SAUNA FES JAPAN 2019」に出店しました。実際にお客さんにサウナハットをお渡しするところ是非見てみたかったので、イベント販売のお手伝いをしてきました!

当日は、全約50種類のサウナハットを3日間に分けて販売したのですが、嬉しいことにどの日も開始1時間ほどで完売の大好評!!!

今回が、「SAUNA HAT FACTORY」の初出店ということで、どのような反応をお客さんから頂けるか、陰ながらドキドキしながら見守っていたのですが、自分ごとのように嬉かった…。

アウトドアサウナで使用するために買ってくださる方はもちろん、知人へのお土産として買われてる方もちらほら。グループで来店し、どのサウナハットが似合うかなど、皆で試着しながらサウナハットをきっかけに、盛り上がっている方々もいました。

「SAUNA FES JAPAN 2019」とは?

ちなみに、今回参加した「SAUNA FES JAPAN 2019」とは、全国津々浦々から、様々なサウナや、サウナ好きの人達が集まり、サウナを楽しむ、日本最大級のサウナイベント!昨年度も開催されましたが、大人気でチケットも売り切れ!念願だったイベントだったので、今回参加できて良かったです。来年も開催されるといいな!

・SAUNA FES JAPAN 2019公式WEBサイト
https://www.saunafesjapan.com/

会場となったフィンランドビレッジ
会場となったフィンランドヴィレッジ

会場は、長野県小海町のフィンランドヴィレッジ。八ヶ岳を一望できる、自然豊かな湖畔です。静かで、凛とした空気が心地よく、本当にリラックスできる大好きな環境…。フィンランドにはまだ行ったことがないのですが、会場で出会ったフィンランド人の方々も、「フィンランドの気候にそっくり!」と言っていたので、環境としても似ているのかもしれません。(一刻も早くフィンランド行きたい)

フィンランドヴィレッジには、本館、別館にそれぞれサウナがあり、薪サウナの楽しめるサウナコタ(コタはフィンランド語で「小屋」の意味)、スモークサウナのピットサウナが常設されています。

スモークサウナ。中は薄暗く、燻製の香りに満たされていて、圧倒的に落ち着きます。
スモークサウナ。中は薄暗く、燻製の香りに満たされていて、圧倒的に落ち着きます。

今回のイベントではそれらに加えて、各種テントサウナ、移動式サウナ、五右衛門風呂が勢揃い!その他にも、ヴィヒタ作りのワークショップ、人気サウナブランドグッズの物販、フードコーナもあり、1日中楽しめる充実のラインナップでした!

サウナキャンプさんのロシア製テントサウナ「morzh」。温度調節しやすくて居心地良かった...
サウナキャンプのロシア製テントサウナ「morzh」。温度調節しやすくて居心地良かった…
衝撃のサウナトースター!温度調節から、ウィスキング(白樺の葉を用いたマッサージ)までホスピタリティ溢れる体験です!
衝撃のサウナトースター!温度調節から、ウィスキング(白樺の葉を用いたマッサージ)までホスピタリティ溢れる体験です!
サウナ後にシーシャやコーヒーが楽しめる場所もありました
サウナ後にシーシャーズのシーシャも楽しめました。
一度使用した水を98%再利用できる「WATA」。
一度使用した水を98%再利用できる「WOTA」
物販ブースも超充実!!!
物販ブースも超充実!!!

サウナハットと日本のサウナ文化は相性が良い

サウナハットの起源から、作り方、販売まで一通り考察してきました。結論として、サウナハットと日本のサウナ文化は相性が良いのではないかと、思っています。

場所にもよりますが、日本のサウナ施設の温度は、フィンランドのものと比較すると高温。理由は様々あると思いますが、サウナハットがロシアから伝わった当初、高温のサウナから頭部を保護する役割をしていたとしたならば、アウトドアサウナはもちろん、その機能が同じく高温の日本のサウナ施設において、再び脚光を集めているのではないでしょうか。

今回、記事を書くことで、改めてサウナハットと向かい合う時間が生まれたので、本当に勉強になりました。今後も、ますますサウナやサウナハットについて、探求したい!

ご協力頂いた、小林文菜さん、JUHAさん、本当にありがとうございました!!

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小林 弘典

ディレクター

小林 弘典

サービスのコンセプトメイキングとフロントエンド開発を行います。ブランドの熱量を、時代に最適化されたデザインで、人に届けることを心掛けています。

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