チェロキーの後継として登場したコマンダーがかなり使えそう【by 九島辰也】
FUNQ
- 2022年11月07日
プレミアムSUV「COMMANDER(コマンダー)」に試乗
Z世代にはわからない話かもしれないが、ジープチェロキーは一世を風靡したクルマだ。1990年代、当時の若者はそれに憧れ、目一杯のギアを積み込んで海や山へ遊びに出かけたもんである。
人気の理由はスタイリングだ。XJ型チェロキーと呼ばれたそれは四角くて無骨、それでいて見た目よりもコンパクトで使いやすかった。背面タイヤも良いアクセントになっていただろう。ライバルはボルボワゴン。同じようなスクエアなフォルムがとにかく人気だった。
そんなチェロキーだが、2000年代に入ってモデルチェンジしてから人気がなくなってしまった。スタイリングがどんどん都会的になったからだ。人々が欲していたのはかわいいジープではなく、もっとワイルドな装いのモデルである。事実、現在のジープブランドの中での人気ナンバーワンはラングラー。オールドスクールなデザインがマーケットニーズにピッタリとハマっている。
オーセンティックなフォルムが好印象
そんな時、チェロキーの後継モデルとして登場したコマンダーに乗った。するとこれがなかなか良い。もしかしたら90年代のチェロキー人気とまではいかないが、注目されるかもと思う。
理由は、まずはスタイリング。全体的なフォルムはスクエアで気をてらったところはない。オーセンティックで嫌味のない印象だ。そして、フロントマスクはこれまた人気の高いグランドチェロキー風。都会的だがジープ然とした顔つきとなる。
定員7名の3列シートが使い勝手抜群
サイズもグッド。一見して大きく見えるが、そうではない。全長4770mm×全幅1860mm×全高1730mmはイマドキではフツー。取り回しに苦労のない範囲だ。そして、なんと定員7名の3列シート付き。つまり、みんなでワイワイなんてドライブもできちゃう。もちろん、使わない時は3列目を畳んで荷物を積むことだってOK。それなりのスペースが確保される。
唯一の問題はといえば価格。597万円となる。ただグランドチェロキーはグッと高くなるし、他のメーカー、特にドイツ系と比べるとお安くも思える。その辺は個々の価値観かな。
いずれにせよ、デザイン、サイズ、3列シート云々と注目ポイントは多い。個人的には久しぶりにビビッときた。そういえば、たまにXJ型チェロキーオーナーが買い替えるクルマがないと嘆いている話を聞く。そんな人は要チェックかな。きっと第一印象は悪くないと思う。
Jeep Japan 公式サイト https://www.jeep-japan.com
九島辰也
モータージャーナリスト兼コラムニスト/日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員/2019-2020日本カーオブザイヤー選考委員/日本ボートオブザイヤー選考委員/(社)日本葉巻協会会員
外資系広告会社から転身、自動車雑誌業界へ。「Car EX(世界文化社 刊)」副編集長、「アメリカンSUV/ヨーロピアンSUV&WAGON(エイ出版社 刊)」編集長などを経験しフリーランスへ。その後メンズ誌「LEON(主婦と生活社 刊)」副編集長、フリーペーパー「go! gol.(ゴーゴル:パーゴルフ刊)」編集長、アリタリア航空機内誌日本語版「PASSIONE(パッショーネ)」編集長、メンズ誌MADURO(マデュロ)発行人・編集長などを経験する。2021年7月よりサーフィン専門誌「NALU(ナルー)」編集長に就任。
モータージャーナリスト活動を中心に、ファッション、旅、ゴルフ、葉巻、ボートといった分野のコラムなどを執筆。クリエイティブプロデューサーとしても様々な商品にも関わっている。
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