登山の基本をサクッと押さえる!レイヤリングで快適な山行を
FUNQ
- 2024年11月21日
INDEX
登山を楽しむ上で、適切な服装選びは非常に重要です。中でも「レイヤリング」と呼ばれる重ね着の技術は、快適な山歩きを実現するための基本中の基本といえるでしょう。今回は、初心者の方にも分かりやすく、レイヤリングの基本と実践方法についてご紹介します。
レイヤリングとは?
レイヤリングとは、複数の薄手の衣類を重ね着することで、体温調整を効果的に行う方法です。山では気温や標高、天候によって環境が大きく変化するため、こまめな体温調整が必要不可欠です。レイヤリングを上手に活用することで、快適さを保ちながら安全に登山を楽しむことができます。
レイヤリングの基本構造
一般的なレイヤリングは、以下の3層構造が基本となります。
- ベースレイヤー:肌に直接触れる最下層
- ミッドレイヤー:中間層
- アウターレイヤー:最外層
近年では、これらに加えて「ドライレイヤー」と呼ばれる第4の層を取り入れる方法も広まっています。
1. ベースレイヤー
ベースレイヤーの役割は、汗を素早く吸収し、外側へ発散させることです。そのため、吸湿速乾性に優れた素材を選ぶことが重要です。おすすめの素材は以下の通りです。
- ポリエステルなどの化学繊維
- ウール(メリノウールなど)
- シルク
注意点として、綿素材は避けましょう。綿は汗を吸うと乾きにくく、体温を奪いやすいため、低体温症のリスクが高まります。
2. ミッドレイヤー
ミッドレイヤーは、保温と汗の処理を担当します。ベースレイヤーから発散された汗をさらに外側へ逃がすとともに、体温を逃がさないよう保温する役割があります。代表的な素材には以下のようなものがあります。
- フリース
- ウール
- 化繊の薄手ジャケット
3. アウターレイヤー
アウターレイヤーは、風や雨から身を守る役割を果たします。防風・防水機能を持ちつつ、内側の蒸れを逃がす透湿性も備えているものが理想的です。
- ハードシェル(完全防水タイプ)
- ソフトシェル(軽量で動きやすいタイプ)
- レインウェア
レイヤリングの実践
実際の登山では、気温や活動強度に応じてこれらのレイヤーを調整していきます。以下に、シーン別のレイヤリングの例をご紹介します。あくまで一例で、寒さ暑さの感じ方は人によっても違うので、最適な組み合わせを探しましょう。
春の低山ハイキング
- ベース:速乾性Tシャツ
- ミッド:薄手のフリース
- アウター:軽量のウィンドブレーカー+レインジャケット
夏の日本アルプス(宿泊登山)
- ベース:速乾性ジップネックシャツ
- ミッド:薄手のベスト(必要に応じて)
- アウター:レインジャケット+インサレーション(ダウンなど)
秋の日本アルプス(宿泊登山)
- ベース:長袖のウールのジップネックシャツ
- ミッド:フリースまたはダウンジャケット
- アウター:防水透湿性のハードシェル
レイヤリングのコツ
- 行動開始時は少し肌寒いくらいが適温
- こまめな着脱で体温調整を行う
- 休憩時は汗冷えを防ぐため、すぐに保温レイヤーを着用
- 風の強い稜線では防風性の高いアウターを活用
- 雨天時は速やかにレインウェアを着用
普段着で山に行ってはいけない理由
ここで注意したいのが、普段着で山に行くことの危険性です。日常生活で着用する服は、登山に適していない場合がほとんどです。以下に、普段着で山に行ってはいけない理由をいくつか挙げます。
- 低体温症の危険性:ジーンズやTシャツなどの綿素材は汗を吸うと乾きにくく、体温を奪いやすいため、低体温症のリスクが高まります。
- 機能性の不足:普段着は防風・防水・透湿性などの機能が不十分で、急な天候変化に対応できません。
- 動きにくさ:タイトな服装や重い素材は、登山時の動きを制限し、疲労を増大させる可能性があります。
- 肌荒れのリスク:通気性の悪い服装は、汗をこもらせてあせもの原因となります。山での長時間の歩行中にあせもができると、不快感や痛みで登山を楽しめなくなってしまいます。
- 靴擦れの危険性:普段使いの靴は登山に適していないため、長時間の歩行で靴擦れを起こしやすく、重大な怪我につながる可能性があります。
これらのリスクを避けるためにも、適切な登山用ウェアとシューズを用意し、レイヤリングの技術を活用することが大切です。
まとめ
レイヤリングは、登山を安全かつ快適に楽しむための重要な技術です。気温や天候の変化に柔軟に対応できるよう、適切な素材と組み合わせを選び、こまめな着脱を心がけましょう。また、普段着での登山は様々なリスクがあるため、必ず適切な登山用ウェアを準備しましょう。
レイヤリングの基本を押さえ、実践を重ねることで、あなたの登山ライフがより快適で充実したものになるはずです。安全で楽しい山歩きのために、ぜひレイヤリングを活用してください。
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