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京都暮らしプラス・ワン ♯06 ゆとなみ社 湊三次郎さん

食、器、服、アート、そしてサブカルチャーまで、良質なプロダクトや文化が生まれ、集まる京都。
そんな京都のエッセンスを暮らしにプラスすることで、毎日はもっと豊かになる。
様々な分野で活躍する京都の人々に、自分の“プラスワン”をお聞きします。
京都の街を歩くと必ずと言っていいほど出会う、「ずっとそこにあって欲しい」もの。それは名だたる寺社仏閣や老舗の和菓子屋さんばかりではありません。より身近で、そこに足を運ぶ人の顔も見えるような、町の喫茶店や銭湯も然り。とはいえ、日本全国その数が激減しているのが現状です。

かつて遊郭街として栄えた河原町五条の街・五条楽園にある「サウナの梅湯」も、廃業に追い込まれた銭湯の一つ。ここを25歳の若さで引き継ぎ、今や京都旅行の目的が「サウナの梅湯」、という人も登場するほど人気の銭湯に立て直したのが、湊三次郎さんです。

うちの銭湯を、銭湯入門にして魅力を知って欲しい

「銭湯って、地元の方が通うローカルな場所。日常的に使うから、そこで顔見知りになった者同士の距離が近い。どこの銭湯に行く時も、『お邪魔します』という気持ちで入りますね」。

静岡県浜松市から大学のために移住した京都で、初めて銭湯文化に触れたという湊三次郎さん。以来、大学では銭湯サークルに所属しアルバイト先も銭湯という、いくぶん偏った学生生活を過ごしたそう。大学卒業後はアパレル会社に就職したものの、銭湯愛は冷めるどころか熱を増す一方で、一年も経たないうちに退職。ちょうど良いタイミングで、学生時代のアルバイト先だった銭湯が廃業するという話を聞き、周りを説得して引き継いだのが、「サウナの梅湯」です。
サウナの梅湯は、いまだに隠微な空気がそこはかとなく流れる「五条楽園」の中でも、ひと際目を引くシンボル的存在。まだお茶屋さんの建物が残る落ち着いた界隈で、赤と緑のネオンが煌々と屋号を主張する佇まいは、どこか非現実的です。「湯」ののれんをくぐって中へ入ると、レトロのひと言では片付けられない雑多なロビーが全力で迎えてくれます。銭湯には欠かせない番号札の下駄箱に、各地の神社のお札やちまき、腰に手を当てて飲みたいドリンクが並ぶ冷蔵庫、オリジナルTシャツやグッズに、道の駅を思わせる大原の野菜の陳列コーナー…。湊さんは「うちを銭湯の入門にしてもらい、良さを知ってもらったら、地元や旅先の銭湯に足を運んで欲しい」と考えています。
だから、サウナの梅湯には手ぶらで訪れてもOK。お風呂セットが用意されているほか、目の前の高瀬川を見下ろす2階には、休憩スペースやマッサージ、そしてタトゥースタジオまで完備されています。
オープン当初は銭湯に寝泊まりしてなんとか収益を上げるために奮闘していた湊さんですが、最近は少し余裕が出てきたとか。「と、言っても軽トラで運営する4つの銭湯を行ったり来たりする日々です。休みの日の楽しみは、銭湯に行くことですが、これは仕事がある日でも同じですね(笑)。『今日は渋い銭湯に行きたいな』『今日はキレイなところがいい』と気分で選びます。

今のイチ押しは左京区の銀座湯さんと、伏見区の鞍馬湯さん。銀座湯さんは、お孫さんが継いで8年ぶりに復活し、ロビーもできました。そしてサウナが京都トップレベルに熱い(笑)。鞍馬湯さんは、コンパクトながら設備が充実していて、サウナもちょっと特殊なもの。床暖房の場所やロッカーの上に埃がたまらない仕掛けなど、どこもピッカピカだし、隅々まで考え抜かれていてこれはヤバイなと。
旅先の銭湯に行くのも好きです。僕の場合は『尾道にある銭湯に行く』のではなく、『大宮湯に行きたいから尾道に行く』という感じで旅先を決めるんですが、銭湯って地元の人が日常的に通うところだから、大通りじゃなくて一本外れた筋にあったりする。だから、銭湯の帰り道に周辺をぶらぶらすると『この銭湯に来なかったら、絶対に知らなかっただろうな』というお店に出会うのが、めちゃくちゃ楽しい。銭湯を中心としたまち歩き、大好きです」。

自分の銭湯より目を輝かせて語る湊さんですが、ほかにも愛情を注いでいるものがありました。

味わい深い藍色を、日用品に取り入れています

「友人で京都の藍染作家・松崎陸さんが藍染めした、梅湯オリジナルの小銭入れと、暖かい肌着を愛用しています。このなんとも言えない色合いが見ていて飽きません。彼は、藍染を極めるために原料となる藍の畑から始めたんですよ。肌着はグンゼのものなんですが、染めてもらいました。
それから、今着ているこのジャンパーは、縫製からお願いしたオリジナルのスタッフジャンパー。刺繍で入れた温泉マークの湯気が長いのは、実は昔のマークを忠実に再現すると、この長さなんですよ」。
脱衣所のように(実際脱衣所でしたが)躊躇なく服を脱ぎ、肌着姿になって披露してくれた湊さん。そのオープンで真っ直ぐな人柄に、長年大切にしてきた銭湯を託してみようと決心するオーナーさんの気持ちが少しわかったような気がします。

「今、京都府下にある銭湯はたった110軒程度。10年後には20軒くらいまで減ってしまうのではと思っていて、これは非常にまずい状況です。京都だけの話ではなく、全国的に圧倒的な後継者不足が原因です。でも僕は現在の数をせめて死守したい。だから、今は会社として銭湯の運営を委託してもらうことに力を注いでいます」。

湊さんが「サウナの梅湯」を継ぐ前、毎月20万円のマイナスだったという収益は、「20代の若者が銭湯を継いだ」というセンセーショナルな事態を複数のメディアが取り上げたこともあり、大きく伸びて、現在は「ゆとなみ社」として4つの銭湯を抱えるほどになりました。
「実は、浴槽を大改装したわけではないんです。むしろほとんど変えていない。でも、今は京都でもトップレベルの売り上げです。これを1つのモデルとして、こんなやり方でも集客することができると、銭湯のオーナーさんと交渉します。銭湯は特殊な建物なので、解体するだけで1000万円ほどかかってしまう。それなら、僕たちに銭湯を貸し出して不動産収入を得ませんかと。日本独自の文化で、人と人との距離が近い銭湯という文化を、これからも守っていきたいですね」。

ゆとなみ社/湊三次郎さん

サウナの梅湯

京都市下京区岩滝町175
14:00〜翌2:00(土日のみ朝風呂6:00〜12:00あり)
※営業時間は要確認
木曜定休
080−2523−0626
Twitter@umeyu_rakuen

 
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東京近郊で楽しめる京都の食や文化を発信中。“もっと京都が好きになる”バラエティ豊かなコンテンツをお届けします。

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