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【保存版】初心者でも安心! ミリタリーウォッチの正しい選び方。

制式なミリタリーウォッチは、第二次世界大戦で各国の軍隊が時計メーカーに製造を依頼したことにはじまる。戦争という極めて過酷な環境に適応するために開発された時計は、ヴィンテージの世界でも特別な存在だ。

「デザイン&ストーリー」にこだわって探したい、ヴィンテージ・ミリタリーウォッチの世界。

「キュリオスキュリオ」代表・萩原秀樹さん ヴィンテージウォッチ業界の誰もが認める、ミリタリ ーウォッチのスペシャリスト。この分野で右に出る者はいない

ミリタリーウォッチのデザインが生まれる背景には、機能性はもちろん、さまざまなストーリーが詰まっている。これについて、国内随一のヴィンテージ・ミリタリーウォッチの専門店キュリオスキュリオのオーナーである萩原秀樹さんに話をうかがった。

「たとえば、アメリカ軍なら自国の時計メーカーに製造を依頼していたり、イギリス軍は防水性能、ドイツ軍は耐震装置など、国や軍ごとに時計製造へのこだわりが強く反映されています。そのため、バリエーションがとても豊富です。機能面については、オールマイティというよりも、その軍が抱えているミッションに合わせて、本当に必要な要素だけに特化させていることが特徴です。その潔さがあったからこそ、時代が移り変わっても色あせない機能美が生まれたのかもしれません」

実際にじっくり時計を手に取ると、時代背景や国ごとのスタイルが見て取れる。サイズ感ひとつにしても実にさまざまだ。無数にある選択の中から自分好みのデザインを見つけ出そう。

【ステップ1】主なミリタリーウォッチの種類を知る。

制式なミリタリーウォッチは、第二次世界大戦で各国の軍隊が時計メーカーに製造を依頼したことにはじまり、主にはこの3タイプに分類される。

1.【ダイバーズ】過酷なミッションに欠かせない防水時計。

米海軍水中爆破チーム「UDT」のためにハミルトンが開発した防水時計。ねじ込み式の保護キャップが特徴で深度約15mまで対応できたことから、潜水工作員がエアの残量を確認するに使われていた。1940年代/メッキ×SSケース/ 31㎜径/手巻き/ 42万5000円

2.【三針】豊富なバリエが楽しめる軍用時計のスタンダード。

第二次大戦時にイギリス陸軍が採用した通称“ダーティ・ダース”。12社が供給していたことでも知られ、こちらはオメガの個体。名キャリバー30T2を搭載されいるため、精度・耐久性ともに期待できる。1940年代/ SSケース/ 35㎜径/手巻き/ 42万5000円

3.【クロノグラフ】レトロな雰囲気を醸すパイロットウォッチ。

パイロットウォッチの重要が急速に高まった第二次大戦の影響でクロノグラフの大きな発展を遂げた。こちらはドイツ軍が使用したハンハルト社の“フリーガークロノグラフ”。真鍮のケースが独特の雰囲気。1940年代/メッキ×SSケース/ 40㎜径/手巻き/ 98万円

【ステップ2】ミリタリーウォッチのムーブメントは3種類。

各部隊がミッションを完遂するための機能を司るムーブメントは、外装と同じく無駄がなく、質実剛健な作りが見て取れる。

1.【手巻き】普段使いにも申し分ない堅牢なムーブメント。

手巻きムーブメントは、ヴィンテージ・ミリタリーウォッチにおいてスタンダードというべき存在。精度の追求はもちろん、こちらのハミルトンのCal.684ようにハック機能が取り付けられる仕様が主流である。1970年代/ SSケース/ 36㎜径/手巻き/ 32万5000円

2.【自動巻き】軍の要望をクリアするハイスペックが自慢。

1970年代に入ると、軍用モデルでも自動巻きが見かけられるようになる。こちらのポルシェデザインのモデルでは、当時非常に高い評価を受けていたレマニア製のムーブメントCal.5100 が採用されている。1970年代/SSケース/ 41㎜径/自動巻き/ 36万円

3.【クオーツ】ミッションをこなすための最適解として選ばれたクオーツ。

クオーツ普及の波、当然ミリタリーウォッチにも押し寄せた。イギリス軍は1980年代半ばから1990年代までセイコーからクオーツのクロノグラフを納入していた。このモデルはその1世代にあたる。1988支給年代/ SSケース/ 37㎜径/クオーツ/ 15万8000円。

【ステップ3】国ごとに趣が異なるミリタリーウォッチのデザインを知る。

軍の威信をかけて製造されたミリタリーウォッチはどれもこだわりが強く、それらがデザインとして色濃く反映されているのが大きな特徴である。

1.【アメリカ軍/ベンラス】シンプルを極めた特殊部隊専用モデル。

1970年代にアメリカ海軍の特殊部隊が使用していたことで知られる、ベンラスの人気モデル「タイプⅠクラスA」。文字盤にブランド名すら入らない超ストイックなデザインはまさに唯一無二の存在感を放つ。1976年製/ SSケース/39.5 ㎜径/自動巻き/48万円

2.【日本海軍/精工舎】精工舎が手がけた記念碑的なモデル。

第二次世界大戦時に旧日本海軍の零戦パイロットが使用した精工舎の天測時計。グローブを着けたままリューズを回せる48㎜径のケースと回転ベゼルが特徴。この他にもいくつかのバリエーションが存在する。1940年代/メッキケース/ 48㎜径/手巻き/ 150万円

3.【イタリア軍/ゼニス】迫力ある43 ㎜径のケースサイズに注目!

ヴィンテージのミリタリーウォッチとしてはかなり大きなケースを持つ、ゼニスのイタリア軍用モデル「TIPO CP-2」。心臓部のCal.146DPはユニバーサルのムーブをベースにゼニスとモバードが共同開発したものだ。1960年代/ SSケース/ 43㎜径/手巻き/ 248万円

4.【チェコスロバキア軍/ロンジン】軍用ならではの魅力を放つラージクッションケース。

ロンジンが第二次世界大戦後にチェコスロバキア軍のために製造したラージクッションケースの個体。ミラーダイヤルやムーブメントの金メッキなど、高級機さながらの仕様やディテールも見逃せない。1940年代/ SSケース/ 40㎜径/手巻き/ 75万円

【ステップ4】初心者が選ぶべき最初の1本は、買いやすい「米軍or 英国軍」から選ぶ。

ヴィンテージウォッチである以上、市場に並ぶ個体の数は限りがあるが、その中でも入手しやすいアメリカ&英国軍の名品をピックアップ!

【米軍】

圧倒的な軍事力を誇るアメリカ軍のミリタリーウォッチは、いずれも合理性の高いデザインが多く、製造数もかなり多い。基本的に自国の時計ブランドに製造を依頼していたことも他国との大きな違いとして挙げられる。

【アメリカ軍】定番と呼ぶにふさわしいスタンダードな存在。【エルジン】

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第二次世界大戦中にアメリカ陸軍航空隊が使用したことで知られる「タイプA-11」。さまざまなメーカーが製造を手がけていて、こちらの個体はエルジン社製の24時間時計。デザインのバリエーションも多数存在する。1940年代/SSケース/31㎜径/手巻き/15万円

【アメリカ軍】シンプルなデザインと小ぶりなサイズ感【ブローバ】

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1950年代後期に支給されていた「TYPE A17A」。小ぶりのケースサイズもこの時代のアメリカ軍らしい特徴として挙がる。ムーブメントのCal.10BNCHはハック機能が付く。1958年製/SSケース/32㎜径/手巻き/9万8000円

【アメリカ軍】タフネスを追求した傑作ダイバーズ【ベンラス】

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ベンラスの「タイプⅡクラスA」は、特殊部隊SEALをはじめ、さまざまな部隊に支給された。裏蓋のないワンピースの構造など質実剛健を追求する姿勢から合理主義を重んじるアメリカらしいスタイルが感じられる。1973年製/SSケース/39㎜径/自動巻き/32万5000円

【英国軍】

ヴィンテージに該当する英国軍のミリタリーウォッチは、独特のケースの構造から防水性能への強いこだわりがうかがえる。デザインのバリエーションもかなり豊富。定番モデルからマニアックなスタイルまで揃う。

【イギリス軍】ディテールが光る、ダーティ・ダースの傑作【ティモール】

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全12ブランドのコレクションが揃う“ダーティ・ダース”のうちの1本。その中でティモールのみケースの仕上げが異なり、独特のマット質感を持つ。裏蓋にブランド名が入るなど、独特のディテールが際立つ。1940年代/SSケース/36㎜径/手巻き/19万8000円

【英国軍】安心感あるデザインと秀逸な機能を兼備する名品【ハミルトン】

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IWCの傑作「マーク11」に近いデザインのハミルトンのパイロットウォッチ。このモデルには前期と後期があり、こちらは後期でスペックコードは「6B-9614045」。ムーブメントはハック機能を持つCal.S75Sを搭載。1960年代/SSケース/36㎜径/手巻き/36万円

【英国軍】ヴィンテージミリタリーの王道を行く鉄板モデル【レマニア】

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ミリタリーウォッチ全般を通じて、とても人気が高い部類に入るレマニアのワンプッシュクロノグラフ。独特のリューズガードが特徴のアシンメトリーなケースデザイン。入門機としてもオススメしたい鉄板モデル。1960年代/SSケース/37.5㎜径/手巻き/59万8000円

【ステップ5】レザーストラップに付け替えて、ワンランク上の満足感を得る。

ヴァスコのオールドオイルシリーズで使用される革は、“丘染め” と呼ばれる伝統的な手染め技法 を用いており、独特の味わい深い雰囲気が魅力。こちらのストラップはカラーバリエーション充実ぶりも注目したい

ミリタリーウォッチは王道のナイロンストラップ以外にもレザーストラップが抜群に合う。注目のアイテムここで紹介する。

【 G10ストラップ 】英国国防省のお墨付きであるG10ナイロンストラップ。

英国軍がパイロットのために調達したCWCのクロノグラフ。こちらは海軍用でよりレア度が高い。装着しているフェニックス社のG10ストラップは、高密度のナイロンであるため、耐久性や装着感に優れており、英国MOD(MINISTRY OFDEFENCE 防衛省)の規格にふさわしいクオリティがある。1973年支給/ SSケース/ 37×38㎜/手巻き/ 29万8000円

【レザーNATOストラップ】味わい深いレザー×洗練のデザイン。

オーセンティックなフェニックス社のG10ストラップと比較すると、よりファッションアイテムやアクセサリーに近い感覚で楽しめるNATOタイプのレザーストラップ。独特の風合いが楽しめるこちらの逸品は、アキュレイトフォルム×ヴァスコのコラボレーションアイテムである。各8640円

【台座付きストラップ】大切な時計を傷や汗から守る、新しい台座付きのストラップ。

アキュレイトフォルムが自信を持ってお勧めする最新作がこちらの台座付きのストラップ。汗や傷から時計を守るために考えたデザインゆえ、台座をコンパクトにまとめているのが特徴である。台座(各3240円)、ストラップ(各8640円)はそれぞれ別売り

 

初心者にはアメリカ軍とイギリス軍のミリタリーウォッチがおすすめだが、いずれにしてもヴィンテージウォッチである以上、市場に並ぶ個体の数は限りある。まずはここで取り上げたモデルからミリタリーウォッチの世界に足を踏み入れてみてはいかがだろうか。

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2020年04月22日

(出典/「Lightning 2019年2月号 Vol.298」)

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PROFILE

ランボルギーニ三浦

Lightning / 編集者

ランボルギーニ三浦

全国的に名を轟かせていた札幌の老舗ヴィンテージショップに就職。29歳で上京。Lightning編集部、兄弟誌・2nd編集部で編集長を務めた後、現在は、Lightningに。ヴィンテージ、古着の知識はその道のプロに匹敵。ランボルギーニ三浦の由来は、もちろんあの名車

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