編集部購入録「俺はこいつにすべてを詰め込んで旅に出る」【モヒカン小川】

ライトニングを発行する枻出版社の社屋は、東京・用賀の環状八号線沿いにある。東名高速の東京インターが近いせいか、若者たちがヒッチハイク待ちしている光景をよく見かける。

段ボールに行き先を書き、ガードレールから身を乗り出す若者たち……あいつらに言いたい。「もっとカッコつけろよ」。別に、ドライバーに気を使っておしゃれをしろというのではない。せっかくヒッチハイクをするなら、気分を盛り上げるためにバッグやブーツ、アウターなど、「俺、いまから旅に出ます」感を高めるべきなのだ。

俺のアタマの中では、さすらいの旅人が使うバッグはダッフルと決まっている。ランボーや矢吹ジョーなど、さすらいの主人公は、みなダッフルバッグで登場した。このVASCOレザーダッフルバッグは、革好きの俺にぴったりの旅バッグ。サイドにジッパーが装備され、使い勝手は向上してはいるが、外にポケットもなく、バックパックなどに比べると、使いにくさは否めない。

「旅の道具」をコンセプトに、鞄や革小物をリリースするVASCO。レザーダッフルバッグは、フルベジタブルタンニン鞣しのベンズレザーを採用し、丹念に手で染め上げた丘染めが施され、風合いは申し分なし。7万200円(VASCO http://vasco-tokyo.com/)

でも俺はそんな小さいことは気にしない。こいつに必要最小限の荷物を詰め込み、ロードサイドに立つのだ。「名古屋」などと行き先を書いた段ボールを掲げるなど、無粋の極み。行き先なんかどこでもいい。俺は親指を立て、クールに待つ。すると1台のピックアップが止まる。「どこまで?」「行けるとこまで」。

俺はVASCOのレザーダッフルを無造作にピックアップの荷台に放り込み、助手席に乗り込む(本当は荷台に乗りたいところだが、捕まっちゃうからね)。あてのない旅を続けるほどに、革は馴染み、風合いを増し、まさに俺の“相棒”と化していく……以上、旅に出られないおっさんの妄想でした。

トップの開口部は、軍用のダッフルバッグ同様、3つのリングを突起に引っ掛けるタイプ。使い勝手よりも堅牢性を重視した、ヘビーデューティな造りだ。
サイドにはジッパーが装備されているので、トップのフックを外さずに、中の荷物を取り出すことができる。こうした細やかな配慮もVASCOならでは。

※掲載情報は取材当時のものです。
(出典:『Lightning 2019年7月号』)

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PROFILE

モヒカン小川

Lightning編集部

モヒカン小川

幼少期の革ジャンとの出会いをきっかけにアメカジファッションにハマる。特にレザー、ミリタリーの知識は編集部随一を誇り、革ジャンについては業界でも知られた存在である。トレードマークのモヒカンは、やめ時を見失っているらしい

幼少期の革ジャンとの出会いをきっかけにアメカジファッションにハマる。特にレザー、ミリタリーの知識は編集部随一を誇り、革ジャンについては業界でも知られた存在である。トレードマークのモヒカンは、やめ時を見失っているらしい

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