ヴィンテージ・ファブリックの市場価値が気になる!

インテリアとして幅広い層から支持を集めるヴィンテージ・ファブリック。グランドギャラリーの井出靖さんの貴重なコレクションを見せてもらいながら、世界中に広がるマーケットの傾向とプロダクトの魅力に触れてみよう。

00 グランドギャラリーオーナー井出靖さん
1980年代より音楽プロデューサー/アーティストとして活動。渋谷区富ヶ谷でグランドギャラリーを運営。昨年、総勢25人を越えるバンド「THE MILLION IMAGEORCHESTRA」を結成し、6月26日には、1stアルバム「熱狂の誕生」をリリースする

文化の薫りが感じられる、旧きよきファブリック。

Made in U.S.A./1920s
1990年代にアメリカのフリーマーケットでとある家族から譲り受けた「カテドラル・ウインドウ」という柄のパッチワークキルト。非常にきめ細やかな作りで柄がひとつひとつの異なっている。参考商品

ラグやキルトなどを中心に、インテリアとして安定した人気を誇るヴィンテージ・ファブリック。グランドギャラリーのオーナーである井出靖さんは1990年代初頭から収集をはじめたという。

「職業柄、服やレコードを買うのは仕事のようなものですが、旧い時代の布地は、僕が唯一と言ってもいい収集しているアイテムです。個人的には、購入に対するこれといった基準は設けていなくて、ファーストインプレッションを大切にしています。そもそも旧いものは探したところでイメージ通りの品が見つかるわけでもないから出会いありきです。だから数を重視しているわけでもなくて、本当にいいと思うモノが見つかったら買うようにしています。その国や地域の文化の違いが柄にも表れるのも面白いと思いますよ」

作りのきめ細かさが、市場での価値を生む。

希少性よりも自分のフィーリングを大切にすると話す井出さんが、長年ヴィンテージ・ファブリックを買い続けてきた中で気がついたことがある。

「これは他の分野のヴィンテージプロダクトにも通じることかもしれませんが、見た目がいいと思えるモノはやはり値段が高い。昔からこの手のファブリックはギャラリーで販売されていることが多くて、絵と同じような感覚で観賞用として扱われています。僕は専門家ではないから、細かなことは分かり兼ねる部分がありますが、原産国や年代問わず、“クオリティの高さ”という評価の基準は確実にあるかと思います。これが何を意味するかというと、手作業ならではの魅力が詰まっていたり、同じような柄でもひとつずつ違っていたりと非常に作りが細かいプロダクトであることを指します」

付加価値へと繋がる、プロダクトのクオリティに目を向ける。

イギリスの伝統的なパッチワークキルトや中東諸国の織物を始め、世界各国から魅力的な品々が集う、ヴィンテージ・ファブリックのマーケット。“クオリティ” という共通言語を物差しに自分だけの逸品を見つけ出そう。

Made in England/1890s
1990年代にプロデュースの仕事で滞在していた、英国のギャラリーで購入したというパッチワークキルト。伝統を大切にするヨーロッパらしい雰囲気を醸し出している。参考商品
Made in TURKEY/Unknown
井出さんの記念すべきファーストコレクションがこちらの一枚。1990年初頭に雑誌で見つけ、東京のアートギャラリーにて約40万円で購入。当時としてはかなり高額だった。参考商品
Made in INDIA/1990s
ラルフローレンの直営店で1990年代に購入したというインド産のキルト。大判サイズであることに加え、ラルフローレンのブランドタグが付いていることが特徴。43万2000円

ファッションの常識を覆した記念碑的なジャケットにも注目!

Ralph Lauren 1st Collection
数年前に手に入れたというラルフローレンの1stコレクション。当時としては革新的なスタイルであったヴィンテージの生地によるパッチワークが物議を醸した伝説的な1着。参考商品

市場価値を知る!

グランドギャラリーの店頭に並ぶヴィンテージ・ファブリックの一部を紹介。人気が高いナバホのラグやオールドキリムを中心に、生産国や年代は問わず、あくまでもデザインとクオリティを重視して選び抜いている。初心者から愛好家まで納得できる鉄板プロダクトは必見の価値あり!

Made in U.S.A./1930s
ネイティブアメリカンであるナバホ族の伝統的な織物。「ヴェレロ・スター」と呼ばれる星の柄が施された1枚。年代が旧いものほどヴィンテージとしての稀少性が上がる。参考商品
Made in Mexico/1950s
1500年代からメキシコの原住民が身につけていた織物。その多くはサルティヨという街で作られており、非常に人気が高い。中央のダイアモンドシェイプが美しいほど高値になる。4万1040円
Made in Ireland/1900s
1600年代に英国で生まれたパッチワークキルト。こちらはキルティングなどを入れていない薄手の生地であることから旧い年代のものであることが判別できる。7万5600円
Made in Ireland/1900s
ドーサというブランドが手がけたベットカバー。アフリカ・ナイジェリアのヨルバ族が重要な行事に身につける、格式の高い礼装であるアショケを素材として使用。43万2000円
Made in Iran/Unknown
今やヴィンテージのラグの中で最人気を誇るキリム。この10年くらいで買いやすくなり、以前より身近になっている。入門アイテムとしても鉄板だと言える逸品である。16万2000円
Made in Afghanistan/1900s
その多くがパキスタンやイランに逃れた難民の人々によって作られているというアフガンラグ。コンディション・パターンともに抜きん出て素晴らしいプロダクト。12万9600円

これから購入を検討している人へのアドバイス。

「はじめに考えるべきポイントは用途です。完全に鑑賞用か、それとも床などに敷くかなどで選択がかなり変わる思います。同じような感覚でサイズにも目を向けたいですね。タイミングもあるので難しいかもしれませんが、なるべく品数が揃っている中から選んだ方が商品を見比べることができるので良いかと思います」

※掲載情報は取材当時のものです。

(出典:『Lightning 2019年6月号』)

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PROFILE

ランボルギーニ三浦

Lightning編集部

ランボルギーニ三浦

全国的に名を轟かせていた札幌の老舗ヴィンテージショップに就職。29歳で上京。Lightning編集部、兄弟誌・2nd編集部で編集長を務めた後、現在は、Lightningに。ヴィンテージ、古着の知識はその道のプロに匹敵。ランボルギーニ三浦の由来は、もちろんあの名車

全国的に名を轟かせていた札幌の老舗ヴィンテージショップに就職。29歳で上京。Lightning編集部、兄弟誌・2nd編集部で編集長を務めた後、現在は、Lightningに。ヴィンテージ、古着の知識はその道のプロに匹敵。ランボルギーニ三浦の由来は、もちろんあの名車

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