「クリンチ」の11インチ・エンジニアブーツは、馴らしの修行を乗り越えた者だけが知る満足感。

世田谷にあるブラスシューリペアの松浦さんとはもう10年くらいの付き合い。でも実は、いつもシューズの修理やカスタムのお願いばかりだった。でも、いつかオリジナルブランド「クリンチ」を買わねばという思いはブランド発足当初からあったけど、安いモノではない。だから正直、尻込みしていた。確かに、いつも松浦さんの靴作りへの思いを聞いておきながら、持っていないでは本当の良さを実感できない。そこで意を決して相談したところエンジニアブーツがいいのではとのアドバイス。

「クリンチ」の11インチ・エンジニアブーツ

約半年弱、ほぼ毎日穿いた現物がこれ。素材はハンドダイのホースバットで、ハイトは 11インチ。ビスポークシューズさながらのハンドソーンウェルテッドを採用している代表作だ。履いた姿でその美しさがよりわかる。実は私のモデルは本来のサイズよりもさらに細いシャフトなんだと(爆)。オーダー制のクリンチならでは。16万5000円+税(ブラス TEL03-6413-1290 http://www.brass-tokyo.co.jp)

プルオンブーツは好きだけど、エンジニアはちょっと男らしすぎない? 思ったが、クリンチのエンジニアはスチールトゥでもなければ、シャープでフラットでどこかドレッシー。そこに惹かれて細部はお任せでお願いすることに。

そんな会話も忘れた頃に上がった代物は、採寸してくれたので、さぞピッタリだと思ったら、これがけっこうキツイ。履くのも大変、脱ぐのはもっと大変。しかも歩くとけっこう痛い。でも松浦さんいわく「最初は痛くても毎日のように履けば、革が伸びて足に馴染む」と。そして半信半疑のまま約3週間の修行(ドMな荒行)を経て実感。痛みは皆無で、エンジニアブーツとは思えないほどのフィット感に。ごめんなさい松浦さん。正直ちょっぴり疑ってました。でも、エンジニアブーツでここまで攻めた作りに脱帽。

もともとビスポークと量産靴の良い部分を融合することで、独自性を打ち出したクリンチ。最初の馴らし運転で断念してたら、この攻めに攻めたナローなフォルムとフィット感、そして、誰が見ても美しいと言わしめる優越感は味わえないのだ。

ソールはブラスが実名復刻したオサリヴァンのグリーン。アッパーは染料による手染めで、履き込むと色落ちし、下地のブラウンが現れ始める。

11インチハイトは内側にプルストラップが。これがなければ履けないほど細いってわけ。ただ馴染んでくると脱ぎ履きは楽になるのでご安心を。

オリジナルのブーツジャックもラインナップするのでこちらも購入。なぜこれが存在しているのか、改めて納得(笑)。1万2000円+税

※掲載情報は取材当時のものです。
(出典:『Lightning 2019年11月号』)

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PROFILE

ラーメン小池

Lightning編集部 ディレクター

ラーメン小池

Lightning編集部、CLUTCH magazine編集部を経て、Lightning編集長を務めた後、現ディレクター。アメリカン・カルチャー、特にヴィンテージ・アメリカンをこよなく愛する。クルマから雑貨まで、あらゆるアイテムに食いつくのが悪い癖

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