
レッド・ウィングRED WING ブーツのサイズの選び方。

モヒカン小川
- 2019年10月30日
レッド・ウィングのブーツやシューズの購入を考えたときに、自分にぴったりのサイズを選びたい! と思うのは当然のこと。レッド・ウィングが他のブーツと比べてどうなのか、サイズ展開はどうなってるのだろうか、という疑問は公式HPに書かれているのでご確認いただくとして、とにかくブーツはいろいろと履いてみて、実際の感覚や履き心地を大事にするのが鉄則。ネットで買い物するのが当たり前の時代になっても、これが最も最適な方法だろう。
さらに、レッド・ウィングの直営店ではサイズだけでなくワイズも一部商品で選ぶことができるというのをご存じだろうか? これにより、より自分好みのフィット感を追求することが可能となる。このワイズセレクトの提供に至った経緯をレッド・ウィング・ジャパン代表・鈴木理也さん(取材当時)とレッド・ウィング・ヘリテージ ダン・ダールさんにお話を伺った。
なぜ、レッド・ウィングの直営店だけが、ワイズセレクトが可能なのか?
説明するまでもないが、靴には足の大きさを表すサイズの他、足幅を表すワイズが存在する。日本人は甲高幅広と言われていたが、近年はそれも多様化し、足の幅は様々。ところが、ほとんどの靴屋で選べるのはサイズのみ。ワイズはワンサイズフィット。
だが、それは仕方のないこと。1モデルにつきサイズ、ワイズ含めて20〜30型の在庫を常備するのは、さすがに難しいのだ。そんな中、何故レッド・ウィングの直営店だけがシューフィッティングを追及することができたのか?
鈴木 直営店を始めるにあたって「さすがレッド・ウィング!!」と思わせるにはどうしたらいいのか……悩んでいたんですよね。日本はヴィンテージ市場も成熟しているので、生半可なことではお客さまがわざわざ直営店に足を運ぶことはないだろうと。そんな時、ダンがワイズセレクトの提案をしてくれたんです。
ダン 通常の店舗ではサイズは選べても、ワイズは一型しか揃えられません。ワイズが2〜3型、サイズが10型あったら、1モデルに30種類近く在庫を持たなければならない。
鈴木 昔はどの靴屋に行ってもオーダーで誂えることができたそうです。種類は乏しかった分フィット感を追及することができました。
ダン アメリカもそう。レッド・ウィングの昔のポストマンの広告を見ると、ワイズだけで7〜8種類もありました。今はデザインのニーズが多様化して、そこまでできませんよ。

鈴木 だったらレッド・ウィングの直営店では、それをやろうと。自分にピッタリのブーツをここで見つけてもらえるように。レッド・ウィングはこれまでたくさんの流行の波を繰り返してきました。その度に戻ってきてくれる
お客さんの一番の理由は、やっぱり履き心地の良さです。
ダン 履き心地が良い、最初は流行でも、愛着へと変わっていくんです。アメリカでは親父から子へ、代々受け継がれることが多いです。私も息子に買ってあげました(笑)。
鈴木 日本もそうなっていますね。その受け継がれ方は、僕らの目指すところです。
ダン そうやって受け継がれていったのは、レッド・ウィングがワークブーツとして、製法やデザインを変えなかったからでしょうね。

鈴木 ’ 50年代に♯877が登場した時点で、デザインは完成されていたわけです。その後進化するとしたらコストダウンしかない。でもレッド・ウィングはそうじゃない部分を、残してきたんですよね。
ダン 創業当時のピューリタンミシンは今でもフル稼働しています。このミシンじゃないとレッド・ウィングの求めるものができない。
鈴木 パーツは自分たちで修理、ある時は作ったりして……そうやって100年同じミシンを使ってきたんです。
ダン 世の中、目まぐるしく変わっていくものばかり。携帯電話も毎年新作が出るわけで。そうなると人間はバランスをとって、変わらないものも欲しくなるんじゃないかな(笑)。レッド・ウィングは、常に変わらないものを提供している。だからこそ、靴のワイズも揃えることができると言えますね。
鈴木 もちろん僕らもすべてのニーズに応えることはできないけれど、今までよりも選択肢があっていいのではないかと。
ダン レッド・ウィングの魅力は色々とあると思いますけど、やっぱり一番はフィット感。ヘリテージショップでワイズが選べるのは、直営店が初です。
鈴木 とは言え初の試みですから、どこまでうまくいくのか(笑)。でも、愛着を持って長く履いて頂くためには必要なことですからね。
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サイズは自分で測ることも可能。早速やってみよう!
サイズを知る上で必要なのは、かかと~つま先までの「足長」、ワイズを決めるのに必要な、親指の付け根と小指の付け根を結ぶ「外周」と「幅」だ。さらに、測る時間は足のむくみを考慮して、「朝」「夜」2回、左右ともに計測する。
これで、例えば26㎝だったら、ブーツの場合、「26㎝」を選べば問題ない。ブーツはつま先に「捨て寸」といって通常10~15㎜以上余裕を取っているので、足長に関してはジャストを選択してもほぼ間違いない。また、靴を選ぶときに指の長さなどつま先を気にする人が多いが、実はかかとが重要。かかとが小さいと靴ずれを起こし、健康に害をもたらすことも。これを合わすにはカスタムオーダー、もしくは中敷きやソックスでフィッティングを高めるというワザもある。
では順を追って、サイズの測り方を紹介しよう。
1.まずは外格線をなぞっていく。
上から見た足のフォルム「外格」を測る。写真ではスクライバーという専用の器具を使っているが、鉛筆を立てるようにすれば器具を使わなくても測ることができる。この外周のかかと~つま先が「足長」となる。
2.次に内角線を出す。
続いて鉛筆の先を斜めにして、足と地面の接地面をなぞるようにして「内格」を測る。土踏まずやかかとなど、上から見た外周と、実際に接地している内周の差を見ることで足の特徴などがわかってくる。
3.ワイズは2回計測。
ワイズを決定する「外周」と「幅」を計測。足の親指の付け根と小指の付け根付近の、最も幅が広い部分をメジャーで測る。ゆるい状態と、少しキツメの状態の両方で測り、キツメを採用。幅は外格線から計測。
4.このデータをもとにラスト(木型)を決定する。
カスタムオーダーの場合は、このデータをもとに木型を決定。既製品を買う場合は、1~3でわかる「足長」と「幅」を知っておくことでサイズが見つけやすくなる。
店舗でいろいろ履いてみるというのが一番だが、自分で正確なサイズを測ることができれば、ネットでの買い物の際に安心できる。自分で測ったデータをもとに、公式のサイズ表と照らし合わせれば、自分の足にフィットした一足を手に入れることができるだろう。
それでもサイズが合わない。もっとフィット感が欲しいなら……

ブーツを履くうえで重要視される履き心地。特にワークブーツは堅牢性を求めた作りのものが多いため、革が硬く、重量があるものがほとんどだ。そのため、履いていると靴擦れや足の疲れの問題が多かれ少なかれ発生するもの。侮ることなかれ、ソックス選び。ソックスはフィット感、微妙なサイズ調節、靴擦れなど大いに活躍してくれる有効なアイテムで、ブーツの履き心地に大きく左右する。そこで、おすすめしたいのはレッド・ウィングのオリジナルソックス。ブーツ同様、強度と耐久性に長けた作りはブーツ愛好家必見のアイテムだ。

このほかにも、インソールや紐の結び方でフィット感を増すこともできる。まずは自分のサイズをよく理解した上で、一番合ったブーツのサイズを見つけるのが先決だ。
▼そのほかのフィット感を高める方法の詳細はこちら!
※情報は雑誌掲載時のものとなります。
(出典/「別冊2nd「ザ・レッド・ウィング・ブック」、「別冊Lightning「RED WING BIBLE」、Lightning特別編集「THE BOOTS BIBLE」)
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PROFILE

Lightning / 編集者
モヒカン小川
幼少期の革ジャンとの出会いをきっかけにアメカジファッションにハマる。特にレザー、ミリタリーの知識は編集部随一を誇り、革ジャンについては業界でも知られた存在である。トレードマークのモヒカンは、やめ時を見失っているらしい
幼少期の革ジャンとの出会いをきっかけにアメカジファッションにハマる。特にレザー、ミリタリーの知識は編集部随一を誇り、革ジャンについては業界でも知られた存在である。トレードマークのモヒカンは、やめ時を見失っているらしい