リーバイス LEVI’S 501から、ジーンズの歴史をひも解く。

いつも普通に穿いているジーンズは、かつては労働者のためのワーク・ウエアだった。一体どんな歴史を辿って、現在のようなファッション・ウエアになったのか? ジーンズの王道とも言うべきリーバイス501の進化の過程を見れば、デニムの歴史を理解することができる。さあ、追ってみよう。

【1873年】かなり簡易的なつくりだった初期デニム

リーバイスのジーンズの最初期モデルがコレ。かなり簡易的な作りであるのがよくわかる。生地も薄めだ。今のデニムとはかなり異なったものだったことがわかる。このパンツは、鉱山で働く鉱夫のために作られたワークパンツであった。

ラベルはウエスト中央に付けられていた。しかも小ぶりなサイズであることが1873年モデルであることの証だ。

バックポケットは右に1つのみ。しかも1873年当時はアーキュエイトステッチ(2重弓形のステッチ)は施されていなかったのだ。

【1880年代】この頃にはパッチもステッチも見慣れたものに。

1880年代になるとかなり現在に近い形になる。パッチは右に移動し、バックポケットの形も見覚えのあるモノに。バックポケットは右に1つのみ。しかも1873年当時はアーキュエイトステッチ(2重弓形のステッチ)は施されていなかったのだ。

布パッチでNo.2のスタンプが施されるが、ロットナンバーの表記はなし。これはこの年代ならではの特徴だ。

シンチバックだけで製造年代に大きな差が。

1870年代まではシンチベルトにリベットは打たれていないが、1880年代になるとリベットが施される。また、細かなステッチにも仕様の差が見られるので、パッチの位置、パッチの大きさ、シンチのステッチである程度の製造年代を判別することが可能なのだ。ただし、こんなモノを見る機会はまず訪れないので、とりあえずはシンチのリベットの有無を目安にしよう。

【1910年代】この時代はまだサスペンダーが主流。

1900年代になるとベルトループはないものの、ポケットが二つになる。だいぶ知っている形に近づいてきたことがわかる。

パッチサイズもよく見るサイズに変更された。デザインも当時からずっと変わらないほど完成されている。

まだ赤タブは付かず、バックポケットの端にはリベットが打ち込まれている。縫製も本縫い仕様だ。

インシーム

アウトシーム

インシームも割られているのがこの年代までの特徴。アウトシームはもちろんセルビッジが施される。

【〜1936年】ベルトループが登場。

ベルトループが付けられ、かなりモダナイズされてきた。シルエットはまだ太いが5ポケットデニムらしくなった。

シンチのバックルデザインは、強度のあるものに変更された。このタイプは欠損も少ないので壊れにくいのだろう。

アーキュエイトステッチは両サイドが垂れ下がり、通称カモメステッチと呼ばれるくらいのM字型に変化。

裾にチェーンステッチが使われ始めたのもこのモデルから。コーンミルズのデニムになって耳の幅も変化。

【〜1944年】赤タブがバックポケットに。

1936年からバックポケットに赤タブが付けられる。まだシンチバックも残るが、使うことは少なくなった。

リーバイスを象徴するディテールの一つがこの赤タブ。まだ片面だけに刺しゅうが施されている。

バックポケットの端に打ち込まれていたリベットは、デニムの裏側に隠して打たれた通称“隠しリベット”に。

第二次世界大戦の物資規制によって糸を制限されたため、やむを得ずペンキでステッチを施した。

戦時下だけの特別な仕様のものがこちら!

シンチバックも無駄なパーツとして省かれたことで、現在の5ポケットジーンズの姿になった。

コインポケットのリベットも省略。大戦モデルを代表するディテールの一つだが、稀にリベットのある場合も。

【〜1966年】戦後、アーキュエイトステッチが復活。

世界大戦が終了してアーキュエイトステッチが戻った最初のモデルが、通称47モデルと言われるこのモデル。パッチが細かく変化していった時代でもある。変遷を見ていこう。

1955年

パッチの素材が革から紙に変更された。革が取れやすかったためだが、実際は紙も硬化して割れてしまう。

1964年

パッチの中から「EVERY GARMENT GUARANTEED」の文字が消える。これが通称ギャラなしと呼ぶ。

1966年

1967年

2つとも、パッチから「XX」の表記が消えた直後に短期間だけ作られていた希少なモデル。生産管理のためだとか。

1971年

完全に小文字だけの表記になったモデル。しかしこの時期にもXX時代と同じ大きな字体のものが存在する。

【〜1984年】ビッグEモデルに移行。

1966年以降はビッグEと呼ばれるモデルに移行。赤タブのLEVI’Sロゴの文字の太さなどでも年代がわかる。

XXまではなかったが、’66年以降のモデルは股部分にカンヌキ留めが施されている。

’72年以降からLEVI’SからLevi’sに変わったと言われているが、実際には’74年ごろからだろう。

バックポケット裏の隠しリベットも’66年を境に廃止。カンヌキ留めだけで十分な補強が可能になった。

バックポケット裏はシングルステッチなのは1970年代半ばまで。それ以降はチェーンステッチになる。

 

リーバイス501の変遷から、はじめ鉱夫のための破れにくいワークパンツとして登場したジーンズが、ファッションとして定着するうちに今のデザインになったことがわかってくる。ヴィンテージデニムに興味がある方も、ぜひこの変遷を参考に、お気に入りの一本に出合って欲しい。

(出典/Lightning ZERO DENIM ISSUE)

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PROFILE

ランボルギーニ三浦

Lightning編集部

ランボルギーニ三浦

全国的に名を轟かせていた札幌の老舗ヴィンテージショップに就職。29歳で上京。Lightning編集部、兄弟誌・2nd編集部で編集長を務めた後、現在は、Lightningに。ヴィンテージ、古着の知識はその道のプロに匹敵。ランボルギーニ三浦の由来は、もちろんあの名車

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