
サンサーフ直伝! ハワイアンシャツ(アロハシャツ)を選ぶ時に知っておきたい5つのこと。【保存版】

サカサモト
- 2019年12月08日
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夏の風物詩ともなっているハワイアンシャツ(アロハシャツ)。鮮やかな色や柄が特徴的でカジュアルなリゾートスタイルを演出するにはとっても有効なアイテムだ。
しかし、デザインを全面に打ち出したハワイアンシャツ(アロハシャツ)には、時として敷居の高さを感じてしまうこともある。「ハワイアンシャツ(アロハシャツ)に挑戦したいけど、自分には合わないんじゃないか」そんな不安を抱いている人も少なくないのでは?
そこで、ハワイアンシャツ(アロハシャツ)を購入する際に知っておけば、自分好みの1着に出合える5つのポイントをハワイアンシャツ(アロハシャツ)で人気の「サンサーフ」企画スタッフ・中野喜啓さんに伺った。柄の種類、素材、プリント技術など、選ぶ際に役立つ知識はたったの5つ! これさえ押さえておけば、間違いなしだ。
その1.こんなに豊富! 柄の種類。
【オールオーバー(総柄)】(1930s~)
シャツ全体に一定の間隔で柄がリピートするオールオーバーパターン。数あるハワイアンシャツの中でも最も歴史がある。
【オリエンタル(和柄)】(1930s~)
ハワイアンの元祖ともいえる和柄。初期は和装の生地、’40年代後半からはシャツ用にプリントした生地が使われていた。
▼和柄の元祖「浮世絵」モチーフのアロハ発見!
▼ある意味最古の和柄シャツはこちら!
【ボーダー】(1940s~)
縦方向に柄の連なるデザイン。総柄の派生として1940年代に登場し、’50年代には定番として普及した。
【ホリゾンタル】(1940s~)
柄の上下を明確に表現している。身頃の生地を横方向(ホリゾンタル)に切り出すことが名前の由来。
【ピクチャー】(1950s~)
その名の通り、写真のように見えるプリントデザイン。細かなドットで型を彫り、その上に色を刷り重ねて写真風に見せている。
【バックパネル】(1950s~)
背中全体を一枚の絵画に見立てたデザイン。裁断に制限があり縫製も難しく、ヴィンテージでは数が少ないため価値が高い。
以上のように、大きくわけて6タイプの柄がある。図案の配置ひとつで印象がガラリと変わるハワイアンシャツ(アロハシャツ)。自分好みの柄のパターンが決まれば、あとはどんなモチーフが他にあるか見ていけば楽しく選べるはず。
柄に使われている「モチーフ」にはどんなものがある?
柄の配置、パターンの種類は上記のようにかわいらしいものから大胆なものまで幅広いことがわかる。では、柄のモチーフにはどんなものがあるのだろうか? ヴィンテージアロハなどに見られる柄の多くは、ハワイの歴史と文化に紐づいている。どんなものが表現されているか見てみよう。
【レイ柄】

魔除けや幸運祈願、そして神々への信仰を表すものとして誕生し、先史時代からハワイに暮らす人々の精神文化として継承されている「ハワイアン・レイ」をモチーフにした、総柄のハワイアンシャツ(アロハシャツ)。
【マトソン・ライン柄】

かつて存在した米国本土からハワイを結ぶ航路「マトソンライン」の船上で使われていた装飾、レストランのメニューの表紙イラストをプリント。カラフルで個性的な、人気のモチーフだ。
【フラ柄】

神々にささげる神聖な踊りであった先史時代のハワイにおけるフラをモチーフにしたパターン。森羅万象すべてのものに宿る精霊「マナ」へ感謝と祈りの気持ちを表しており、文字を持たなかったハワイの人々が後世へその歴史を伝える術であった。
▼他にもある、代表的なモチーフが気になる方はこちら!
その2.レーヨン生地にも種類がある!
【レーヨン壁縮緬】
経糸に無撚糸、緯糸にレーヨン壁糸を使用した定番生地。表面にシボ感があり、和柄のシャツに使われる。
【レーヨン羽二重】
長繊維のレーヨン糸を使った平織りの生地。放熱性が高いため、着心地良く、光沢のある仕上がりが特徴。
【レーヨンフジエット】
毛羽立ちのある古めかしい素材感のフジエット。経糸にフィラメントレーヨン、緯糸にスパンレーヨンを使用。
レーヨン生地には以上のように3つの種類がある。手触りでもわかるので、肌触りにこだわりたい人は素材を重視して選んでみるのもいいだろう。
その3.2種類のプリント手法。
右:【オーバープリント】
デザインに使われる色の数だけ版を作り、1色ずつ版を刷り重ねていく手法。生地の裏をみると、地色もプリントしていることがわかる。
左:【抜染プリント】
生地を一度地色に染めて、柄の部分の色を抜いてからプリントするという手の込んだ手法。地色が裏側まで抜けているのが抜染の証。
その4.ボタンは仕上がりを左右するディテール
1:【シェル】
高級感のある天然素材貝殻ボタン。光があたる角度によって美しい反射を見せてくれる。
2:【バンブー】
竹材を使用。磨くほどに光沢が増し、徐々に色濃く変化していくのも楽しみなパーツ。
3:【ココナッツ】
ヤシの実から削り出して作られたボタン。ひとつずつ異なる表情を見せるのも魅力的なディテール。
4:【尿素ボタン】
ハワイアンシャツだけでなく、当時のカジュアルウェアでも多く見かけることができるボタン。
その5.注目! ポケットの柄合わせが良品の指標。
ヴィンテージにはポケットの柄合わせをしていないものも多いが、柄合わせをしているハワイアンシャツにはブランドのこだわりを感じる。縫製が難しく無駄になる生地も多いため、良質かどうかを見極める指標のひとつになっている。
【最後に】ハワイアンシャツ(アロハシャツ)の着こなしのポイント。
南国のイメージの強いハワイアンシャツ(アロハシャツ)だが、派手なカラーや柄ばかりでなく、落ち着いたカラーや柄もあることから最近ではタウンユースで着る人が増えている。そこで定番の「オールオーバー(総柄)」と「オリエンタル(総柄)」の着こなしのポイントを見てみよう。
1.【総柄】× STANDARD CALIFORNIA 福島潮さん
STANDARD CALIFORNIA のオリジナルパターンのハワイアンシャツに、いい感じに色落ちしたジーンズという王道コーデ。それでも今っぽく見えるのは、ほどよいオーバーサイズのトップやインナーのクルーネックT、そしてレザーサンダルを合わせているから。レザー小物を合わせるだけで、上質さが増し、お洒落に見えるのでおすすめだ。
2.【和柄】×デウス エクス マキナ原宿 吉田佳照さん
爽やかなナチュラルカラーのオールインワンにバンブー柄のシャツを羽織ったコーディネイトは、リゾート感とワークテイストを両立させた男らしい着こなし。このままバイクに乗れるスタイルだけにデウス エクス マキナ らしい提案ともいえる。また、軽やかなスタイルとは対照的なハットを組み合わせることで、ダンディズムもプラスした大人なテクニックもお見事。
このほか、ピクチャー柄、長袖などのハワイアンシャツ(アロハシャツ)コーデはこちらの記事をチェック!
【まとめ】ハワイアンシャツ(アロハシャツ)選びのポイント。
このように、「柄(パターン)」「生地の種類」「プリント手法」「ボタン素材」「柄合わせ」と、ハワイアンシャツ(アロハシャツ)を選ぶ際に知っておくきたい5つのこととコーデのポイントを紹介してきたが、ハワイアンシャツ(アロハシャツ)とは、まぎれもなくアートなのだ。素材やモチーフ、細かな仕様を知れば知るほど、ハワイアンシャツ(アロハシャツ)の魅力は高まっていく。
そんなアートとも呼べるハワイアンシャツ(アロハシャツ)の選び方について、「サンサーフ」中野さんのアドバイスとは?
「ハワイアンシャツ初心者は、手はじめに、使われている柄が少ないものを選ぶと普段使いも着回しもしやすくおすすめでる。中級者なら、少し冒険してボーダーやホリゾンタルなど、ひとクセあるものを選んでみてもいいでしょう。上級者ならば、バックパネルのようなパンチがきいているものを選んで、カッコよく着こなしてみてほしいですね」
さぁ、夏は自分の目利きで選んだハワイアンシャツ(アロハシャツ)を着て、ファッションを楽しもう!
▼サンサーフの手がける個性的な「ケオニ・オブ・ハワイ」にも注目!
▼パタゴニアのアロハにも注目!
(出典/「Lightning 2017年6月号 Vol.278」)
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PROFILE

Lightning / 編集者
サカサモト
編集部のなんでも屋。CLUB HARLEY→Lightning→2nd、そして再びLightning編集部へ移籍。結果クルマ、バイク、古着などオールラウンダー編集者に。ニックネームは、スキンヘッドにヒゲ面をいう「逆さ絵」のような顔に由来する
編集部のなんでも屋。CLUB HARLEY→Lightning→2nd、そして再びLightning編集部へ移籍。結果クルマ、バイク、古着などオールラウンダー編集者に。ニックネームは、スキンヘッドにヒゲ面をいう「逆さ絵」のような顔に由来する