
やっぱり革ジャンといえばライダースジャケット! シングルにするかダブルにするか、選び方教えます。

モヒカン小川
- 2019年12月26日
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「革ジャンに挑戦したいけど、どうやって選べばいいのかわからない……」なんて思っている人は少なくないだろう。ここでは革ジャンのスタイルのなかでも、バイカーからもタウンユースとしても最も人気があるといえる「ライダース」を取り上げよう。
ライダースの本来の姿は名前の通りバイクに乗るためのライディングギアであり、襟やフロントの合わせの形状でダブルとシングルに分けられる。またダブルライダースにもアメリカンタイプとブリティッシュタイプがあるなど、そのディテールは奥深い。
基本の5スタイルから、自分好みの一着を見つけてみてほしい。
1.時代を問わず男の戦闘服「ダブルライダース(アメリカンタイプ)」
飛行服(アビエイター)にルーツを持ち、その後バイクやロックなど様々なカルチャーと結びつきながら進化を遂げたダブルライダース。大きな襟とダブルブレストの仕様が特徴で、’40年代頃から存在するためデザインの幅も広い。
数年前はDポケなど’50年代以前のスタイルに人気が偏っていたが、最近はよりシンプルなデザインが再注目されている。ファッション的な視点でも人気が高いが、それ以上に“ダブルライダースを着る男か、否か” という、着る人間を線引きするほどの存在感の強さが最大の魅力だ。
2.アメリカンの対極なスタイリッシュさ「ダブルライダース(ブリティッシュタイプ)」
いわゆる“ロンジャン” と呼ばれる、ロッカーズやパンクカルチャーとの関係性が強いイギリス生まれのライダースのスタイル。象徴的なディテールとしてサイドからフロントに向いたアジャスターベルトやボールチェーンなどがあげられる。シープスキンなど、柔らかいレザーを使うモデルが多いのも特徴だ。
アメリカンの屈強で重厚な作りに対して、ブリティッシュはよりスタイリッシュなデザインに磨きをかけたモデルが多くラインナップされ、ファッショニスタたちから支持されている。
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3.華美な装飾は排除したシンプルさ「シングルライダース(スタンドカラー)」
元々シングルライダースのルーツはモーターサイクルレース用のツナギをぶった切ってセパレートにしたものだと言われている。様々なスタイルが存在するシングルライダースの中でもスタンドカラーはレーシーな雰囲気が強いモデル。ポケットの数やベルトなど、ダブルライダースに比べてディテールが少ないモデルが一般的で、無駄な装飾性を排除した潔いシンプルさがスタンドカラータイプの美しさと言えるだろう。
4.ダブルとシングルの良いと取り!「シングルライダース(オフセットタイプ)」
上のシングルライダースの派生系。その正体は防風性を高めるフロントの大きな合わせと、首回りのストレスが少ないスタンドカラーを併せ持つ、まさにダブルとシングルの中間的なスタイル。フロントジップがオフセットしているので締めてもデザイン性が高く、ジッパーを開ければダブルのような着方も楽しめる。
5.ライダース初心者におすすめ「シングルライダース(襟付きタイプ)」
一口にシングルライダースと言っても、バイク色の強いものからシックなモデルまで多くのバリエーションが存在する。襟付きは比較的“ゴリゴリ感” が薄いので革ジャン初心者の方でもカジュアルなコーディネイトに取り入れやすい。ライダースに挑戦したいけどハードなのは難しい……という方はまずはココから。
ライダースが主役のコーディネイトをチェック!
ライダースとひとくくりにしても、シングル、ダブルなどタイプがあることがわかったところで、実際にどんな着こなしができるのか気になるところ。バイカーが愛するジャケットということもあり無骨なイメージが強いが、その着こなしの幅は無限大。レザーラバーのテッパンコーデをファッションチェック!
1.「フェイクα」ショップマネージャー・澤田一誠さん×ダブルライダース
ダブルライダースにストレートの5ポケットジーンズとエンジニア。アメカジの王道と言えるスタイルだが、このスタイルにここまで強いこだわりを持つ人は他にいないだろう。ライダースは映画『乱暴者』でジョニーが着用したと言われるデュラブル製。そして、みぞおちで留めたジップの位置もジョニーを意識したものだ。ジーンズもエンジニアもヴィンテージを愛用。10年以上前からこれが澤田さんのスタンダード、流行に捉われず変わらない男の格好良さを体現している。
ここがこだわり!
バイクに乗る際は一番上まで閉める。ブラックのライダースに合わせて、デニムもブーツもブラックに統一するのがこだわりだ。
2.「ハンガー」ショップマネージャー・安達伸吾さん×ダブルライダース
ダブルライダースをゆとりのあるサイジングや小物の色使いでカジュアルに着崩すのが安達流。グリーンのカラーレザーにストライプのイージーパンツ、さらにオレンジのニットキャップやスニーカーを合わせた、まさに脱力系ライダースコーデ。ロストコントロールのライダースは着丈が長めに作られていて、安達さんはバイクに乗るとき以外はフロントを開けて着るので、インナーのTシャツはジャケットから裾が長めに出るくらいがラフな雰囲気で着こなすにはちょうどいい。
ここがこだわり!
ジャケットの裾から少し長めに出るくらいのオーバーサイズのインナーが力の抜けた雰囲気を演出。パンツもワイドシルエットを選び、フロントも基本オープンでカジュアルに着こなすのがポイント。
3.「ラングリッツ東京」ショップマネージャー・猪狩顕さん×レザーセットアップ
上下ともにレザーを纏った難易度の高いコーデを日常的に着こなす猪狩さんだが、その着こなしはまずバイクに乗れることが大前提。そして、インナーを着込む余裕がありながら着膨れしないジャケットの絶妙なサイズ感にも注目したい。また、ジャケットとパンツの間にベルトが見えるようにバイクに乗る時以外はややパンツを下げて履いているのもポイント。足元は常にウエスコだが、レースアップかエンジニアかはその日に乗る愛車のとのバランスを考えて選んでいると言う。
ここがポイント!
ジャケットとパンツの間にベルトが見える丈とパンツ゚の絶妙な位置が猪狩さんのこだわり。
4.「US」代表・植村肇さん×シングルライダース(スタンドカラー)
ヴィンテージハーレー乗りの植村さんが10年以上着続けていると言うレザージャケットは’60sのショット641。逆ハの胸ポケットが特徴で、スタンドカラーのシングルライダースはバイクに乗る際に実用性が高いだけでなく、合わせるアイテム次第でカジュアルダウンしたラフな着こなしにもハマる。ハードな方向から崩すことを意識したややオーバーサイズのプリントTee やさりげない小物使いで、シンプルにまとめながらも力の抜けた大人のストリート感を演出している。
ここがポイント!
インナーはオールドステューシー。ベルトを垂らすのもカジュアルダウンを意識したテクニック。
5.「ジェラード」代表・後藤洋平さん×ダブルライダーズ
オリジナルのネイビーレザーのダブルライダースにタイトなブラックデニムを合わせる後藤さん。コテコテにならないように意識したと言う着こなしは、フロントジップを首元まで閉めてシンプルなカラーリングでまとめたクリーンな雰囲気。全体的に重くならないようにブラックデニムは色が濃いものではなく程よく色落ちしているのもポイント。黒系のブーツを合わせるとロックな印象になりそうだが、刺し子のスリッポンの軽さを引き立てるパンツの絶妙な丈感も参考にしたい。
ここがポイント!
刺し子生地のスリッポンを合わせてカジュアルな印象に。ブーツでなくスニーカーを合わせるだけでカジュアルダウンになる。
6.「ラングリッツ・ジャパン」岡本隆則さん×シングルライダース(オフセットタイプ)
ブランドの始まりのモデルとして思い入れのあるモデルだと言うデスズ・ヘッドを着用する岡本さんの着こなしのマナーは、すべてのアイテムが機能的であり、飾りだけの装飾ではなくその機能性に基づくデザインであるということ。愛車の時代感を意識しながら、ジャケットを始め、AOのアビエイターグラスやトゥが薄く、ヒールカウンターを外側に配さないクラシカルなエンジニアブーツなど、タウンユースからバイクライドまでを隙なく網羅するスタイルだ。
ここがポイント!
バイクに乗る際はウエストバッグを斜めがけすることが多いとか。ベルトを短く、バッグをフロントに配置することによってバイクに跨りながらでも荷物を取り出すことができる。
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(出典/「別冊Lightning Vol.220 革ジャンの教科書」)
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PROFILE

Lightning / 編集者
モヒカン小川
幼少期の革ジャンとの出会いをきっかけにアメカジファッションにハマる。特にレザー、ミリタリーの知識は編集部随一を誇り、革ジャンについては業界でも知られた存在である。トレードマークのモヒカンは、やめ時を見失っているらしい
幼少期の革ジャンとの出会いをきっかけにアメカジファッションにハマる。特にレザー、ミリタリーの知識は編集部随一を誇り、革ジャンについては業界でも知られた存在である。トレードマークのモヒカンは、やめ時を見失っているらしい