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ミリタリーラストを使った米軍の軍靴は、実は万人受けするように作られている!?

マンソンラストやネイビーラストなど、米軍の靴には様々な木型が使われていた。軍用だけに試行錯誤を繰り返して開発されたものだが、その特徴とは何なのか。そんな疑問に靴業界を代表する識者2人にぶつけてみた。

(右)「ブラス」代表・松浦稔さん
1977年東京都生まれ。エンジニア職を経て、シューリペア業界に転職。シューズのリペアやカスタムを手掛けながら、オリジナルブランドであるクリンチのディレクションも行っている。

(左)元「レッド・ウィング・ジャパン」ゼネラルマネージャー、現“ブーツのミカタ”・鈴木理也さん
有名酒メーカーの輸入商社などを経て、2005年のレッド・ウィング・ジャパン立ち上げに参加。ヴィンテージ靴の知識に長けており、クラシックドレスラインの開発に携わったのち、現在は“ブーツのミカタ”としてYouTubeで動画配信を行うなど精力的に活動中。

ミリタリーシューズは誰が履いても及第点。

米海軍の1944年製サービスシューズの最初期モデル。後年のものに比べるとレザーの仕上げも異なる。5アイレットは1950年代まで採用された

米軍では様々なラストが使われていた。中でも有名なのが、1912年に米陸軍歩兵用のブーツ向けに開発されたマンソンラスト、サービスシューズ用のネイビーラストとMIL‐1ラストだ。この内の2つのラストを製品化した経験を持つのが、元レッド・ウィング・ジャパン、現“ブーツのミカタ”の鈴木さんだ。

「出自や用途は違いますが、どちらも万人に合うラストだと思います。マンソンラストはマンソン博士が2000人もの兵士の足型を調べて開発されたものですが、白人とアジア人で足の形はかなり違います。米軍には様々な人種がいますから、特定の人種に合う100点のラストではなく、誰が履いても無難によいフィット感を得られて疲れにくい60点を目指したようなものなのでしょう」

内側には製造年を示す「1944」が確認できる。サービスシューズは式典などの正装時に合わせるシューズのため、ドレスシューズ同様の細かいステ ッチで綺麗に仕上げられている

一方、ブラスの松浦さんは、実際に靴を作っている職人。ミリタリーシューズの特徴をこう語る。

「例えば1940年代のサービスシューズは、アーチサポートが強く、足なりに振っているのが特徴です。
当時は当たり前の作りだったかもしれませんが、アーチ部分の縫製は、現在作ろうとするとかなり技術が要
求されるものです。このラストをベースに1953年にMIL‐1ラストが開発されたわけですね」

これが1940年代に使われていたネイビーラスト。土踏まずの部分がかなり細く作られているが、足先にはゆとりがあるラストなのである

ミリタリーラストを使った靴は数多く存在。米軍だけでなく、英国軍でも使われていた。

このオフィサーシューズ用の木型がMIL-1ラスト。末尾の番号でラストの形が管理されていた。1940年代のネイビーラストをベースに1953年に開発。

1972年製の米軍オフィサーシューズはMIL-1ラストを使用。絞ったウエストで内振りのネイビーラストに比べて直線的な形だ。アイレット数も変更。

これは1940年代頃に使われていた英陸軍のアーミーブーツ。ラストの詳細はわからないが、トゥの丸みが米陸軍のマンソンラストによく似ている。

クリンチオリジナルのミリタリーシューズにも注目!

松浦さんが手掛けるクリンチでは、ミリタリーシューズをモチーフにしたオリジナルの靴を展開。すべてハンドソーンウェルテッド製法で仕上げている。

T字のヒールカウンターなど1940年代の意匠を落とし込んだオリジナルラストのモデル。11万7720円

1940年代の英国軍のアーミーブーツをモチーフに、エンボス加工の入ったキップで仕上げた。12万4200円

英国軍の将校用に作られたジョージブーツを上品なツヤ感のあるフレンチキップで再構築。11万8800円

レッド・ウィングのMIL-1ラストモデルにも注目!

1953年に開発されたサービスシューズ用のMIL-1ラスト。足指あたりの幅にゆとりを持たせながらも、つま先を伸ばすことでシャープにしたのが特徴。

1930年代にレッド・ウィングが作っていたオックスフォードシューズをベースに、MIL-1ラストで再構築したMIL-1ブルーチャーオックスフォードシューズ。4万9680円

知っておきたいミリタリーブーツの豆知識。

マンソンラストを使ったパラシュート部隊用のブーツ。

第二次大戦時より支給されている米陸軍パラシュート部隊用のパラトルーパーブーツ。この丸みのあるトゥは、マンソンラストの大きな特徴。こちらは長いシャフトをカットしたブラスのカスタム仕様だ。

より頑丈に仕上げるためのリベットでの補強。

米陸軍のブーツで人気のあるM-43サービスシューズ。タイプ3と呼ばれる1943年に支給されたモデルだが、羽根の付け根に補強のためのリベットが施されている。翌年の後期モデルでは省略される。

 

ミリタリーブーツの世界はいかがでしたでしょうか。万人受けだからこそ、60%の人にマッチさせているという鈴木さんのコメントにあるように、そこがまた魅力の一つ。その無骨さ、嫌いじゃないでしょう? みなさんも。もちろん、ブラスなど日本人の足にフィットさせたミリタリーブーツもたくさん出ているので、自分の足と相談して、ミリタリーブーツで足元を演出してみてはどうでしょうか?

【問い合わせ】
ブラス
TEL03-6413-1290
http://www.brass-tokyo.co.jp

レッド・ウィング・ジャパン
TEL03-5791-3280
http://www.redwingshoe.co.jp

(出典/「Lightning 2019年2月号 Vol.298」)

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PROFILE

ランボルギーニ三浦

Lightning / 編集者

ランボルギーニ三浦

全国的に名を轟かせていた札幌の老舗ヴィンテージショップに就職。29歳で上京。Lightning編集部、兄弟誌・2nd編集部で編集長を務めた後、現在は、Lightningに。ヴィンテージ、古着の知識はその道のプロに匹敵。ランボルギーニ三浦の由来は、もちろんあの名車

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全国的に名を轟かせていた札幌の老舗ヴィンテージショップに就職。29歳で上京。Lightning編集部、兄弟誌・2nd編集部で編集長を務めた後、現在は、Lightningに。ヴィンテージ、古着の知識はその道のプロに匹敵。ランボルギーニ三浦の由来は、もちろんあの名車

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