
【リノベーション倉庫②】ゴミ集積所の家具や廃材を再利用!ゼロ・ウェイスト宣言を象徴するブルワリー。|徳島・上勝町

めぐミルク
- 2020年10月19日
個性豊かに組み合わせられた窓枠と、製材所で出た端材を活用し、柿渋とベンガラを塗装した壁が印象的。この建物を通して、ごみを出さないという「ゼロ・ウェイスト宣言」を行なった徳島県上勝町の意志を伝えるブルワリーに足を運んだ。
温もり溢れる空間でうまいクラフトビールとBBQを楽しむ。

徳島市内からクルマで1時間ほど走ると、のどかな里山へ辿り着く。「葉っぱビジネス」で有名な徳島県上勝町は、全国に先駆けて「ゼロ・ウェイスト宣言」を行なっている街として知られる。ゴミ焼却所を持たず、ゴミを45分別することで再資源化に取り組んでいるこの街に、2015年5月に誕生したのが、ブルワリー、テイスティングスタンド、ジェネラルストア、BBQガーデンで構成された「RISE&WIN Brewing Co.BBQ&General Store」だ。

まず目を見張るのが、その外観。青空に向かってすっくと建つ姿に、“清く正しい”という言葉が浮かんでくる。ここは徳島市内で総合衛生コンサルタントを営む「スペック」が、上勝町が取り組む3R推進(リデュース・リユース・リサイクル)に賛同し、街の象徴となる施設を目指して建築家・中村拓志氏をはじめとする各界のクリエイターと作り上げた場所。そのため、建物は街のゴミ集積所にあった建具や家具を再利用して設計されている。

ストアの窓一面を飾るのは、使い古された窓枠。形もさまざまな窓枠がパズルのように配置され、建物の特性を伝える語り部のようだ。商品が並ぶディスプレイ棚は、よく見ると長椅子や本棚が組み合わされている。そこで店を訪れたものはふと考える。この建物ってなんだろうーー。

あえてこの場所の趣旨は強調していない、建物がそれを語る。この場所を通して街の取り組みが伝わり、人口1600人の小さな街に県外からたくさんの人が集まり始めている。

パズルのように組み合わさたモザイク調の窓枠は圧巻の一言。そこから差し込む優しい光を浴びて、ゆったりと時を過ごせるはずだ。またジェネラルストアは量り売りなので、メイソンジャーといったお気に入りの瓶などを持ち込むのを忘れずに! ぜひ訪れてみてほしい。
【DATA】
RISE & WIN Brewing Co. BBQ & General Store
徳島県勝浦郡上勝町大字正木字平間237-2
TEL0885-45-0688
http://www.kamikatz.jp
(出典/「Lightning 2018年2月号 Vol.286」)
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PROFILE

Lightning / 編集者
めぐミルク
編集部のマドンナ。会社イチのミニマムボディでありながら、その笑い声は会社中にとどろくパワフル女子。文具、カメラの専門誌、旅雑誌などを経て、現在はハンバーガー担当。キャプション書きが異様に早い。ニックネームは某牛乳から
編集部のマドンナ。会社イチのミニマムボディでありながら、その笑い声は会社中にとどろくパワフル女子。文具、カメラの専門誌、旅雑誌などを経て、現在はハンバーガー担当。キャプション書きが異様に早い。ニックネームは某牛乳から