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ジャパン・アートの革新者“葛飾北斎”が描いた、日本の美を落とし込んだアロハシャツ。

江戸時代に日常の楽しみとして広まった浮世絵。そして日本の芸術や文化が更なる広がりを見せたこの時代に焦点を当てたSUN SURFの「日本の意匠」シリーズ。ここではその代表的作品である葛飾北斎とのコラボモデルの魅力について、茅ヶ崎市美術館学芸員の月本寿彦さんの言葉を中心に掘り下げていく。

「茅ヶ崎市美術館」学芸員・月本寿彦さん(右)

山形美術館を経て2014年より茅ヶ崎市美術館に勤務する学芸員。芸術作品の保存や研究に努め、展覧会の企画立案を行う他、図録の作成にも携わる。葛飾北斎の知識は博学レベル。「葛飾北斎の作品から今後モチーフにするなら、彼が流行を作ったとも言われる花鳥画の絵もいいですし、肉筆画でリアルな蛇が描かれているちょっと変わった独創的なものも面白いと思いますね」

「東洋エンタープライズ」SUN SURF企画統括・中野喜啓さん(左)

アロハの代名詞的ブランド、SUN SURFの企画統括として日々アロハシャツの制作やアーティストとのコラボシャツリリースに携わり、その魅力を発信し続けるアロハシャツの研究家。「浮世絵の世界はまだまだ掘りさげたいこともたくさんあるので、シャツに対する評価をいただきたくてこの場を用意させてもらいました。本日はよろしくお願いします!」

昨年公立美術館として国内初のアロハシャツ展を開催した茅ヶ崎市美術館。ハワイ文化の重要な一部であるアロハシャツは、日系移民の労働着がその歴史の発端にあったとも言われている。ハワイ・日本の両文化が入り混じった表現の豊かさがアート作品と呼ばれる所以

北斎の魅力を肌で感じる、SUN SURFの「日本の意匠」シリーズ。

サンサーフがリリースするアロハシャツの中でも異彩を放つ「日本の意匠」シリーズ。中でも葛飾北斎には独特の魅力があると学芸員の月本さんは語る。

月本さんが過去に制作に携わった図録。『北斎の富士』は前職の美術館に冨嶽三十六景も富嶽百景も寄託されていたことから、それらを組み合わせて行った自身企画の展覧会。『北斎漫画展』は、1814年から1878年までに全15編が刊行された、葛飾北斎の代表作をまとめたもの

「描写が的確で無駄がないんですよ。かと言ってそれが写実的かというとそうではなく、形を捉えるバランスであるとか、サラッと済ませればいいところをあえて事細かに描いたりとか独特の美学があるんです。一癖ある感じがハマってくるとすごく良いと言うか、独特のしつこさがあって、他の絵師にこういう表現はないんです。それに彼は常に貪欲に新しい情報を吸収して学び取り、表現し続けていました。自己を超えていく力や葛藤が常にある人だから、当時の絵師の感覚からは頭ひとつ抜けていたんです」

それだけの存在であれば、当然制作サイドのハードルも高くなると中野さん。

「そもそも北斎のようなクオリティの高い有名な作品を題材に使う場合、シャツのジャッジを下すのが自然とそれを知ってる人達になるので、北斎作品のファンも満足させるものでなければなりません。そうなると月本さんのようなシャツの題材となるアートを研究されている方の意見はとても貴重なんです。今回いただいたアドバイスをもとに、次回もより良い作品づくりを目指します!」

江戸芸術文化の象徴とハワイアンカルチャーの融合が生んだ至極の名作。

SUN SURFの「日本の意匠」シリーズから、北斎を知り尽くした月本さんは何を読み取るのか。江戸の芸術文化とハワイアンカルチャーのコラボレーションで生まれたアロハシャツの魅力とは?

“富士越龍図(ふじこしりゅうず)”【原画:絹本墨画淡彩/嘉永2年(1849年)】Style No.SS38713 2万7500円

「これは北斎の最晩年、絶筆と言われている富士越の龍図の一部なんですが、なぜこの後すぐに亡くなってしまうんだろうと不思議に思うくらい力のこもった良い作品なんです。この原画の魅力は水墨の重なり具合や濃淡の変化なんですが、黒い雲の合間から龍が登っていって富士を越えていくというような構図から、自分自身を越えていく北斎の自画像であるという説があります。

濃淡具合をシャツでどう表現するのかなと思っていたのですが、『滲み』をプリントで再現することをゴールにして取り組まれていたと中野さんがお話しされていたように、絹本の生地に墨が染み込んでいく様子がすごく丁寧に再現されていて、そこがこのシャツの魅力だと思いました」

“富嶽七景(ふがくななけい)”【原画「冨嶽三十六景」:大判錦絵/天保2~5年(1831年~’34年)頃】Style No.SS38712 2万7500円

「冨嶽三十六景の中の藍摺絵を中心に組み合わせているんですが、ブルーのグラデーションがすごく綺麗ですね。ブルーだけでなくグレーも用いることで、より青と白地が引き立っているので、北斎の藍摺絵の世界観をうまく表現していると思います。

そもそも当時はベロ藍が普及し始めてくる頃なのですが、天然藍もまだ若干使われていたんです。これはおそらく北斎のこだわりだと思うのですが、藍に対する意識が高く、両方併用していたという説があるんです。藍は独特の幽玄な世界を作り、その色合いが見る者を内面的な感性に導くとも言われ、アートに落としこむには最適とされる向きもあります。だから北斎と藍の組み合わせはひとつの面白いテーマなんですよね」

“神奈川沖浪裏(かながわおきなみうら)”【原画:大判錦絵/天保2年(1831年)頃】Style No.SS37651 2万5300円

「今回だとこれが一番メジャーと言うか、わかりやすいくらい名品を思いきってサンプリングしているんですが、ドーンと絵全体を落とし込みそうなところを、部分的にクローズアップしているところにセンスの良さを感じます。実際に自分が制作に携わった図録『北斎の富士』と切り取り方もほぼ同じですし(笑)。

ただ彼の作品を十字や対角線で割って見ていくと、重なる部分にこの波頭のような大事なところが出てくるんです。もともと人間には一番美しく見えるとされる黄金比率があると昔からヨーロッパでは言われていましたが、北斎は知識として持っていたのではないかと思うんですよね。それが世界中の人を魅了する北斎の作品の特徴でもあるのかなと思います」

【撮影協力】
茅ヶ崎市美術館 
神奈川県茅ヶ崎市東海岸北1-4-45
TEL0467-88-1177
http://www.chigasaki-museum.jp

昨秋SUN SURFと共にヴィンテージ・アロハシャツ展を開催。今年は7月17日からクリエイティブディレクター藤原大氏の「人の中にしかない自然」がスタート。9月11日からは「ブラチスラバ世界絵本原画展 こんにちは!チェコとスロバキアの新しい絵本」も始まる

【問い合わせ】
サンサーフ(東洋エンタープライズ)
TEL03-3632-2321
http://www.sunsurf.jp

(出典/「Lightning 2021年8月号 Vol.328」)

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ADちゃん

Lightning / 編集者

ADちゃん

スケートカルチャーシーンでは実は名の知れた存在で、社内に隠れファンが多数いるほど。だが普段はそんな雰囲気はまったく醸し出していないため、ただの笑顔のステキなお兄さんと思われている。ミリタリーについても、モヒカン小川に並ぶ知識の持ち主

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