うねりからのテイク・オフを成功させる!初心者のためのポイント詳説|サーフィンの基本
FUNQ NALU 編集部
- 2017年06月10日
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パドリングやスープでのテイク・オフといった基本が習得できたら、次はうねりのある波にチャレンジしてみよう!今回は、うねりのある波からのテイクオフを成功させるためのポイントと練習方法を紹介します。
テイク・オフをするためには“待つ”のではなく、常に自分から波を“キャッチ”する意識を持つ
アウトまで出てラインナップに到着し、「さぁ〜乗るぞ!」とテンションが上がる気持ちはみんな同じ。でも、同じラインナップで波待ちをしていても数メートル隣では波が頻繁にブレイクしていて、自分の周辺は全くブレイクしていない、なんてことはよくあること。波は絶えず動いており、特にビーチブレイクではブレイクポイントが刻一刻と移動するのだ。ゆえにその時々のベストなポジションをキープすることが、1本でも多く波に乗る秘訣だ。
そして“波待ち”とは言うが、実際ただ待っていて、自分の目の前に来た波だけ乗るようでは恐らくほとんど波に乗ることはできないだろう。うねりと自分の動きをシンクロさせて“波をキャッチ”するイメージを描くことが重要だ。ブレイクする波の一番乗りやすいポジションへパドリングで移動し、キャッチするのだ。
例えば波が最も高く隆起し、最初にブレイクする“ピーク”から乗るとパワーが伝わりやすいため乗りやすいのだが、あまりにもピークすぎる場所からだと、波に巻かれてパーリングすることもしばしば。逆に緩い斜面の“ショルダー”から乗ろうとしてもパワーが伝わりにくく、波に置いていかれてしまう。
刻一刻と動く波やうねりにシンクロさせて、ベストなポジションで波をキャッチしよう!
テイク・オフへと続く一連のシークエンスがこちら。うねりをキャッチするまでは波をよく見て、パドリングで波を追いかけているのがよくわかる。どこでブレイクするか、波をよく見てイメージすることが重要だ。
ボードが滑り出したら一呼吸置くと成功しやすい
うねりからテイク・オフする際は、胸でボードを前に押し出す意識が一瞬の間となる。
うねりからのテイク・オフにチャレンジするまでステップアップしたならば、パドリングやスープでのテイク・オフといった基礎が身についてきたことでしょう。ブレイクする前のクリーンなうねりからテイク・オフが決まったならば、スープでのテイク・オフの数倍もアドレナリンが活性化するはず。
うねりが来たら早いタイミングから始めるパドリング、すべての動作をクイックに連動させるなど、より素早い動きが求められる。ゆえにタイミングが極めて難しいといえる。ボードが滑り出した瞬間を捉えてテイク・オフへと向かうワケだが、焦りは禁物だ。焦れば焦るほどタイミングが取りにくくなるし、体力が消耗してくれば同様にタイミングが取りにくくなる。実際に早く立とうとしすぎると波に置いていかれるし、滑り出してから慎重になりすぎるとボトムまでボードごと落ちてしまってテイク・オフのベストなタイミングの逸してしまう。
オススメしたいポイントはというと、滑り出してからパドリングをやめ、ボードに手をつく際に“胸でボードを前に押し出す”意識。ブレイクがトロい場合はアゴをデッキに押し付け、押し出すことも。結果、この動作が一呼吸となり、テイク・オフ前に一瞬の余裕が生まれて高確率での成功に繋がるのだ。
このブレイクはレギュラーのブレイク。斜めへのテイク・オフを意識しているのがよくわかるが、1のシークエンスで手をついているが、よく見ると胸でボードを前に押し出しているのがわかる。この一呼吸が重要なのだ。
うねりからテイク・オフすると、滑り降りる感覚が味わえる
乗れる波か否かを瞬時に判断し、早いパドリングで滑り出しを感じて一気に立つ。
スープでのテイク・オフはスープ自体のパワーが弱いため、失速するのも早く、長く乗ることはできない。しかし、うねりからのテイク・オフはパワーがあるのと、ブレイクしてスープになる状態よりも先にテイク・オフをするため長く乗り続けることができる。
うねりからのテイク・オフを成功させるための重要なファクターがいくつかあるが、第一段階として「波を見極める」こと。ブレイクする波とブレイクしない波=厚い波を見極めることにある。厚い波で乗ろうとしても波に置いていかれ、体力を消耗するだけだ。また、ブレイクする波のどこでパドリングを開始するかもポイントとして挙げられる。
第二段階としてはうねりに対して「早めにパドリングを開始」すること。うねりに追いつかれる前からスピードをつけておく必要がある。スピードがついていないとこれまた波に置いていかれてしまうのだ。
第三段階としては「ボードが滑り出した瞬間を捉える」こと。スーッと波に押され、同調した感覚はスープでのテイク・オフと変わらない。焦らず、でも動作はスピーディに行いたいところ。また波に対して垂直にテイク・オフするため、ボードが波に刺さるパーリングには要注意だ。パーリングする場合はタイミングと加重バランスを見直す必要がある。
写真の波はブレイクの早い波=掘れた波なのでパーリングしやすい。2のシークエンスの段階で加重バランスを調整していることが伺える。加重が前すぎるとパーリングしてしまう。足元を見るのでなく行きたい方向に目線を持っていこう!
波をよく知る。乗れない波は、いくら頑張ったって乗れない
波の動きを読む力も大切。まずはテイク・オフできる波を見極めることから始めよう
スケートボードなどいわゆる横乗り系に分類されるサーフィンだが、他のスポーツと大きく異なるところは、フィールドが“動く”ことだ。同じ波は二つとしてないと言われるほど、波の形は絶えず変化する。
上手いサーファーほど、そんな波の動きを読む力が優れているもの。波がどんな動きをするかがわかっているから、波とシンクロしているかのようなライディングができるのだ。サーフィンを始めたばかりのころは、来る波すべてが同じに見えるものだが、まずはテイク・オフができる波の見極めから始めたい。
テイク・オフは向かってくる波の動きに合わせてパドルして、ボードが波に押されることで可能になる。成功させるコツは波に押される時にパドリングでしっかりボードを加速させておくこと。それに波に押される時、波の斜面がテイク・オフに向く角度になっていることが挙げられる。この斜面がユルすぎると波に置いていかれるし、キツすぎると今度は波に巻かれてしまう。つまりテイク・オフしやすい波とは“程よい”角度が長く続く波となる。
とは言え、“程よい”角度の見極めは、畳の上の水練と同じで実際に海で体感しながら覚えていく他ない。そこがサーフィンの難しいところであり、また一筋縄では行かない楽しいところでもあるのだ。
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FUNQ NALU 編集部
テーマは「THE ART OF SURFING」。波との出会いは一期一会。そんな儚くも美しい波を心から愛するサーファーたちの、心揺さぶる会心のフォトが満載のサーフマガジン。
テーマは「THE ART OF SURFING」。波との出会いは一期一会。そんな儚くも美しい波を心から愛するサーファーたちの、心揺さぶる会心のフォトが満載のサーフマガジン。