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【瀬筒雄太×吉川広夏】ノーズライディング・クロストーク<前編>

日本のロングボードシーンを牽引する瀬筒雄太と吉川広夏。数々の海外のコンテストにも招待され、その華麗なノーズライドで世界的な評価を受けているトップロングボーダーだ。今回はそんなふたりを迎え、特別対談を実施。シングルフィンへの思い、海外で得た経験、昨年開催されたダクトテープについてまで幅広く語ってもらった。
◎出典: NALU(ナルー)no.118_2020年10月号

サーフィンを始めた頃に魅了されたシングルフィン

ロングボードに乗るようになったきっかけから教えてください。

瀬筒:僕がまだ小学校5、6年生の頃、地元の福岡に中村清太郎くんが来たんです。当時清太郎くんはカリフォルニア帰りでまだ18歳ぐらいだったと思うんですけど、カリフォルニアのスタイルを日本にそのまま持ってきてるような衝撃があって。いろいろなサーファーがいるなかで、清太郎くんはひとり違う乗り方をしていたんです。同じ十代だったから親近感を覚えると同時に、なにかオーラのようなものもすごく感じました。父親がロングボーダーだったのでロングボードがまわりにある環境ではあったんですが、清太郎がシングルフィンに乗っているのを見て、「ロングボードと言えばシングルフィン」となりましたね。

吉川:私は最初スタビライザー付きのロングボードから始めて、試合に出るようになったときもスタビに乗ってたんです。でも両親によく太東に連れていってもらっていて、シングルフィンに乗った雄太くん(瀬筒)や良子ちゃん、(島尻)裕子ちゃんたちのきれいでかっこいいサーフィンを見ていたんです。そこから私も乗りたくなって、父(吉川竜二プロ)にシングルフィンを作ってもらった覚えがあります。

瀬筒プロはスタビも乗っていたことはあったんですか?

瀬筒:シングルフィンがメインだったんですけど、プロになってから何年かは試合を考えたりして、スタビと両方乗っている時期もありました。それでもやっぱりシングルフィンってなったのは、フィンの高さがあってノーズライドしたときのホールド感というのが全然違ったからだと思います。スタビライザーのボードでもノーズライドはもちろんできるんですけど、シングルフィンの大きなフィンが波の中に入りこんでブレない感じや体重を支えてくれてる感覚っていうのが、技術がある程度上手くなってくると分かってきたんです。そこにシングルフィンのノーズライドの醍醐味を感じたんだと思います。

シングルフィン、ノーズライドへのこだわり

まわりにそういう環境もあったことで、シングルフィン、そしてノーズライドに魅せられていったということなんですね。

瀬筒:ロングボードと言えばシングルフィンっていうのがどこか潜在的なところで埋め込まれてるんでしょうね。自分の父親も「カリフォルニアスタイル、ハワイスタイルといろいろなスタイルはあっても、なんだかんだシングルフィンのサーファーがかっこいい」って日頃言っていたので、普段サーフィンするポイントを考えるとスタビというのがなんとなく自分の環境に合わなかったし、ピロタン(吉川プロの愛称)もさっき言っていたみたいに、まわりの人たちが「シングルフィンに上手く乗れるとかっこいい」という憧れを持っていたのは大きいですね。

吉川:もし違う場所でサーフィンをしていたらスタビがいいなって思っていたかもしれないけど、太東はシングルフィンの人が多くて、ローカルもみんな上手くてスタイリッシュだったから、シングルフィンでノーズライドするっていうサーフィンを自然と目指すようになったんだと思います。

十代から世界を体験し、感じたこと

おふたりはJPSAのツアーもまわりながら、十代の頃から積極的に海外のコンテストにも出ていましたよね。

瀬筒:14、5歳くらいのときにヌーサフェスティバルの大会を収録したDVDを見たんですけど、ファーストポイントの波がすごかったんですよね。これは一度行ってみたいなって思いました。雑誌にも海外の試合がよく掲載されていて、ちょうどその頃オーストラリアに住んでいた石川剛くんたちの名前がヌーサフェスティバルのリザルトに載っていたんです。それで日本人でもこういう大会に出てるんだっていうことも知って。本場の良い波に乗りたいという思いがあったから、ヌーサフェスに出れるなら出てみようと思うようになりました。それから行ったことがある人たちにいろいろ情報を聞いて16歳の時に行きました。

バリ・チャングーのパワフルな波で魅せたソウルアーチ。Deus 9ft & Single

15年ほど前だとデーン・ピーターソンのような錚々たるサーファーも出ていた時期でしょうか。

瀬筒:そうですね。ちょうどトム・ウェグナーさんが移住していたり、映画の『スプラウト』にもヌーサのシーンが出てきたりで、メディアに取り上げられることが多かったと思います。

実際に行ってみての感想はどうでしたか?

瀬筒:それが波に当たったんですよ。ヌーサヘッズのポイントブレイクがどこも割れてて、もうノーズライドしながら笑っちゃいました。ハングファイブしながら延々とフェイスが伸びていって「あぁこのままずっと行けるなぁ」って。そのときのことは鮮明に覚えてます。このなところが世の中にあるんだっていう……、衝撃でしたね。ブレイクの中でもやっぱりヌーサは別格でしたね。

吉川:私も最初はヌーサフェスティバルだったと思います。その頃は世界を目指す人はみんな3月にヌーサに行くっていう流れができていて。

瀬筒:登竜門的なね(笑)。

吉川:そうそう(笑)。そのあと17歳くらいでまだアマチュアだったんですけど、運良くASP(WSLの前身)の試合で勝ったときに、同じ試合に出る裕子ちゃんや植村未来ちゃんに連れて行ってもらってフランスの世界大会に出ました。試合にはカシア・ミーダー、サマー・ロメオがいたり、CTの試合も同時にやっていたのでカリッサ・ムーアもいたりで、かなり大きな大会だったんです。そのときに見た表彰式が本当にかっこよくて、自分も世界を目指したいという気持ちが芽生えました。

2011 年に出場したヌーサフェスでは世界チャンプのジェン・スミスとも対戦

海外に出て気づいたことや驚いたことはありますか?

瀬筒:今回のテーマに合うか分からないんですけど、結構海上がりにシャワーを浴びない人がいる(笑)。あとフィンを外さない。もう本当に人それぞれだなと。カルチャーというところで言うと、日本だとロングボードをやっている人はある程度仕事をしていてお金と時間に余裕がないとできない感じですけど、そうじゃなかったですよね。海外ではロングボードが敷居の高い感じがしなかった。日本だとまず見られないような光景があるし、サーフィンそのもの、ロングボードそのものがもっと身近にある印象でした。

吉川:海外の試合は、まず終わったら勝ち負けとか関係なくビール持って「乾杯!」みたいな(笑)。日本では見たことなかったので「なんだこれ!?」ってそこで結構びっくりしました。試合中に海のなかで普通に話したりするし、もちろん本気でやるときはやるんですけど、勝ち負けだけじゃない世界もあるというか。陸の上でもよく会話をするし、いいライディングだと思ったら年齢も関係なく褒めてお互いを尊敬しあってる感じがありますね。

バリで行われたDEUS 9ft & Singleでは頭オーバーの波で完璧なハングファイブを披露。並みいる出場選手のなか3位入賞を果たした

瀬筒:海上がりにゼッケンを着てビーチを歩いていると、その場にいる人たちから「いいサーフィンしてたね」なんて声をかけられますしね。見ている側もその時間を楽しんでいて、そういった海との付き合い方、ロングボードとの接し方というのはカルチャーショックでした。

二人が影響を受けたロングボーダー

ライディングという点ではどうですか?

吉川:私が海外に出始めてすごいなと思ったのはカシアですね。カシア独特のサーフィンのスタイルだと思うんですけど、マリブでチーターファイブをしたままスープの下をずっと抜けてくるライディングを見て、そんなところで抜けてくるレディースサーファーは見たことなかったので、それはかなりの衝撃でした。

瀬筒:ハリソンやクリスチャンのような同世代からは影響を受けましたよね。でも印象的だったのはマット・カディヒー。最初はヌーサといえばハリソンだったのが、ちょっと通っていると実はマットがすごいなと。ハリソンはサーフィン全体が上手いんですけど、マットはロングボードがずば抜けて上手い。その頃はまだマットはアンダーグラウンドな存在で僕も全然知らなかったし、一見上手そうな「匂い」が全然しなかったんですよね。何年乗ってるんだろうみたいなボードを使っていて、ステッカーも貼ってないし、海パンもヨレヨレだしっていう感じなんですけど、海では絶対にセットに乗ってきて、ありえないラインを取ってくるんです。

ロングボードではスタイルというものが大きな意味を持ちますが、そういったすごいサーファーを見たときに、おふたりはスタイルや乗り方を取り入れようと思うのでしょうか?

吉川:私はすぐに取り入れますね。完璧なコピーはできないけど、それに取り組んだら自分のスタイルが生まれるんじゃないかなって。好きなところは結構吸収していきたいなと思ってましたね。

瀬筒:僕も取り入れますね。

例えばどういう部分で?

瀬筒:マット・カディヒーのカットバック、それとノーズライドのポジショニング。もちろんステップワークもマットは上手いんですけど、両膝を内側に入れてすごくタイトに小回りの利いたカットバックをするんですよね。ただテールを思いっきり踏むんじゃなくて、体重を後ろに移動しながらレールを順番に入れていくような丁寧なターンで、派手なスプレーではないんですけど、一定の量のスプレーが円を描くようにきれいに出るんです。当時そこまでは分からなかったんですけど、繊細さがあってきれいだなぁと思ってみてました。ただその波でまったく同じライン取りをやってみようと思うんですけど最初はできないんですよ。でもずっとやってると、ヌーサの波にはそのライディングがフィットするっていうことが分かってきて。最初は自分の乗り方でヌーサに入るんですけど、上手いライディングを見て吸収していくうちに、スピードがもっと出たり長くノーズライドできたりスプレーがもっと飛んだりっていう形で自分のライディングに相乗効果が生まれてきて、それは気持ちよかったですね。

この波だからそういう乗り方なんだという?

瀬筒:そうですね。逆に言うとそういうライディングを取り入れていくとそのポイントでの乗り方が分かるというか。それはマリブに行ったらジョシュ・ファブロウやジョエルがそうだしというのと一緒で、そういう気づきの入り口はマット・カディヒーでした。だから取り入れまくりですね。

吉川:でも雄太くんのスタイルって独自じゃないですか? すごくオリジナルに見えてました。

瀬筒:そうなのかなぁ。多分何から何までということではなくてピンポイントに取り入れてるからなのかな。そのときそのときでハマっていることがきっとあって、いろいろやっていく過程でホームの波質というものと融合していくのかなと思います。そこで初めてスタイルが出てくるのかもしれないですね。

吉川:私は十代の頃はクリスチャン・ワックが大好きでした。DVDで見たクリスチャンのパートのBGMがサーフィンしてるときにひたすら頭の中で鳴ってて、それに合わせてサーフィンをしているような感じでした(笑)。今はカリーナ(・ロズンコ)が好きですね。以前はレディースサーファーがハングファイブしてハングテンしたらそれだけですごいみたいな評価だったんですけど、ここ数年でハングテンはもう当たり前になって、その次のステージに進んでいる気がしています。カリーナのようにレディースサーファーもハングヒールするのが当たり前だし、後ろを向いてのステップやスイッチスタンスといったメンズサーファーがすることも女の人でもできるんだなと思ってトライしてます。

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2021年10月09日

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NALU 編集部

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テーマは「THE ART OF SURFING」。波との出会いは一期一会。そんな儚くも美しい波を心から愛するサーファーたちの、心揺さぶる会心のフォトが満載のサーフマガジン。

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