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「グランビューマックス」で広がる新しい登山スタイル──Tevaが提案する“サンダルハイク”

登山の常識が、いま変わろうとしている。
ブーツ一択だった登山靴の選び方にトレイルランニングシューズをはじめとしたローカットシューズが加わり、ついには“サンダル”というより軽快な選択肢も登場した。
2025年春夏に登場した新モデル「Grandview Max Sandal(グランビューマックス サンダル)」が、「ハイキング×サンダル」のイメージを塗り替える革新的な一足としていま注目を集めている。
登山向けのローカットシューズが出てきたとき、それがここまで拡大すると思っていた人は少ないのでは?このたび登場したハイクサンダルも、もしかすると数年後には──。

文◉宮上晃一(PEAKS編集部)

サンダルである理由。軽さと解放感という武器

▲写真提供◉デッカーズジャパン

「ハイキングにサンダルなんて危険では?」と感じる人も多いだろう。実際、足元が露出するサンダルは、岩場や急登などの厳しい環境には不向きであり、すべての登山に適しているわけではない。しかし、このグランビューマックスサンダル(以下、グランビューマックス)はその前提を揺るがす、高い性能と構造をもった“ハイキング用サンダル”として開発されているという。

グランビューマックスの最大の魅力は、“開放感”と“軽快さ”。足先が風に触れる感覚は、まさに自然との一体を感じられる体験そのものだ。とくにトレイルが明確な夏場の山や、水辺とトレイルが交差するようなエリアでは、ブーツやシューズよりも濡れを気にせず快適に歩けるのは大きな利点といえるだろう。

グランビューマックスの機能性。登山で信頼できるサンダルとは

グランビューマックスは一般的なサンダルとは一線を画す高機能設計がされている。以下、その特長を見てみよう。

1.ビブラムメガグリップアウトソール

▲写真提供◉デッカーズジャパン

濡れた岩や滑りやすい土道にも強く、どんなトレイルでも高いグリップ力を発揮する、言わずと知れた定番登山向けアウトソール。耐久性にも優れ、長距離の縦走にも対応。

2.LITE-COMFミッドソール

▲写真提供◉デッカーズジャパン

テバ独自の軽量クッション素材を採用。衝撃吸収性が高く、足裏やヒザへの負担を軽減する。長時間の登山でも疲れにくい仕様だ。

3.Wストラッピングシステム

▲写真提供◉デッカーズジャパン

調整可能な2本のストラップにより、足の形状や歩行中の浮き沈みにも柔軟に対応。ストラップはソールの下にぐるりと回り込み、甲とカカトを包んでブレを低減している。フィット感は抜群だ。

4.通気性・速乾性に優れたアッパー

▲写真提供◉デッカーズジャパン

吸湿発散素材により、汗や湿気を外に逃がし、つねにドライな履き心地をキープ。水辺のハイクでも威力を発揮する。外側部にはマッドガードも付く。

Tevaから“サンダルハイク”のお誘い。高機能なトレイルサンダルが新登場!

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2025年02月26日

西表島・沢沿いのトレイルで試してみた

▲流れも穏やかで水深は深いところでもふくらはぎ程度。帯同してくれたガイドによると、木々が陽射しを防ぐため夏場でも気持ちよく歩けるという(写真提供◉デッカーズジャパン)。

今年(2025年)4月末に、テバを取り扱うデッカーズジャパンからお声がかかり、このグランビューマックスを試せるツアーに招かれた。というわけで、実際のフィールドで体験した所感をお届けする。

歩いたのは幾度となく沢と交差するトレイル

▲気温は夏日に届かないほど。はじめは水を冷たく感じるが、なれてくればむしろ水の中を歩きたいくらい気持ちいい(写真提供◉デッカーズジャパン)。

テストの場所は西表島のなかでも定番とされるゲータの滝。ここはハイキング初心者でも沢登り体験ができる人気スポットで、奥にあるゲータの滝まではおよそ700m。途中に本格的クライミング技術が必要な場所はないものの(最後の核心部は若干手も使う)、ところどころスリップしやすい箇所がある。ベストな靴を選ぶとするならフェルトソールをチョイスしたい環境だ。

いちばん気になるグリップ力、その真価はいかに?

▲ヌメリのある岩は無理に進むとスリップする。観察すればどれが滑りやすい岩なのかもわかってくる(写真提供◉デッカーズジャパン)。

「このサンダル、めちゃくちゃグリップするやん!」
なんてことはなく、濡れてヌメリのある岩はめちゃくちゃ滑る……。とはいえ、そんなことは想定内。ようはどのように滑らず歩くか、である。滑りそうな岩は細心の注意を払って行動した。そのほか乾いた岩やヌメリのない場所(水が常時ながれている水線など)は滑ることなく歩け、土のトレイルはもちろんメガグリップの活きるところ。「どのような場所が滑るか」さえわかれば、今回のルートであればグランビューマックスでもなんの心配も感じなかった。

ウエットっぽいアッパー素材やミッドソールがいいね!

▲ウエット素材っぽくありながらも速乾素材のアッパー。柔らかな素材で、甲にしっかりとフィットする(写真提供◉デッカーズジャパン)。

アッパーはサーフィンなどで着用するウエットスーツのような素材。保水しても冷たさを感じづらく、肌当たりもいい。前述のようにストラップを3箇所で固定するため、フィット感も上々だ。しっかりとフィットさせればブレ感も少ない(今回の装備が軽いからでもある)。また、これはサンダルでハイキングをするうえで当たり前のことだが、足の露出部分が多くなるため、小石や枝のサンダル内への侵入や、つま先を岩に当ててしまう可能性は否めない。ただ、ソールはハイキングシューズなみに硬めなのでレスポンスがよく、多少の荷物を背負っても安定しやすいし、ほかのスポーツサンダルであればスリップしやすいような場所でも踏ん張りが効く。

気になる点はフットベッド。個人的には土踏まずのアーチをもう少し高くしたほうがいいのではないかとも思う。薄いサンダルであればアーチを意識して歩きやすいが、ここまでボリュームのあるソールだと、それがなかなか難しい。「ハイクサンダル=荷物を背負っても履ける」であれば、そちらのほうがある程度の重荷にも耐えられそうだと感じた。まぁ、ここはそれぞれの好みでもある。もしかして屈強なアメリカ人はそんな細かいことを気にしないのか……?

昨年登場した「アベントレイル」と比較

▲昨年の夏から愛用しているアベントレイル。だいぶソールも丸くなってきた(写真◉PEAKS編集部)。

このグランビューマックスが登場した背景には、昨年登場したアベントレイルの成功も大きいと考えている。このアベントレイルとはトレイルランニング向けに開発されたサンダルで、昨今レースでも人気のHOKA(ホカ)の創業メンバーが開発に加わったモデル。世界的ランナー・上田瑠偉さんも実際に履いてポジティブなコメントを残しており、トレイルでの定評もある。発売から数日後、なじみの店に行くとすでに完売しているサイズも多数あった。

▲上)左がグランビューマックス、右がアベントレイルのソール(アベントレイルは長期間使用しているので、ソールが削れているのはご愛嬌)。グランビューマックスのほうが複雑なソールパターンで、多方面へのグリップが効く。コンパウンドも違うが、アベントレイルのほうが軽量化を意識してある。右下)上から見たところ、ストラップのシステムは似ているが、アッパーが甲を覆うように配置してあるアベントレイルと違い、右のグランビューマックスは左右に分かれたアッパーのため、フィット感を追い込める。また、フットベッドもグランビューマックスのほうは細かい溝が刻まれており、滑りにくい。左下)両者ともボリュームのあるソール。アベントレイルは前足部にナイロンプレートが、グランビューマックスには土踏まずより後ろにもプレートが入っている。ロッカー形状なども似ているが、まったく別物の履き心地だ(写真◉PEAKS編集部)。

じつはこのアベントレイルを昨年から履いていて、個人的にはかなり気に入っている。今回のツアーでグランビューマックスと比べたところ、両者はまったく性格の異なるサンダルであることがわかった。クッション性にすぐれたアベントレイルに対し、グランビューマックスはしっかり派。走る際には活きるクッション性だが、不整地をゆくときはそこそこ硬いほうが力が逃げず安定する。そのほか、通気性やフットベッドの感触もかなり違った。

話題のトレランサンダル、Tevaの40周年記念モデル「アベントレイル」に注目!

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2024年07月19日

どんな登山に向いているのか?

言わずもがな、グランビューマックスはすべての山で使える万能サンダルではない。ただ今回のツアーで実際にフィールド体験をして感じたのは、タフな構造と快適性が活きるフィールドは確実にあるということ。推奨できると感じたのは次のようなエリアだ。

  • 登山道が整備された、高低差の少ない低山
  • 途中に舗装路(や林道)を含む山域でのアプローチ
  • 今回のような穏やかな沢沿いや湿地帯、海辺のトレイルなど水場を含む難易度の低いルート
  • 夏のキャンプ場やテント泊のベースキャンプ用

一方で、以下のようなエリアでは使用を避けるべきだ。

  • 岩稜帯やガレ場を含む高難度の縦走路
  • 落石や転倒リスクの高い急斜面
  • 厳冬期、積雪期の山

つまり、「性能を理解し、適切な場所で使用する」ことが「ハイク向け」の前提だ。登山靴と併用しながら、使いどころを見極めることが肝要といえる。

ブランドの哲学:「For Playground Earth」

▲じつは山登りよりもパドルスポーツやスノーボードのほうが好きかも……。ちなみにSUPではマルチアウトドアモデルの「ハリケーン デラ ダクトル」を履かせてもらった(写真◉デッカーズジャパン)。

今回のツアーでは、南国でのトレッキングだけでなく、島らしいアクティビティのSUP(Stand Up Paddleboard = スタンドアップパドルボード)でも遊んだ。アウトドアアクティビティはなにも登山だけではない。このような水辺の遊びも含め、テバは2025年春夏シーズンより「For Playground Earth」というメッセージを発信している。直訳すれば「地球を遊ぼう」。これには僕も大いに賛同する。

人間は2本の足で立って生きる生物だ。これにより、いろんな道具を使えてさまざまな遊び方ができるようになった。今回紹介した道具は“ハイキングを楽しめるサンダル”だが、使い方は個人の自由。なにもハイキングの際だけに使用する必要はない。道具の特性を理解できれば、ほかの用途に用いてもいいと思う。それこそが“遊び”だろう。

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登山にサンダルを持ち込むという選択

「グランビューマックス」は、ただの“楽なサンダル”ではなく、しっかりと自然に向き合うための本格装備。もちろん、登山の装備は命に関わる重要な要素だ。だからこそ、明確な性能設計と適正用途を確認することが重要となる。

なかなか調子がよかったので、GW明けの5月中旬に瀬戸内の島登山で引き続きその性能を試してみたいと考えている。新しい発見があればまたお知らせする予定だ。

Grandview Max Sandal(グランドビュー マックス サンダル)

・¥19,800
・[Men’s] サイズ:25.0cm〜29.0cm カラー:ブラック、ダーク グル グレー/ラークスパー、 バイソン
・[Women’s] サイズ:22.0cm〜25.0cm カラー:マホガニー/ブルーミング ダリア、ブラック、カリブ/シーディング

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PROFILE

宮上 晃一

PEAKS / PEAKS編集長

宮上 晃一

山中では「食」の軽量化をいっさい考慮しないスタイルを好み、アルファ化米では肌が荒れがちなお年頃男子。下山後の食事は約7割が焼き肉になってしまうため、家に戻ると出発前より体重が増えていることも……(登山口近辺の焼き肉店情報求む!)。カブトムシすら触れない大の虫嫌い。

宮上 晃一の記事一覧

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