高尾山(表参道コース)登山ルート「富士山を眺めながらのんびり。まさに東京のオアシスだ」
PEAKS 編集部
- 2019年09月30日
INDEX
都心から1時間ほどで、自然の息吹を色濃く感じることができる高尾エリア。中央沿線には魅力的な山々が連なり、体力や日程にあわせてさまざまな楽しみ方をすることが可能だ。今回は登山初心者にもオススメの高尾山の表参道から山頂へアプローチするルートを紹介する。
ルート概要
高尾山口駅→霞台→薬王院→高尾山→5合目合流点→浄心門→高尾山駅→ケーブル→高尾山口駅
歩行時間
3時間5分
日程
日帰り
技術
★☆☆☆☆
体力
★☆☆☆☆
レベル
初級
高尾山(表参道コース)登山ルートへのアクセス
公共交通機関
新宿駅から京王線で高尾山口駅へ。あるいは中央線で高尾駅まで行き京王線に乗り換える。京王新宿駅~高尾山口駅55分。
車
圏央道高尾山ICから国道 20号線を走行して高尾山口駅へ。駅前に有料駐車場がある。高尾山IC~高尾山口駅1.5km
ルートプラン
走行距離:8km
歩く人の多い表参道を登り、薬王院に参拝してから山頂に向かう。高尾山頂はグランドのように広いが、休日には休憩する場所を見つけるのにも苦労することがある。そうした時には譲り合うように心がけよう。休憩にもっとも適しているといえるのが、山頂標識裏手の広場。東屋があるのでそこが使えるといいだろう。下山は山頂下のトイレ前を下り3号路からケーブルカーを使って下山する。ガラス越し見る高尾山域の自然は美しく、特に早春や紅葉期がおすすめだ。
高尾山口駅
↓1時間5分
霞台
↓30分
薬王院
↓25分
高尾山
↓50分
浄心門
↓10分
高尾山駅
↓ケーブル6分+歩行5分
高尾山口駅
高尾山(表参道コース)登山ルート詳細ガイド
表参道からアプローチする
京王線高尾山口駅を出て、土産物屋や食事処が並ぶ道を歩んで行くと高尾山ケーブルカーの清滝駅が正面に。多くのハイカーと一緒に右へ進んでいこう。
簡易舗装された表参道は緑豊かな登山道が延びており少し進むと、上り勾配がきつくなってくる。息が上がってくるほどの勾配になると、左手に平坦な台地が見えてくるのでここで休憩しよう。多くの人がここで休憩をしている。
金比羅台に登る道を右に見ながら左へ、急勾配の上り道を詰めていこう。左に曲がって直線的な道になると勾配は落ち着く。右下には中央自動車道が見え、城見台という平坦地まで行けばベンチが。休日にはこの先の霞台が混雑するので、休日に行く方はここで休憩することをおすすめする。
そこからわずかに登るとケーブルカーの高尾山駅。その先に見えるのが霞台だ。高尾山登山のベースキャンプともいえるこの場所には食事処や茶店、土産物屋などが集中しており夏にはビアガーデンに変身することでも有名。
賑やかな霞台からタコ杉の前を歩き、浄心門へ抜けていく。灯籠が並ぶ道を分岐する地点まで歩いていくと、右は女坂、左は男坂へと繋がる道が。どちらを歩いても坂の先で合流するが、今回は男坂に挑戦してみよう。男坂は階段になっており、煩悩の数と同じ108段の階段を登るハードなルートになる。
薬王院から山頂を目指す
男坂を登って女坂と合流した地点にあるのが、権現茶屋。ここから薬王院までは大きなスギの木が並ぶ参道を歩いていこう。今にも天狗が現れそうな雰囲気を感じながら山門をくぐれば薬王院の境内に入る。左手にあるのが願いを胸に輪をくぐり、ご本尊様に願いが届くように大錫杖を打ち鳴らすという願叶輪潜。休日は多くの人で賑わうのだとか。
周りにある天狗像や納札堂を見ながら鐘楼の前を通って階段を登り本堂へ。ここでお参りしたら本堂脇の階段を登ろう。奥ノ院まで登ると、 その先から山道が始まる。ゆるやかな勾配を進んでいくと、立派な山頂下のトイレが見えてくる。ここまできたら高尾山山頂はほんのひと登りだ。
山頂からは3号路を下る
高尾山山頂は広く、茶店やビジターセンターなどが軒を連ねており山頂の西端からは富士山を眺めることができる。登山の休憩をするならこの山頂西端に立つ山頂標識の裏に広がる小さな広場がおすすめだ。樹木に囲まれた東屋でたっぷりと休憩したら下山にかかろう。
山頂下に建つトイレまで戻り、この前で右に下る道に入る。斜面に造られた道を進むと小さな広場に出る。この広場はいくつかのコースが交差する場所。5号路合流点といわれる箇所になる。ここを左に進むと3号路の入り口が。かしき谷園地といわれるポイントを右に入り斜面を巻くように進んでいこう。
なだらかな斜面を大きく曲がりながら歩き、新緑や紅葉がきれいな場所へ。いくつかの小さな橋を渡っていき、左上から聞こえる表参道を歩く人たちの賑やかな声を聞きながら2号路の道標が立つ分岐で左に入る。するとすぐに浄心門の脇へ出て表参道と合流する。
霞台まで下って ケーブルカーに乗る
浄心門から霞台までおよそ10分。観光地を散策するような気持ちで歩こう。往路で寄ることができなかった展望台に登って、ケーブルカーの迫力ある軌道を眺めるのもおすすめだ。また、茶店や食事処に寄ることも忘れないように。それぞれに名物があるので楽しむことができる。
今回は霞台からの下山方法をケーブルカーと設定したが、まだまだ元気が残っているようなら表参道を下ってもOK。しかし、山上駅から利用できるエコーリフトに興味が湧くようならリフトでの下山をおすすめする。空中に浮いているような感覚を楽しむことができる。
それでも表参道を下るなら金比羅台に寄っていくのがおすすめ。東側の展望に恵まれた場所で見る東京方面のロケーションは素晴らしいもの。ただし、すっきりと見通せる日は少ないのでその時の運に任せたい。下山時は登りのときに苦労した急勾配の道はそれほど負担に感じることはないので安心して。
高尾山登山カレンダー(該当月の1日)
高尾山データ
山名:高尾山(たかおさん)
標高:599m
登山適期:2月~12月
営業小屋:なし(茶店のみ)
避難小屋:なし
テントサイト:なし
水場:あり(山頂に水道)
トイレ:清滝駅、霞台、薬王院、山頂下
ビューポイント:高尾山山頂、霞台展望台
連絡先:八王子観光コンベンション協会TEL.042-643-3115
そばとムササビを堪能しに行こう
高尾山を登る上で、もっとも人気のある登山道なのがこの表参道。高尾山にはたくさんのそば処があるが、そのほとんどの店のメニューにはとろろそばがある。いまのように栄養状態がよくなかった時代、参拝に訪れた人たちに少しでも栄養のあるものをという優しい気持ちから生まれたメニューのようで、そば処を見つけたら立ち寄ってみてはいかがだろうか。
また、薬王院周辺はムササビの棲息するエリアと知られており夜になるとスギの大木から飛ぶ姿を頻繁に見ることができる。表参道だけは24時間歩くことができるため、夜中に観察に出かける人も多いのだとか。土曜の夜にでも滅多に出ないムササビウォッチングに出かけてみるのもいいかもしれない。ただし、出かける際は必ずソロではなくグループで出かけよう。
アドバイス
標高がそれほど高くない山だからといって油断していると、とんでもないしっぺ返しを食らうこともしばしば……。ここに記載している所要時間はあくまでも目安なので余裕をもって計画は立てよう。また、天候や自分の体調によっては、中止することも検討したい。山はいつまでもそこで待っていてくれる。どんなにその山が低くても、謙虚に向き合うことで、山はあなたを優しく迎え入れてくれるだろう。
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PROFILE
PEAKS 編集部
装備を揃え、知識を貪り、実体験し、自分を高める。山にハマる若者や、熟年層に注目のギアやウエアも取り上げ、山との出会いによろこびを感じてもらうためのメディア。
装備を揃え、知識を貪り、実体験し、自分を高める。山にハマる若者や、熟年層に注目のギアやウエアも取り上げ、山との出会いによろこびを感じてもらうためのメディア。