北岳 登山ルート「南アルプスの盟主に会いに行く1泊2日の山旅」

広河原→白根御池小屋→北岳肩の小屋→北岳→八本歯のコル→大樺沢二俣→広河原
[歩行時間]11時間10分 (1日目:5時間30分 2日目:5時間40分)
[技術]★★★☆☆
[体力]★★★☆☆
[レベル]中級

北岳 登山ルートへのアクセス

登山口の広河原は一般車の乗り入れが禁止されているので、マイカーの人は芦安温泉の駐車場に車を駐め、バスで広河原に行く。公共交通機関を利用する人は、甲府駅からバスを利用する。
公共交通機関:新宿駅からJR中央本線の特急を利用して甲府駅へ。ここから広河原行きのバスに乗る。

車:中部横断自動車道の白根ICから県道107号線(南アルプス街道)を経由して芦安へ。駐車場に車を置いて、路線バスで広河原に向かう。混雑時は交通誘導員の指示に従う。

ルートプランと所要時間目安

歩行時間は11時間10分。ここを1泊2日で歩きます。下山時のバスのことを考えると、初日に北岳肩の小屋か北岳山荘まで登っておくのが無難です。富士山に次ぐ高さを誇る岩山なので、初心者にはちょっと手ごわいかもしれません。しかし、それは技術面ではなく体力面のこと。高低差は1,700m。それをほぼ1日でクリアしなければならないので、体力面に自信のない人は2泊のスケジュールを組むようにしましょう。

広河原
↓3時間5分
白根御池小屋
↓3時間40分
北岳肩の小屋
↓50分
北岳
↓45分
八本歯のコル
↓1時間
大樺沢二俣
↓2時間
広河原

日程:1泊2日
歩行時間:11時間10分
歩行距離:12km
高低差:1,700m

 

北岳 登山ルートの詳細ガイド

富士山に次ぐ第二の高峰へ登る

バス終点の広河原は、南アルプス北部の交通の要衝。北沢峠へ登るシャトルバスがここに発着し、甲斐駒ヶ岳や仙丈ヶ岳を目指す人々が次々に乗り込んでいきます。彼らを見送ってここから歩き始めるのが北岳へのコースです。

広河原の登山口。このゲートを越えて北岳を目指す。そのための重要な前線基地です。

まず、野呂川沿いに見える吊橋を目指して歩く。南アルプス林道のゲートをくぐったあたりで左を見上げると、北岳の山頂あたりが垣間見ることができます。吊橋を渡り、右へ行くと、すぐにログハウス風に造られた大きな小屋の広河原山荘に出ます。ここから樹林帯のなかに延びる、岩屑が混じる道を歩きます。

20分ほどで白根御池小屋分岐に出ます。ここで大樺沢二俣経由で山頂を目指すルートを見送り、右の道へ。意外に勾配がきつい道が続く樹林帯を登っていくと、点々と木のハシゴが現れますが、ここではすべて登りに使用することになります。勾配がよりきつくなるとところどころにベンチが置かれているので、適当な場所で休憩しながら登っていきましょう。

道が大きく曲がると、勾配がゆるんできます。周囲の樹林帯に変わりはありませんが、勾配の分だけほっとしながら歩けるはず。視界をふさいでいた樹林が突然とぎれると、白根御池小屋の前に出ます。建物の前が休憩ポイントです。

北岳に登る場合、大樺沢からアプローチするよりも肩の小屋を経由したほうが展望を得られる。北岳には背の高い友達が多いことに気づかされます。

北岳登山の難所急勾配の道へ

ここから草スベリといわれる急坂を登ります。そのため、小屋の前では十分に休憩しましょう。食べ物や飲み物でエネルギーを補給するのは重要ですが、ドカ食い、爆飲みは禁物。逆に疲れて体が動きにくくなることがあります。

ほぼ垂直の壁を登るような格好になり、落石にも注意が必要です。この先で小太郎尾根に合流できるが、そこまでもこうした登りが続くことになります。

樹林帯に囲まれ展望がない、草の生えた斜面をほぼ直登していきます。左の木々の間に北岳が見えてくると左から、大樺沢二俣から登ってくる右俣コースが合流します。この先で小太郎尾根分岐に登り着く。日当たりと展望に恵まれた分岐で、休憩スペースも確保されています。

小太郎尾根から見る北岳山頂付近。

ここから稜線歩きが続きます。軽い登り基調の道で、足下は高山植物に彩られ、気持ちがいい。右側には白い山頂が目印の甲斐駒ヶ岳が見え、ひと登りで北岳肩の小屋に到着します。

ガスがかかることも多い北岳肩の小屋。ここはいつでもにぎやかで、小屋の後ろから北岳に向かう尾根道に取り付くことができます。

雲に浮かぶ高峰で昇る朝日を待つ

到着時刻が早ければ、チェックインをした後、山頂を往復するといいでしょう。ただし、本番はあくまでも明朝。ここから山頂までは50分ほどなので夜明け前には小屋を出発したいところです。細い岩稜を登ると、北岳山頂が。稜線下の斜面に造られた登山道を進めば、北岳山頂に立てます。

北岳の山頂。夏の夜明け直後なら雲海に浮いていることがあります。

山頂は広く、夜明け前後から大勢の人で混雑することもあります。間ノ岳方面から登ってくるのは、北岳山荘に泊まった人たちです。足下には雲海が広がり、その上に富士山が頭を出し、雲海が下がっていくと北アルプスや中央アルプス、甲斐駒ヶ岳や鳳凰三山などが顔を出します。時間の許す限り、のんびりするといいでしょう。

広河原への下山は別ルートをたどる

北岳山頂からは八本歯のコル方面へ下ります。高度感のある岩稜を下ると、間ノ岳方面と八本歯のコルへ下る道との分岐に到着。ここから眺める間ノ岳とそこに続く稜線の景色は、ぜひカメラに収めておきたいところ。稜線に建つ北岳山荘が、格好のアクセントになり、だれでも映える写真をものにできます。

北岳の山頂から南へわずかに下ると、間ノ岳方面が眺められます。稜線がはっきり見えている。少しだけ北岳山荘の赤い屋根も見える。

この分岐を左へ下ります。分岐からの下りは岩場になり、右に北岳山荘に向かう道を分けた後、木製のハシゴや階段などを登り下りするようになります。階段やハシゴの間はザレていることが多いので、滑らないように注意しましょう。登ってくる人も多いですが、すれ違いができるハシゴや階段は少ないため、待つ時間も多くなります。時間に余裕をもつようにしましょう。

八本歯のコル手前に長い階段下りがあります。八本歯のコルは狭いので、譲り合いながら休憩しましょう。ここからまっすぐ下る道は上級者向けなので、広河原へ向かうため左へ進ます。八本歯のコルからしばらくハシゴと階段下りが続きますが、危ない箇所はありません。

ほぼ垂直に下ることになり、登るときも下りでも必ず三点支持の状態を崩さないような行動を取る必要があります。ハシゴ上でのすれ違いはできません。

北岳バットレスの手前からは落石に注意。大小の石が転がるエリアで、ここをすぎると、夏の早い時期なら雪渓を下ることもあります。年によっても残雪の量や時期が異なるので、事前に確認しておきましょう。残雪エリアを抜けると、河原のようなところを下ります。大樺沢二俣は休憩ポイントで、トイレがあります。岩に腰掛けて休憩しよう。

ここから、相変わらず大きな岩が転がる河原下りが続き、ザレた部分が多くなると、勾配はゆるんできます。基本的に左岸のザレを下りますが、登山道崩落のため右岸、左岸を行き来することも。その場に応じて、対応しましょう。

土の道に変わると、ほどなく白根御池小屋分岐に出ます。ここからは来た道を逆にたどれば、ゴールの広河原は、もう目と鼻の先です。

北岳 登山カレンダー(該当月の1日)

 

北岳 山データ

標高:3,193m
登山適期:7月上旬~10月上旬
営業小屋:広河原山荘、白根御池小屋、北岳肩の小屋
避難小屋:なし
テントサイト:あり
水場:各小屋
トイレ:大樺沢二俣、各小屋
ビューポイント:北岳山頂
連絡先:南アルプス市観光商工課(TEL.055-282-6294)、山梨交通バス(TEL.055-223-0821)

 

登山を楽しむ皆さんへ

北岳に登る場合は体力が必要ですが技術は必要なし。しかし下る場合は体力も技術も必要になってきます。体力がなければ時間がかかるということになります。白根御池小屋からの登りは体力が必要ですが、なければ時間をかければいいということ。余裕をもった行程を組みましょう。

八本歯のコルから大樺沢二俣の雪渓は傾斜が強いため注意が必要。通常はアイゼンを装着しないが、もし転倒してそのまま雪渓を滑り落ちたらどうなるか。想像するだけで冷や汗が出ます。この雪渓を下るとき、慣れていないようであればアイゼンを装着して下るようにしましょう。トレッキングポールは必需品です。

出典

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PEAKS 編集部

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装備を揃え、知識を貪り、実体験し、自分を高める。山にハマる若者や、熟年層に注目のギアやウエアも取り上げ、山との出会いによろこびを感じてもらうためのメディア。

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