BRAND

  • FUNQ
  • ランドネ
  • PEAKS
  • フィールドライフ
  • SALT WORLD
  • EVEN
  • Bicycle Club
  • RUNNING style
  • FUNQ NALU
  • BLADES(ブレード)
  • flick!
  • じゆけんTV
  • buono
  • eBikeLife
  • Kyoto in Tokyo

STORE

MEMBER

  • EVEN BOX
  • PEAKS BOX
  • Mt.ランドネ

タイプ別トレッキングシューズ徹底比較

トレッキングシューズはなにが違うのか?ローカットとハイカットなどは見た目に違いがわかりやすいが、設計思想によってディテールにも違いがある。その見定めるポイントを解説しよう。

トレッキングブーツの種類

ライトアルパインブーツ

ラ・スポルティバ トランゴタワーGTX/重量:700g(EU42、片足)

10年ほど前から増えてきたタイプ。岩登り用に開発されたかつてのクレッターシューズとトレッキングブーツのよいところを合体させたような特徴をもつ。

バックパッキングタイプ以上に剛性の高いソールを備え、岩場や雪渓には無類の対応力の高さを誇る。一方でアッパーは比較的軽めの設計。傾斜の強い場所でも足運びが軽快にできるようになっている。歩行性は低めのため低山には向かない。

【特徴】
・ほとんど曲がらないソール
・クランポンに対応
・フィット感重視の足型

【向いている場所】
・北アルプスなど、岩場や雪渓が多い山
・残雪期登山

【向いている用途】
・岩稜縦走
・アルパインクライミング

バックパッキングブーツ

ローバー ティカムⅡ GT/重量:820g(UK8、片足)

一般的にトレッキングブーツといえば、このクラスを指す。くるぶしを完全に覆うハイカットで、アッパーもソールも剛性高く作られているので、重荷を背負ったときでも安定感が高い。

3,000m級の縦走に最適であるだけでなく、 1,000m以下の低山で使ってもそれほど違和感がないため、使用範囲が広く、最初の1足に選ぶならこれが無難だ。片足500〜800gほどのモデルが主流で、重いものほど安定感が高い。

【特徴】
・くるぶしを覆うハイカット
・防水性は万全
・皮革製と化学素材製がある

【向いている場所】
・2,000〜3,000m級の縦走路

【向いている用途】
・テント泊縦走
・日帰り登山

ミッドカットブーツ

ハイカットとローカットの中間的な高さの履き口を備えることで、両者のメリットを兼ね備えるタイプ。適度な保護性と適度な軽快感があるため、荷物の少ない日帰り登山などにはベストマッチ。

脚力の強い人なら北アルプス縦走でも使える。ただしモデルによって差が大きく、ローカットシューズのように軽快なものからハイカット並みの堅牢性をもつものまであるので、購入時は要注意だ。

【特徴】
・低めに設定された履き口
・ほとんどが防水性を備える
・片足500g前後が主流

【向いている場所】
・標高2,000mくらいまでの比較的おだやかな登山道

【向いている用途】
・日帰り登山
・ファストパッキング

ローカットブーツ

サロモン オデッセイトリプルクラウン/重量:344g(27.0cm、片足)

重荷を背負ったときの安定性や足の保護性などよりも、軽快な脚さばきを重視したタイプ。ランニングシューズをオフロード用にしたトレイルランニングシューズと、トレッキングブーツをベースにローカット化したアプローチシューズのふたつの流れが現在の主流だが、そのどちらにも立脚しないような新しいタイプのローカットシューズも登場している。

写真のモデルも、ロングハイクを主目的にしたもの。

【特徴】
・くるぶしを覆わない高さ
・防水性は備えないものも多い
・モデルによって用途がかなり異なる

【向いている場所】
・樹林帯の比較的整備されたトレイル

【向いている用途】
・トレイルランニング
・簡単な日帰りハイキング

歩行の安定性を比べる

登山道は路面がフラットであることは少なく、登り下りの傾斜があったり、石が転がっているなどして荒れている。そういう場所をランニングシューズのような靴で歩くと、慣れていない人は足に負担がかかって疲れやすくなってしまう。重荷を背負っていたりするとなおさらだ。

そのためにトレッキングブーツはハイカットにして足首をサポートし、前後左右にバランスを崩しても足に負担がかかりにくいようにしてある。足首の固定力の強弱は、荒れた路面で安定して歩けるか否かのバロメーターになるのだ。

足首の動かしやすさ

4つのカテゴリーの違いが見た目にもっともわかりやすいのがこの部分。当然、足首を高い部分まで覆うものほど固定力が強く、不整地を歩いたときの疲れを軽減してくれる。

ただし一方で、固定力が強いと、スピードを上げて歩いたり、足先のテクニカルなコントロールはしづらくなる。そのため、脚力と技術がある人は柔軟な靴を好む傾向にある。

ライトアルパインブーツ

このクラスは足首を動かしやすい構造にしているものが多い。ものによってはミッドカット並みの柔軟性だ。

バックパッキング

もっとも足首の固定力が強い。くるぶしまで完全に覆い、前後左右への動きをがっちりサポートしてくれる。

ミッドカット

ハイカットの固定力を残しつつ、ローカットの軽快感も追求したクラス。比較的おだやかな路面に向く。

ローカット

ご覧のとおり、足首の自由度は群を抜く。脚力のある人なら、安定性よりもこの柔軟性の高さが魅力となる。

足首の作りが違う

足首の固定力の強弱は、足首を覆う部分の物理的な面積と、その素材や構造によって決まる。それぞれの違いはほぼ見た目どおりで、高さの違いイコール固定力の違いだ。

注意が必要なのはライトアルパインタイプ。これは部材の巧みな配置などによって、足首をあえて動かしやすい構造にしているものがある。

ライトアルパインブーツ

高さはあるが、構造的に柔軟な作りにしてあるものが多い。細かい足さばきも可能にするためだ。

バックパッキング

十分な高さのハイカット仕様で足首をがっちり固める。とくに横方向のブレを防ぐような構造だ。

ミッドカット

足首部分のシューレースフックを1個あるいは2個に抑え、足首を固定しすぎないようにしている。

ローカット

足首のサポート性はないに等しいが、履き口周辺のパッドで多少のサポート性をもたせたものもある。

平地の歩きやすさを比べる

踏み固められて安定した登山道。しかも急登でも急な下りでもないようなおだやかな地形。登山中歩いている時間がいちばん長いのが、こういうシチュエーションだ。そこでの歩きやすさにもっとも関係するのが、靴の硬さ。より正確にいえば、ソールの硬さとアッパーの剛性だ。

これがやわらかい靴であるほど歩きやすく、硬い靴ほど歩きづらい。もうひとつ、ソールの形状も関係する。ここに注目するだけでも、その靴が平地の歩きやすさを重視したモデルであるのかそうでないのかが、ある程度判断できる。

靴の硬さが違う

それぞれの違いがかなりはっきりと出る部分だ。ここを確かめてみるだけでも、その靴がどういう用途を想定しているのかはだいたいわかる。

これは靴を持って思い切り曲げてみるだけでもある程度違いがわかるが、実際に履いて踏み込んでみるのがいちばん判断しやすい。購入時には確かめたいポイントだ。

ライトアルパインブーツ

思い切り踏み込んでもほとんど曲がらないほど硬いソールを備えている。当然、歩行感も硬くなる。

バックパッキング

基本的に硬いが、ソールに適度なしなりをもたせているために、自然な足運びがしやすくなっている。

ミッドカット

全体をやわらかく仕上げたモデルが多いため、低めの足首による自由度の高さもあいまって歩行感は高い。

ローカット

一部に例外もあるものの、基本的にソールもアッパーもやわらかく、走ることにも対応してくれる。

ソールの形状が違う

ソール、とくにつま先部分の形状も歩きやすさに大きく影響するポイントだ。歩行の軽さを重視したモデルは、反り上がったつま先形状にすることで、足の自然なローリングを促すようにしてある。

また、ソールのエッジ部分を丸めたラウンド形状にすることでさらなる歩きやすさを追求しているモデルもある。

ライトアルパインブーツ

反り上がりが少ないフラットな形状のソールを備えているため、歩行時にカカトが上がりにくい。

バックパッキング

つま先が反り上がり、エッジも丸めてあるためにカカトが自然に上がり、足運びがしやすくなっている。

ミッドカット

バックパッキングモデルと同様なソール形状が多いが、靴全体がやわらかいため、さらに歩きやすい。

ローカット

靴全体のやわらかさで歩行性を上げているため、ソール形状はそれほどラウンドしていないものも多い。

岩場の登りやすさを比べる

平地を歩きやすい靴は、岩場などの急傾斜地は登りづらく、その逆も真。このふたつの性能はトレードオフの関係にあるといえる。だから岩場の少ない樹林帯の山を中心に登っているならライトアルパインタイプを選ぶのは間違っているし、剱岳や穂高岳に行きたいならやわらかい靴を選ぶのは不利になる。

足裏全体で接地できないような状況でも安定していることが、岩場を登りやすい靴に求められる性能なのだ。具体的にどういうポイントがその機能差を左右をするかというと、ソールの硬さや形状、材質だ。

つま先の硬さが違う

岩場では、足裏全体で接地できず、靴の前半分だけを足場にかけて立ち上がっていかないといけないようなケースが多い。

やわらかい靴でこれをやろうとすると足の力が必要になり、長い登りや下りでは疲れやすくなってしまう。岩場を重視するなら、購入時に店頭で、写真のように段差に立って確かめてみよう。

ライトアルパインブーツ

ソールが硬く、エッジも立っているため、数センチしかソールをかけていなくても立ち上がることができる。

バックパッキング

足の前半分くらいなら問題ないが、それより小さい足場だと、靴がヨレてしまって立つことができない。

ミッドカット

ヨレがさらに激しくなるため立ちづらい。写真のモデルはソール形状がシャープなため、まだましなほうだ。

ローカット

ランニング系のシューズは岩場は非常に登りづらいが、アプローチ系のシューズは岩場にも強い。

ソールの形状と素材が違う

つま先部分に注目。岩場の登りやすさを考慮した靴は、「クライミングゾーン」と呼ばれるフラットなパターンを備えている。

一方、ミッドカットやローカットの靴は、岩場性能の低さを補うため、メガグリップなどの粘着性の高いゴムを採用しているものも多い。ただし、粘着性の高いゴムは減りも早い傾向にある。

ライトアルパインブーツ

つま先の平らな部分がクライミングゾーン。わずかにカーブしたソール形状にも注目。

バックパッキング

つま先部分は多少パターンを変えているが、全体のバランスを重視したソールパターン。

ミッドカット

フリクションの高いゴムを採用し、形状もエッジーに。ミッドカットにしては岩場向き。

ローカット

ラウンドした形状で、岩場での安定性はあまり重視していないタイプのソール。

雪渓の歩きやすさを比べる

白馬岳や針ノ木岳など、雪渓のルートを登るなら見逃せない部分だ。これも岩場の登りやすさと同様で、基本的に硬い靴のほうが雪渓での安定性は高くなる。やはり歩行性の高さとトレードオフになる部分なので、自分が登る山をよく考えてバランスを見極めたいところ。

ちなみに、10本歯以上のクランポン装着を想定して設計されているのはライトアルパインタイプのみ。ほかは基本的にクランポン装着は想定されていない。本格的な雪渓を歩くのならば、ライトアルパインタイプが圧倒的に有利だ。

カカトの形状が違う

カカトにコバがあるか否かが、もっともわかりやすい違い。コバがあるものはクランポン装着を想定しており、ということは、雪上での安定性も重視した靴ということ。

コバがあるモデルは、外見上の違いだけでなく、クランポンを付けてもヨレないような十分なソールの硬さも備えている。

ライトアルパインブーツ

右端の凹んだ部分(写真の赤いパーツ)がクランポン用のコバ。このクラスには必須。

バックパッキング

コバはないが、雪面を踏み込んでも力が逃げにくい形で、ある程度の雪上対応力を備える。

ミッドカット

ややラウンドした形状で、カカトで踏み込んだときに力が逃げて滑りやすくなってしまう。

ローカット

つま先だけでなくカカトも反り上がったロッカー形状。歩行性は高いが雪上では不安定。

ソールのエッジが違う

雪上歩行の安定性向上にもっとも重要なのが、ソールのエッジとブロックパターンの形状だ。ソールのエッジが鋭角に立っているものは雪への食い込みがよくグリップ性が高い。

とくにつま先とカカトがシャープなものほど雪上では安定する。そしてブロックパターンが深いものほど、雪の排出性がよく滑りづらい。

ライトアルパインブーツ

ビシッと立ったエッジが雪面に食い込み、安定性を高める。蹴り込むキックステップもやりやすい。

バックパッキング

ブロックパターンの深さは十分だが、エッジは部分的にやや丸めて、歩行性の高
さを優先した形状。

ミッドカット

エッジの形状、ブロックパターンの深さともに雪上向き。ミッドカットにしては本格的なソール形状。

ローカット

ラウンドしたエッジに浅いソールパターン。雪上歩行はほとんど想定していないソール形状だ。

 * * *

登山を楽しむコンテンツが毎月届く
メンバーシップ「PEAKS BOX」が登場!

PEAKS最新号を毎月ご自宅にお届けします。さらにバックナンバーの電子書籍も読み放題で、どこにいても山の情報にアクセスが可能に! 会員限定ノベルティとしてオリジナルギアも準備中です。

登山にとことんハマれるサブスクリプション体験を始めてみませんか?

PEAKS BOX 詳細はこちら

出典

SHARE

PROFILE

PEAKS 編集部

PEAKS 編集部

装備を揃え、知識を貪り、実体験し、自分を高める。山にハマる若者や、熟年層に注目のギアやウエアも取り上げ、山との出会いによろこびを感じてもらうためのメディア。

PEAKS 編集部の記事一覧

装備を揃え、知識を貪り、実体験し、自分を高める。山にハマる若者や、熟年層に注目のギアやウエアも取り上げ、山との出会いによろこびを感じてもらうためのメディア。

PEAKS 編集部の記事一覧

No more pages to load