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筆とまなざし#157「笠置山に眠っている、宝物を探しに」

 冬支度の前の笠置山。友人とのクライミングにて。

恵那山も雪化粧し、遠くにのぞむ中央アルプスは真っ白。笠置山でも雪がチラつき、道路を横切るリスは松ぼっくりをくわえて冬支度をしていました。少し寒さが和らいだ週末、高山に住む友人が笠置山へクライミングに来るというのでいっしょに行くことにしました。

広範囲に広がる笠置山クライミングエリアですが、ほかの場所よりもアプローチが遠くて最近めっきり人が訪れなくなった場所があります。そこにぼくが初登したとてもおもしろいボルダー課題があるのですが、その左に前傾したクラックがあることは以前から知っていました。ボルダーでやるには高さがあるし、下には大きな岩が横たわっています。しかも上部がワイドクラックになっていて、どうやって登るのかと気になっていたのです。しかし登らないまますでに数年がすぎていました。先々週、偶然にも友人がそのクラックを見つけてさっそく先週トライしたとのこと。今週もリベンジに来るというので、ぼくも便乗したというわけです。

友人が思い出させてくれた、魅力的なラインを満喫して。

久しぶりに訪れると、天気の良い日曜日にも関わらず、あたりには数人のボルダラーと友人たちしかいませんでした。改めてそのクラックを見てみます。高さは6mほどでしょうか。下の岩がなければボルダーでもいいですが、やはりロープをつけたほうが無難でしょう。全体的にかぶっていて、最初に拳をグーにしたフィストがきまり、シンハンド、ハンド、そしていちばん傾斜の強い部分でワイドクラックになっています。ただ、左面には壁があり、スタンスを使うこともできそうです。ワイド登りをしなくても登れるかもしれません。

ウォーミングアップを終えてから早速トライ。出だしで少し手間取りながらも登っていきますが、核心の抜け口で指先が冷え切ってしまいました。最後のプロテクションが遠く、かじかんだ手で突っ込むことができずにテンション。その後トライした友人は先週のイメージどおりのムーブで完登。このルートの初登を果たしました。ほかのメンバーも登り、ぼくも2回目のトライで完登。短いながら味のあるおもしろいルートとなりました。

いつの間にか忘れ去っていたクラックを、友人が思い出させてくれ、いっしょに登ることができました。その価値とおもしろさを共有できた時間の楽しかったこと。友人に感謝しなければいけません。魅力的なラインは、山に隠された宝物のようなもの。まだまだこの山には宝物がたくさん眠っているはず。もうじき本格的な雪の便りが届きます。笠置山が雪に覆われてしまう前に、新しい宝物を探しに出かけたいと思います。

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PROFILE

成瀬洋平

PEAKS / ライター/絵描き

成瀬洋平

1982年岐阜県生まれ。山でのできごとを絵や文章で表現することをライフワークとする。自作の小屋で制作に取り組みながら地元の笠置山クライミングエリアでは整備やイベント企画にも携わる

成瀬洋平の記事一覧

1982年岐阜県生まれ。山でのできごとを絵や文章で表現することをライフワークとする。自作の小屋で制作に取り組みながら地元の笠置山クライミングエリアでは整備やイベント企画にも携わる

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