筆とまなざし#160「年の瀬の恒例行事、餅搗き。そして新年本格始動へ」
成瀬洋平
- 2020年01月10日
年末の恒例行事と、2020年のこと始め
2020年、新しい一年が始まりました。年末は実家での餅搗きに始まり、大掃除、九州へのクライミングトリップ。年が明けて元旦は瑞浪の岩場で初登りをし、2日からの3日間は妻の両親の住む大阪へ行き、5日は年末から干しておいた大根で漬物作り。6日は今年最初のクライミング講習会を行ない、ようやく日常生活が戻ってきました。
臼と杵を使った餅搗きは、物心ついたときからの成瀬家の恒例行事です。薪を使ってかまどで餅米を蒸し、ペッタンペッタンと昔ながらのやり方で餅を搗く。そうするといよいよ年末の気分になってくるのです。毎年搗くお餅は「ボロ餅」と「豆餅」。「ボロ餅」とは少々かわいそうな名前ですが、餅米にうるち米を混ぜたもので少しボロボロしていて米粒が残るのが特徴。柔らかすぎない食べ応えのあるお餅です。そして「豆餅」は一般的な豆餅とは少し違う、成瀬家独特のお餅です。砂糖と醤油で煮た大豆をお餅に搗き込んだもので、曽祖母が考案したと伝えられています。「我が家の味」として真っ先に思い浮かぶのがこの「豆餅」。祖父が遺した煮豆のレシピを元に豆を煮るのは父親の役目で、それを搗くのはぼくら兄弟の仕事。そして今回は小学校二年生になった姪っ子がお餅を返す役目を一人前に果たしました。曽祖母から祖父母へ、父母へ、そしてぼくら兄弟から姪っ子へ。これまであまり意識したことはなかったけれど、そのようにしてたしかに家系に伝わる伝統が受け継がれている。そう感じることのできた年末でした。
さて、正月太りした体に喝を入れ、今年も本格始動です。夏にはイタリアのドロミテへのクライミングトリップを計画中。仕事でも新しいことにどんどんチャレンジしていきたい。そして日当たりの悪い家をどうにかしたいというのも今年の目標。いい空き家を見つけられるか、いっそのこと自分たちで小さな家を建て始めるか……そんなお話も綴っていきたいと思っています。今年もみなさんにとって幸多い一年になりますように。本年もどうぞよろしくお願いいたします。
SHARE