筆とまなざし#165「地元瑞浪でクライミングトリップ。クラック三昧の3日間」
成瀬洋平
- 2020年02月18日
瑞浪の岩場でクライミング講習。人生を謳歌されるご婦人方とすごして。
車で40分ほどの場所にある瑞浪の岩場は身近な岩場です。南向きで冬でも比較的暖かいため冬場の講習ではメインエリアとなっています。当然いつも日帰りなのですが、先週は木曜日から土曜日まで三日間講習会を行ないました。なぜ三日間だったのかといえば、関東から5名もの方々が参加してくれたからです。年末、友人ガイドの講習会を手伝ったおりに「瑞浪に行ってみたい」という話になり、今回のクライミングトリップが実現。みなさん50代から70代の女性なのだけれどとってもパワフル。なかにはガイドさんといっしょに国内でのクライミングや登山ははもとよりモンブランに登ったことのある方もいればドロミテやギリシャへクライミングツアーに行った方もいました。
今年は暖冬……とはいえ、当日は最強寒波という日。最高気温は一桁台前半です。さすがに瑞浪も寒いかもしれない。少々心配していたものの、そんなことは無用なほどポカポカ陽気。燦々と降り注ぐ日差しのなかでクライミングを楽しむことができました。
短いながら個性的で難しいクラックが多い瑞浪。せっかくここまで来てもらったのだからとクラックを中心に登りました。クラックはジャミングなど特殊な技術が必要なので、みなさんもうすでにあちこちで登られているのだけれど、テーピングの巻き方から基礎となるジャミングのポイントを説明。フィンガー、ハンド、ワイドハンド、フィスト、ワイド、チムニー……三日間かけてあらゆるサイズのクラックを登りました。極め付けは「ひばりチムニー(5.7)」。最初は体がなんとか入るワイドクラックから始まり、徐々に広くなっていっていくルートです。ズリズリズリズリ……肩、背中、腰、お尻、膝など体のあらゆるところをクラックの中で使ってスタックさせながら這うように登っていくワイドクラック。普段、なかなか登る機会がないと思うのでワイド入門に奮闘していただきました。
クライミングはもちろんですが、楽しかったのは毎日の夕食。みなさんとてもポジティブで人生を謳歌されているごようすに、こうあらねばなと自分にとっては人生勉強でもありました。講習会参加者の多くはご年配の方が多いのだけれど、その都度そう思います。クライミングの講習をしつつ、じつはいちばん教えてもらっているのは自分なのかもしれません。そんな人たちと出会い、そんな風に思うきっかけをくれるのもクライミングなんだなぁと改めて感じた3日間でした。5月にはホームエリアの笠置山にも来てくださるとのこと。みなさんとの再会が、いまからとても楽しみです。
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