長谷部雅一さんの山道具収納術
PEAKS 編集部
- 2020年02月27日
ネイチャーガイド・長谷部雅一さんの山道具収納術を紹介。収納で意識したことは「時間の節約」。整理整頓に役立つ自作の収納棚など、工夫が凝らされている。
アウトドア志向の原点は幼少時代の秘密基地
国内はもとより、国立公園を訪ねながらの米国一周など、学生時代から世界中のさまざまなフィールドを旅してきた長谷部さん。1999年には、南米最高峰アコンカグアに登頂。2000〜2001年にかけてはユーラシア大陸を経てアフリカへ、さらに南米パタゴニアから中・北米へとめぐる世界一周の旅をした。
「子どものころから自然のなかで遊ぶことが大好きでした。とくに秘密基地を作るのが好きで、自分たちで作った基地でよく遊んでいました。初めて野宿したのもそのころ、小学校の低学年だったと思います」
秘密基地には豆電球を使った自作の電灯も設置するなど、子どものころから不便な状況を創意工夫して楽しむことに長けていた。「ボーイスカウトに入って、山や沢、さまざまなアウトドアフィールドでの経験をしました」
アウトドアの基本はすべてこの時期にボーイスカウトの師匠に学んだという。そんな経験を軸とした長谷部さんは、先に紹介した世界一周の旅を終えたあと、「自然・人・社会のよりよい繋がりを育む」をモットーとしたビーネイチャースクールに就職。現在は、仕事柄、ほぼすべての週末をフィールドですごしている。
「子どもができたのを機に、郊外に引っ越したんです。子どものこともあり、通勤時間が多少長くなってもできるだけ自然環境の良い場所を選びました。それから家の中でもアウトドアの感覚ですごしたい。それで秘密基地テイスト、自然な感覚をできる限り取り入れました」
リビングの天上を見上げると、フックを自由に設置できる柱が組み込まれ、右下の写真のようにハンモックを吊るすことができる。壁や床はすべて木目調で、自然感覚にあふれている。
また、部屋の一面は大きな窓になっており、ここからテラスと芝生のある庭へと直行可能。晴れた日には、食事やお茶をするなど、家族でくつろぐ時間をすごせるぜいたくな空間が広がっている。
「家にいる時間がなかなか取れない。週末もほとんど仕事で出てしまうので、せめて家にいるときは子どもたちとともにすごしたい。雨の日でも外にいるような感覚を楽しめるような雰囲気を目指しました。もちろん、奥さんに許される範囲で(笑)」
プライベートでの家族旅行は、季節ごとに2回行ければラッキー。フィールドへ行って帰宅、帰宅してはまたフィールドへ、という生活サイクルを繰り返している。毎回、それぞれの仕事内容に合わせたアウトドアギアを厳選し、パッキング。帰宅後には清掃とメンテナンス……。長谷部さんの仕事は尽きない。
「山やキャンプなど、いろいろなフィールド活動をするので、目的に合った道具をスムーズに選べるよう分類して収納しています」
収納スペースは、仕事部屋の壁面に設置した収納棚がメイン。そのほかにも子ども部屋の一角を間借りしてバックパックやウエア類などを置いている。
収納棚は自作したもので、製作費はおよそ1万2000円。サイズは縦(床から天井まで)が約2・25m、横が約3m(壁2面分)。重いものや大きなものを下側に入れるため、各棚の幅は下段のほうが広くなっている。適度に間仕切りを入れて、アイテム別に分類収納。細かいものは個別のボックスに入れている。
「とにかく意識したことは、時間の節約です。準備も片づけもスムーズにできるように。山行後も、疲れていても元に戻すようにしています」
実際、最短時間でシステマチックに準備ができるようになり、忘れ物の防止にも繋がっているという。「収納棚を作ってからは、かなり効率がよくなり、楽になりましたよ」
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文◎山本晃市 Text by Koichi Yamamoto(DO Mt. BOOK)
写真◎後藤武久 Photo by Takehisa Goto
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PROFILE
PEAKS 編集部
装備を揃え、知識を貪り、実体験し、自分を高める。山にハマる若者や、熟年層に注目のギアやウエアも取り上げ、山との出会いによろこびを感じてもらうためのメディア。
装備を揃え、知識を貪り、実体験し、自分を高める。山にハマる若者や、熟年層に注目のギアやウエアも取り上げ、山との出会いによろこびを感じてもらうためのメディア。