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「横尾山荘」北アルプスの山小屋完全ガイド

登山者にとって快適な山歩きを楽しむための心強い味方、山小屋。館内施設や食事、成り立ちや売店メニューなど、山小屋の膨大な情報を集約しているので、山行計画に役立つこと間違いなし!

槍・穂高への発進基地

上高地から平坦な道を徒歩約3時間。観光客でもぎりぎり来られる場所に横尾山荘は建っている。ここから先、道は3方向に分かれ、それぞれ蝶ヶ岳、槍ヶ岳、涸沢に向かっている。

いずれもそれまでの道とは違って、道幅は狭く、傾斜は強くなり、完全に「登山」の領域に入っていく。横尾山荘は、上高地観光と登山の境界線に立地している。

もともとは、ここからさらに1時間ほど奥に行った場所に1931年に建てられた「一ノ俣小屋」が起源。それが火災で焼失し、水害などもあって現在の場所に「横尾小屋」として移ったのが、戦後すぐの1947年。のちに「横尾山荘」と改称し、現在へと至っている。

1955年に現地製材で建てられた客室棟は50年以上使用されていたが、2008年に改築された。それが、冒頭の写真の奥に見える建物だ。

上高地から3時間という立地のよさと、梓川沿いで水が豊富なことから、旅館に近い設備・サービスが横尾山荘の特徴。観光客にも登山者にも利用しやすい。

槍・穂高に向かうときの前泊にもいいし、最終日にここで泊まれば疲れもきっととれる。

横尾山荘の魅力ベスト3

No.1 山でこんな風呂に入れるなんて

梓川沿いで水が豊富な横尾山荘では、「悠湯館」と名付けられた別棟のお風呂を完備。貴重品ロッカーまで備え、どこかの温泉センターと見まがうような完璧かつ清潔な設備で、水質保全のためシャンプー・石けんが使用禁止になっていることを除けば、ここが山だということを忘れてしまうほど。タオルを持っていなかったとしても、受付時に渡されるので問題なし(入浴は宿泊者専用)。

No.2 広場は登山者のオアシス

広々とした山荘前は、ベンチやトイレ、ジュースの販売機などもあり、槍・穂高などの行き帰りの登山者にとって格好の休憩場。いつもにぎわっている。本館1階は売店や外来食堂になっているので、昼食をここでとる人も多い。

No.3 ヨーロッパ風のお弁当

山小屋のお弁当というと和風のものがほとんどだけど、横尾山荘はパン。ご主人がヨーロッパアルプスに行ったときに現地のお弁当が気に入って、このスタイルを始めたとのこと。内容は年によって変わることもある。

館内施設

旅館のような部屋

畳敷きの和室が6室。2008年に建て替えられた新しい客室棟ということもあり、山小屋とは思えない快適すぎる空間だ。

公衆電話あります

携帯電話がつながらないときのために、公衆電話はありがたい(テレホンカード専用)。

何畳あるの?大広間

ふだんは談話室として開放されている大広間。山荘の歴史を語る写真や、昔の梁なども見られる。

公衆トイレ

環境省が設置。山荘の横にあり、槍・穂高に登った人は一度は寄ったことがあるはず。

冬期避難小屋

森林管理署が設置した小屋。公衆トイレのすぐ横にあり、冬季のみ開放されている。

食事

朝食

おかずは焼きサケ、卵焼き、ハム、れんこん、ポテトサラダ。小鉢はヒジキと大豆の煮付けなど。ご飯はもちろんおかわり自由。

夕食

メニューの一例。チキンのトマトソースがけはブラックペッパーがきいていて、非常にウマイ! 小鉢のイカとサトイモの煮付けも美味。

お土産・売店

本館にある外来食堂。自然光が差し込む明るい雰囲気で食事が楽しめる。横の売店ではバッジ、バンダナ、スタッフバッグなどのオリジナルグッズや、タイルアート(4,000円)なども販売。

部屋

寝室は上下二段、定員8人のベッド部屋が中心となる。ベッドはカーテンで仕切られているので個室感覚で使用できる。1974年建築の本館も同じ仕様で、混雑時はそちらも利用される。

洗面所・トイレ

清潔で快適に利用できる館内トイレ。洗面所は、鏡や手洗い用の石けんも完備。一般の旅館と変わらない設備だ。

テント場

登山者だけでなく、前穂高や屏風岩を登るクライマーにも愛されるテント場。

DATA
設営数:100張
利用料:700円/人
水場:給水施設あり
小屋からの距離:徒歩1分
地面:土/草地
トイレ:外来トイレ利用

「横尾山荘(よこおさんそう)」の基本情報

設備

テン場:あり
水場:あり
個室:なし
自炊室:なし
乾燥室:あり
お風呂:あり
生ビール:なし

営業期間

4月下旬~11月初旬

電話・電波

ドコモ:通話困難な場合が多い
au:不安定
ソフトバンク:通話困難な場合が多い
公衆電話:あり

収容人数

250人

標高

1,620m

宿泊料金

1泊2食:10,000円
素泊まり:7,000円〜
お弁当:1,000円

連絡先

0263-95-2421
www.yokoo-sanso.co.jp

※2018年2月現在の情報です。営業時間や定休日などは変更となる場合がございますので、お出かけ前にご確認ください。

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PROFILE

PEAKS 編集部

PEAKS 編集部

装備を揃え、知識を貪り、実体験し、自分を高める。山にハマる若者や、熟年層に注目のギアやウエアも取り上げ、山との出会いによろこびを感じてもらうためのメディア。

PEAKS 編集部の記事一覧

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