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ムーンライトギア店長 服部さんの山道具収納術

「ウルトラライト」なアウトドアをコンセプトに、新しい山のすごし方を提案するショップ「ムーンライトギア」の店長・服部賢治さんの山道具部屋を紹介。

〝見える”収納で出発準備もスピーディ

背後に山々を抱えた豊かな自然環境。部屋の窓からは、すり鉢状の小さな公園の緑が見える。「このエリアは有名なトレイルランナーやアウトドアマンがけっこう住んでいるんですよ」と語る服部さんの自宅は、公園を眺める木製バルコニー付きマンションの1階。ベランダにはハンモックと七輪が置かれている。車で10分も行くと高尾山。服部さんは、平日はほぼ毎日高尾山に入り、軽く走ってから出勤する。

アルコールストーブのセットやボトル、クッカー類。行き先や人数、食事によって使い分ける。

彼が店長を務める「ムーンライトギア」のコンセプトは、軽装備を重視したウルトラライトなアウトドアの提案。「仕事柄、取り扱い商品を実際に使って、機能・性能を試さなくてはいけないことも多々あるので、複数持ているものは、工夫して収納しています」

自宅には自作の木製棚を設置したギア部屋があり、幅広いアイテムが整然と並べられている。部屋を埋め尽くすというわけではなく、きちんとコーナー分けされ、どのアイテムもシンプルに収められている。

フロアレスシェルターやビヴィサックなど、軽量な幕営道具が並ぶ。

「スタイルの基本は、より荷物を軽くして、より早く行動すること。毎週末、出かける先はシーズンやその日の天気などによって直前に決めることも多いので、思い立ったらこの棚からささっとギアを取り出せるようにしています。パックに詰めたら準備OK、即出発できます。片づける際も、そのまま棚に戻すだけ。見える収納は行動しやすくて便利です」

多孔ボードにフックを掛けたパック収納ボード。横にはスプリットボードがたてかけられている。

パックは、さまざまなフックを使って多孔ボードに吊り下げ収納しているが、それらすべての中にスリーピングバッグやテントを入れているという。袋のスペースを有効活用し、省スペース化を実現しているのだ。

また、履きつぶしてしまっても、お気に入りのトレランシューズは捨てずに、ヒモを束ねてS字フックでぶら下げている。ハンギングで植物を吊り下げたり、有名サーファーのサイン入りTシャツをさりげなくディスプレイにしていたりと、センスのよさが光るギア部屋だ。

ULハイキング用トレランシューズ、クライミング用シューズなどは複数を積み上げて空間を無駄なく使っている。

今回の想定コースは、スペインのオルデサ国立公園。「スペインの北端、フランスとの国境沿いにあり、今年の秋に新婚旅行で妻とULハイキングをしてきました。氷河が後退し岩が削れ、長い時間をかけて形づくられた渓谷の景色は圧巻でした」

クライミング用ロープやカラビナ、冬用のスコップなど細かなものはバケツに分けている。

レンタカーでトルラという町まで行き、駐車してから登山口へ。そこからGRと呼ばれるトレイルを歩き、3時間半ほどのところにあるビュースポット「ローランの裂け目」を眺めるのがハイライト。そして、さらに3時間半ほど歩くと、キャンプサンニコラスに着く。

オルデサ国立公園の秋の平均気温は10℃前後。標高はテント場が1000m、もっとも高い地点で2800m。それらの環境に対応できる装備が必要となってくる。

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PEAKS 編集部

PEAKS 編集部

装備を揃え、知識を貪り、実体験し、自分を高める。山にハマる若者や、熟年層に注目のギアやウエアも取り上げ、山との出会いによろこびを感じてもらうためのメディア。

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