「山小屋 祖母谷温泉」北アルプスの山小屋完全ガイド
PEAKS 編集部
- 2018年03月10日
INDEX
登山者にとって快適な山歩きを楽しむための心強い味方、山小屋。館内施設や食事、成り立ちや売店メニューなど、山小屋の膨大な情報を集約しているので、山行計画に役立つこと間違いなし!
二つのルートが交わる交差点
黒部峡谷のトロッコ電車の終着駅「欅平」から約40分の場所にある祖母谷温泉。江戸時代よりごく一部の人々が湯に浸かりにきていたほど、祖母谷温泉の歴史は古い。現在の小屋が建てられのは、1967年のこと。当時、営林署の管轄であったが、’76年に現在の小屋主である峰村保利さんの義父・佐伯芳弘氏が管理を引き継ぎ、以来、二代にわたって小屋を守り続けている。
祖母谷温泉の大きな特徴はその立地。唐松岳から大黒銅山跡を経て餓鬼山をたどるルートと、白馬岳から旭岳、清水岳を通過し、清水尾根を下るルートが交差する場所にある。どちらも距離が長く、メジャーなルートとはいえないので、ピークシーズンでも歩く人はあまり多くない。その分、北アルプス随一の静かな山歩きが充分に楽しめる穴場ルートといえる。下山後は祖母谷温泉にゆったり浸かれば、その疲れもじんわり癒されるだろう。
なお、近くで河原の野天風呂も楽しめるので、興味のある方はぜひお試しを。
館内施設
入口
小さな看板が掲げられた小屋の入口。テント泊、日帰り入浴の人もまずは中で受付を済ませよう。
露天風呂
テント場に隣接している男性用露天風呂。女性用には仕切りで目隠しされた風呂も用意されているので安心。
テント場
テント場は川沿いの場所。よく整地されているので、どこに張っても心地よく寝られる。温泉の入浴には別途600円が必要。
DATA
設営数:30張
利用料:600円/人
水場:あり
小屋からの時間:0分
地面:砂地
トイレ:あり
周辺の見所
少し上流の河原には「祖母谷地獄」がある。高熱の源泉が湧いており、付近では湯気がごうごうと上がっている。水と混ぜないと入れない、文字通りの地獄だ。
河原の石を動かし、うまく水と湯を混ぜて適温の湯船を作る。付近にはスコップも置かれている。
ようやく湯船が完成。川の流れをバックに浸かっていると、自然との一体感が感じられる。
高山植物と池塘の楽園
白馬岳から清水岳を経て延びる清水尾根。途中は高山植物の花畑、池塘などがあちこちに散在しており、歩いていて気持ちのよいルートだ。
山小屋 祖母谷温泉(やまごや ばばだにおんせん)」の基本情報
設備
テン場:あり
水場:あり
個室:あり
自炊室:なし
乾燥室:なし
お風呂:あり
生ビール:あり
営業期間
6月下旬〜11月上旬
電話・電波
ドコモ:通話不可
au:良好
ソフトバンク:通話不可
公衆電話:なし
収容人数
40人
標高
760m
宿泊料金
1泊2食:10,000円
素泊まり:6,000円
お弁当:700円
連絡先
0765-62-1038
※2018年2月現在の情報です。営業時間や定休日などは変更となる場合がございますので、お出かけ前にご確認ください。
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- PEAKS
- CREDIT :
- テキスト/渡辺幸雄 森山憲一 写真/宮田幸司 仁田慎吾 野口祐一 後藤武久 宮上晃一 渡辺幸雄 杉村 航 新井和也 井上大助 森山憲一 高橋庄太郎 岡野朋之 亀田正人 梶山 正 三宅 岳 内田 修 矢島慎一 加戸昭太郎 星野秀樹 西田省三 太田孝則 中村成勝 泥谷範幸 大森千歳 宇津木昌樹 山小屋提供
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PROFILE
PEAKS 編集部
装備を揃え、知識を貪り、実体験し、自分を高める。山にハマる若者や、熟年層に注目のギアやウエアも取り上げ、山との出会いによろこびを感じてもらうためのメディア。
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