「仙人温泉小屋」北アルプスの山小屋完全ガイド
PEAKS 編集部
- 2018年03月23日
INDEX
登山者にとって快適な山歩きを楽しむための心強い味方、山小屋。館内施設や食事、成り立ちや売店メニューなど、山小屋の膨大な情報を集約しているので、山行計画に役立つこと間違いなし!
ひっそりとたたずむ秘境温泉宿
仙人池と阿曽原温泉の中間地点にある仙人温泉小屋に泊まったことのある人はそう多くはないだろう。たとえこのルートを選んでも、たいていは阿曽原温泉まで下るか、仙人池で朝日を浴びる八ツ峰を見に先を急いでしまうからだ。
だが、この小屋を通過してしまうのはもったいない。阿曽原温泉の透明でぬるっとしたお湯とはひと味違う、硫黄泉が待っているから。
小屋主は高橋重夫さん。登山熱が高じて15年ほど前に小屋を受け継いだ高橋さんのユーモアあふれる人柄に宿泊者は自然と笑顔になる。
転落事故の多かった阿曽原峠を経由するルートが廃止され、阿曽原温泉までは、安全だが遠回りな雲切新道がメインのルートとなったいま、この小屋を中継地点にゆっくりと歩くのもよいだろう。
館内施設
食堂兼居間
管理棟には食堂があり、高橋さんの写真作品、登攀用具、ギターなども置かれている。夜は宴会場にもなる。
水洗のトイレ
露天風呂から少し下ったところにあり、個室はふたつ。
熊の引っかき跡
かつての小屋開けの際、熊が侵入して冬眠していたそう。
食事
山菜や、小屋の近くに畑でとれる野菜のほか、その日の収獲に合わせて高橋さんがさばいたイワナ料理が出ることも。
そば打ちが得意なスタッフが小屋にいて、宿泊者が少ないときには二八そばも振る舞われる。
お土産・売店
写真の熊の毛皮は販売していないが、剱岳山頂で発見された錫杖のレプリカ、キーホルダーなどが売られている。売店はあまり充実していない。
部屋
「部屋は2棟に分かれており、どちらも一室。大きな棟は20人ほど入れる。小さな棟は6畳ほどで、希望すれば仲間で貸しきって使うことも。
仙人温泉露天風呂
大人10人ほどで入れる露天風呂。温泉と水の2本のホースが流れこみ、調整可能。登山道から丸見えだが、正面に見る後立山連峰は絶景。入浴は宿泊客専用。
トイレより奥には屋根がついた露天風呂もあり、こちらは登山道から見えることはない。
源泉は雲切新道を徒歩10分ほどの沢筋。ここから高温のお湯をホースでひっぱってくる。
「仙人温泉小屋(せんにんおんせんごや)」の基本情報
設備
テン場:なし
水場:あり
個室:あり
自炊室:なし
乾燥室:なし
お風呂:あり
生ビール:なし
営業期間
7月中旬〜10月上旬
電話・電波
ドコモ:通話不可
au:通話不可
ソフトバンク:通話不可
公衆電話:なし
収容人数
30人
標高
1,450m
宿泊料金
1泊2食:10,000円
素泊まり:6,000円
お弁当:500円
連絡先
080-1965-7054
※2018年2月現在の情報です。営業時間や定休日などは変更となる場合がございますので、お出かけ前にご確認ください。
- BRAND :
- PEAKS
- CREDIT :
- テキスト/渡辺幸雄 森山憲一 写真/宮田幸司 仁田慎吾 野口祐一 後藤武久 宮上晃一 渡辺幸雄 杉村 航 新井和也 井上大助 森山憲一 高橋庄太郎 岡野朋之 亀田正人 梶山 正 三宅 岳 内田 修 矢島慎一 加戸昭太郎 星野秀樹 西田省三 太田孝則 中村成勝 泥谷範幸 大森千歳 宇津木昌樹 山小屋提供
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PROFILE
PEAKS 編集部
装備を揃え、知識を貪り、実体験し、自分を高める。山にハマる若者や、熟年層に注目のギアやウエアも取り上げ、山との出会いによろこびを感じてもらうためのメディア。
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