「椹島ロッヂ」日本山小屋完全ガイド
PEAKS 編集部
- 2015年04月25日
登山者にとって快適な山歩きを楽しむための心強い味方、山小屋。館内施設や食事、成り立ちや売店メニューなど、山小屋の膨大な情報を集約しているので、山行計画に役立つこと間違いなし!
南アルプス南部登山の一大拠点
荒川三山や赤石岳など南アルプス南部へのアクセスは容易ではない。登山口も限定されるなか、入山の拠点として最も機能を果たしているのが、静岡駅から約3時間バスに揺られてようやく到着する畑薙第一ダムだ。しかし、ここから直接歩いて登る山は数少なく、通常はこの小屋をはじめ、周辺のほとんどの小屋を運営する東海フォレストが運行する送迎バスに乗り継いで、林道を進むこと約1時間、大きな建物が姿を現す。それが、この椹島ロッヂだ。
もとはダムや発電所を管理する作業員の宿泊所として建てられたが、その後登山者も受け入れるようになったという。
受付を済ませたら、日程に余裕がない場合には、まず帰りのバスチケットの確保を。各種のおみやげもある。客室や食堂、お風呂、売店などが整い、山小屋とは思えないほど広く、清潔に保たれている。快適な空間は多くのリピーターを呼び、ここを利用する登山客のじつに半数近くが、何度も宿泊したことがあるのだとか。送迎バスに乗るためには、東海フォレストが管理するいずれかの営業小屋に宿泊する必要があるが、ここに泊まれば条件はクリアできる。ここに宿泊し、自然を満喫するだけで、山には登ることなく帰るのもありかもしれない。
千枚岳や赤石岳、笊ヶ岳などへ登山道が通じる。南アルプス南部の名だたる山々への登山基地としても、格別の存在感だ。
一度に60人は食事をとれる広々とした食堂。旅館のようだが、ここは山小屋。配膳、こはんや味噌汁のおかわり、食器の返却などはセルフサービス。
10人収容の大部屋と6畳ほどの個室がある。
いずれにもコンセントプラグがあり、布団も一般の旅館のようで、快眠できる。なお、大部屋には更衣室が備えられていて、安心できる。
木の温もりを感じられるレストハウス「椹」。コーヒーやアイスクリーム、生ビールなどを販売するほか、軽食もある。天気がよければ、広々とした芝生に面したテラスで楽しむのもいい。近くには素泊まり専門の登山小屋もある。
清潔で明るいお風呂。山深い場所とは思えないほど、湯船も脱衣所も広い。
水洗で、しかもウォシュレット付きのトイレ。これが山の中とは信じられない。
手入れが行き届き、気持ちがすがすがしくなる芝生が広がっている。ベンチのそばでなければ、テントの設営も大丈夫。大井川の流れの音も耳に心地いい。
昼食用の弁当は原則として助六。
「椹島ロッヂ(さわらじまろっぢ)」の基本情報
設備
テント場:あり
水場:あり
個室:あり
自炊室:あり
乾燥室:あり
お風呂:あり
生ビール:あり
営業期間
4月下旬〜11月上旬
電話・電波
ドコモ:通話不可
au:通話不可
ソフトバンク:通話不可
公衆電話:あり
収容人数
180人
標高
1,100m
宿泊料金
1泊2食:8,000円~
素泊まり:5,000円~
お弁当:1,000円
連絡先
0547-46-4717
https://www.t-forest.com/alpsinfo/climber/lodgeinfo/
アクセス
椹島下車、荒川岳(悪沢岳)から7時間
※2015年3月現在の情報です。営業時間や定休日などは変更となる場合がございますので、お出かけ前にご確認ください。
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PROFILE
PEAKS 編集部
装備を揃え、知識を貪り、実体験し、自分を高める。山にハマる若者や、熟年層に注目のギアやウエアも取り上げ、山との出会いによろこびを感じてもらうためのメディア。
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