「北岳山荘」日本山小屋完全ガイド
PEAKS 編集部
- 2015年04月26日
登山者にとって快適な山歩きを楽しむための心強い味方、山小屋。館内施設や食事、成り立ちや売店メニューなど、山小屋の膨大な情報を集約しているので、山行計画に役立つこと間違いなし!
山頂の先、赤い屋根が目印
広河原から目指す北岳への登頂を果たすと、その先に見えてくる赤い屋根が目印の小屋。中白根山とのコルに建ち、北岳山頂からはゆっくり歩いて1時間ほどの距離だ。
この小屋は、北岳の稜線上にそれまであった小屋の混雑が激しくなったのを救済する目的で、昭和53(1978)年に山梨県が建てたもの。自然保護と安全登山の指導拠点としても活用されている。
鉄骨2階建ての堂々たる建物で、東側に大きな窓が開いているのが大きな特徴。富士山の方向から昇る朝日を、それぞれの部屋や食堂の窓から存分に眺められる。その景色と国内では富士山に次ぐ標高第2位にその名を連ねる北岳の登頂を目指して、ここを訪れる登山者は年間1万人近くにもなるという。のんびりと滞在し、周辺に200種近くもあるといわれる高山植物を楽しむ登山者も多い。テント泊でも食事は提供してもらえるので、小屋に宿泊できないとなっても、柔軟に登山計画を立てるといい。
近年は小屋同士の間隔が広い間ノ岳周辺での事故が増える傾向という。北岳稜線上のルートをたどるとなると、どうしても1日の行動時間が長くなりがち。それだけに自分たちの体力や技術にあった、綿密で無理のない行動計画を立て、安全登山を心がけよう。
大小さまざまな区画に分かれている部屋だが、個室はない。グループならひとつの区画を個室のように使うことができる可能性もある。
食堂はあまり広くはない。混雑時には必ず自分の時間の確認を。
乾燥室は譲り合って、上手に利用しよう。
東側に開いた窓のおかげで、部屋は明るい。
夏山シーズン中には診療所が開設される。万一の際、応急処置をしてもらえるから安心だ。
山岳関係の蔵書のほか、さまざまなジャンルが揃う本棚の充実度は南アルプス屈指。
水は300m下の沢から汲み上げている。下りで30分、登りは1時間と遠い水場だけに、歩かずとも利用できるのはうれしい。
おみやげのラインナップも充実している売店。登頂の記念に自分へのプレゼントも。
「北岳山荘(きただけさんそう)」の基本情報
設備
テント場:あり
水場:あり
個室:なし
自炊室:あり
乾燥室:なし
お風呂:なし
生ビール:あり
営業期間
6月中旬〜11月上旬
電話・電波
ドコモ:不安定
au:良好
ソフトバンク:通話不可
公衆電話:あり
収容人数
150人
標高
2,900m
宿泊料金
1泊2食:8,700円~
素泊まり:5,800円
お弁当:1,100円
連絡先
055-282-6294
https://www.city.minami-alps.yamanashi.jp/sisetsu/shisetsu/kitadake-sansoh/
アクセス
広河原から6時間40分、北岳から1時間
※2015年3月現在の情報です。営業時間や定休日などは変更となる場合がございますので、お出かけ前にご確認ください。
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PROFILE
PEAKS 編集部
装備を揃え、知識を貪り、実体験し、自分を高める。山にハマる若者や、熟年層に注目のギアやウエアも取り上げ、山との出会いによろこびを感じてもらうためのメディア。
装備を揃え、知識を貪り、実体験し、自分を高める。山にハマる若者や、熟年層に注目のギアやウエアも取り上げ、山との出会いによろこびを感じてもらうためのメディア。