「みくりが池温泉」北アルプスの山小屋完全ガイド
PEAKS 編集部
- 2018年03月30日
INDEX
登山者にとって快適な山歩きを楽しむための心強い味方、山小屋。館内施設や食事、成り立ちや売店メニューなど、山小屋の膨大な情報を集約しているので、山行計画に役立つこと間違いなし!
日本一高所にある天然温泉の宿
立ち寄り客の多さでは、エリア内随一を誇るみくりが池温泉。小屋の周りはいつも多くの人々で賑わっている。
その人気の理由は、みくりが池温泉独特のサービスがあるからにほかならない。
まず日本一標高の高い温泉は、宿泊者以外も利用可能。立ち寄り客のために、館内にはコインロッカーを完備している。浴室にはシャンプーやボディソープが常設され、浴槽も広いので、ゆったりとした気分で温泉を味わうことができる。
温泉を出たら、ロビーにある売店が目に留まる。思わず立ち止まって商品をチェックしてしまうほどの充実の品揃え。登山用品も各種販売されている。みくりが池温泉のシンボルマークに使われている「オコジョ」は山の神様といわれていて、それをモチーフに「オコジョぬいぐるみ」が販売されている。子どもへのお土産には最適だ。
さらに小屋には喫茶店「喫茶みくり」が併設されていて、メニューも豊富。改装されて利用できるスペースも広がった。こちらも宿泊者以外も利用可能となっている。なるほど、サービスにぬかりなし。女性に人気というのもうなずける。
女性に人気の理由があります!
室堂ターミナルから約10分。駅から続く遊歩道のちょうど中間あたりに位置するのが、「みくりが池温泉」だ。小屋の前にはおよそ1万年前の噴火口跡に水が溜まってできたといわれる火口湖「みくりが池」があり、小屋の名前の由来となっている。古くは「御厨ヶ池」(=神様の台所の意)と呼ばれ、神聖な池としてあがめられてきた。池の周囲はおよそ600m、水深およそ15mとされていて、日本アルプスの湖沼のなかではもっとも深い。
1957年に開業した「みくりが池温泉」は、その当時から温泉を引湯していた。当時は簡素な小屋であったが、立山黒部アルペンルートが開通し、観光客が増えたのをきっかけに、1982年、現在の小屋の形態へとリニューアルした。
自慢の温泉は100%源泉かけ流しで、無加水・無加温。白いにごり湯の単純酸性泉で、疲労回復や筋肉痛、関節痛に効果があり、登山の疲れを癒してくれる。日本で一番高所にある天然温泉として、日本秘湯を守る会にも属している。
No.1 “日本一”の温泉をじっくり味わおう
みくりが池温泉は日本一標高の高い「天然温泉」の山小屋として有名だ。源泉は地獄谷にあり、白く濁った硫黄の香りがするお湯が登山の疲れを癒してくれる。ちなみに一番標高の高い「野天風呂」は、八ヶ岳の本沢温泉で標高2150m。ちょっとした小ネタにどうぞ。
No.2 雲上の喫茶店×自家製ケーキ
喫茶店の名物メニューがこちら。こだわりのチーズ・牛乳・ブルーベリーを使ったケーキは絶品! 夏は毎朝8ホール作って売り切れるというのだから、驚きだ。
No.3 パワースポットのウワサあり
小屋の名前の由来となった「みくりが池」。じつはある場所から見ると、浄土山が湖面に映りこみ、ハートマークになるのだとか。詳しくは小屋スタッフまで!
館内施設
喫茶みくりへいらっしゃい!
立山の雄大な景色を眺めながら、コーヒーやケーキをいただける雲上の喫茶店。宿泊以外も利用可能。
広々とした入口
春先や初冬には立山周辺は山スキーの拠点となる。そのため入口はスノーブーツを履いたりするスペースが充分にとられていて広い。
乾燥室へは直行可能
入ってすぐに乾燥室があり、ウエアのほか、シューズも乾かすことができる。濡れたものはここで脱いでから館内へ上がろう。
日帰り入浴できます
みくりが池温泉は日帰り入浴(大人700円、タオル300円)も可能。貴重品はコインロッカーか脱衣所のロッカーを利用。
食事
朝食
朝はうれしいバイキング。サラダや煮物、デザートにヨーグルトまで、好きなものを好きな量だけとって食べることができる。
夕食
食事の豪華さはみくりが池温泉の大きな魅力。郷土料理のつぼ煮をはじめ、牛肉の陶板焼き、カレイのホイル焼きなど、どれもおいしい!(メニューは日によって変わる)
お土産・売店
入ってすぐ目につくのが大きな売店。品揃え豊富で、お菓子類、カイロ、手袋、帽子、サンダルなど多岐にわたる。奥にはモンベル特設コーナーもあり。
部屋
個室・大部屋・かいこ部屋と部屋の種類はさまざま。個室には剱・立山に関する本が置いてあり、部屋でゆっくり本を読んですごすことができる。各部屋ともゴミ箱やコンセントが設置されていて、不便さをまったく感じさせない。
洗面所・トイレ
トイレは各階にあり、男女別の水洗式。洗面所の水は飲用可。洗面所は広々としており、キレイに掃除されているため、気持ちよく使うことができる。
「みくりが池温泉(みくりがいけおんせん)」の基本情報
設備
テン場:なし
水場:あり
個室:あり
自炊室:なし
乾燥室:あり
お風呂:あり
生ビール:あり
営業期間
4月中旬〜11月下旬
電話・電波
ドコモ:良好
au:良好
ソフトバンク:不安定
公衆電話:なし
収容人数
120人
標高
2,410m
宿泊料金
1泊2食:9,300円〜
お弁当:860円
連絡先
076-463-1441
www.mikuri.com
※2018年2月現在の情報です。営業時間や定休日などは変更となる場合がございますので、お出かけ前にご確認ください。
- BRAND :
- PEAKS
- CREDIT :
- テキスト/渡辺幸雄 森山憲一 写真/宮田幸司 仁田慎吾 野口祐一 後藤武久 宮上晃一 渡辺幸雄 杉村 航 新井和也 井上大助 森山憲一 高橋庄太郎 岡野朋之 亀田正人 梶山 正 三宅 岳 内田 修 矢島慎一 加戸昭太郎 星野秀樹 西田省三 太田孝則 中村成勝 泥谷範幸 大森千歳 宇津木昌樹 山小屋提供
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PROFILE
PEAKS 編集部
装備を揃え、知識を貪り、実体験し、自分を高める。山にハマる若者や、熟年層に注目のギアやウエアも取り上げ、山との出会いによろこびを感じてもらうためのメディア。
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