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奥深さが自慢の西日本の山8選

ブナの原生林や独特の植生など、自然度の高いフィールドを存分に楽しめるエリア、悠久の歴史を秘めた風情ある古道、近代登山黎明期の名登山家が愛した山……。多種多様な楽しみ方と魅力が詰まった、個性的な山々が揃い踏みの西日本へ。

【滋賀県】高島トレイル

体力とルートファインディング力が試される
北部エリアでは、西に若狭湾、東に琵琶湖、北側には嶺北の山々が見渡せる。
  • ★ ★ ★ ☆ ☆
  • Data 総距離:80km
  • 歩行時間:42時間(4泊5日)

若狭と近江を隔てる稜線で、かつ中央分水嶺でもある峰々をたどるロングトレイル。日本海と琵琶湖の両方を見渡す雄大な眺望と、どこまでも続く静かなブナの森。天気が良ければ、白山あたりまで見渡せ、琵琶湖の対岸には伊吹山の凛々しい姿が見える。

ブナの巨木が点在する原生林に抱かれ、手つかずの大自然を感じながら歩ける、日本でも屈指の美しいトレイルだと思う。
過度の整備をしない管理方針のため、道標も少なく、途中には山小屋もキャンプ場もない。

ブナの美林が続く。新緑と黄葉の季節はとくに美しい。

それどころか、ごく一部で車道に出ることはあるが、ルート上には食料などを補給できる商店や宿の類は一切ない。スルーハイクするには、日数分の食糧・燃料をすべて背負って歩かなければならない。

ツキノワグマの生息エリアなので、ベアベルはマスト。

水場も限られているので、行動計画は綿密に立てなくてはならないし、読図やルートファインディングなど、基本的なスキルも必要。なにかあってエスケープするにしても、人里まで遠いエリアも少なくないので、ある程度の覚悟と体力もいるだろう。

大御影山からは白山が遠望できる。

1,000m 以下の山々ながら、アップダウンがそれなりに厳しい12マウンテンズと、鯖街道や若狭越といった、古くから歩かれてきた峠が12カ所。ロングトレイルならではの、どっぷりと山に浸る日々を楽しもう。そんなにまとまった休暇は取れない方には、分割プランも可能。

山上から眺める御来光・夕陽は格別。ロングトレイルの大きな楽しみのひとつだ。

「NPO法人高島トレイルクラブ」のHPでは、9分割のプランが紹介されている。参考にしながら自分なりのプランを組むとよいだろう。

アドバイス

キャンプ指定地はないので、安全であることと共に、植生などにも配慮して幕営地を決めたい。水場をまず確認してから、地図上で張れそうな場所をチェックしておこう。エスケープルートの確認もしっかりと。

アクセス

起点から歩く場合は、JR湖西線マキノ駅から「国境」行きバスで終点の国境へ。スキー場入り口付近が「愛発越」で、高島トレイル起点。バスの本数は少ないので事前にダイヤは要確認。終点の三国山からは桑原橋へ下るとバス停あり。

【和歌山県】大雲取越・小雲取越(熊野古道)

古道らしい風情+歩きごたえもある
広大な紀伊半島は、そのほとんどが山。俗に「熊野三千六百峰」と呼ばれる、多くの山々が連なっている。南側の熊野灘を流れる黒潮の影響もあり、温暖で多雨。生命力あふれる樹林に覆われた独特の景観が楽しめる。
  • ★ ★ ★ ☆ ☆
  • Data 総距離:30km
  • 歩行時間:9時間40分(前泊+1泊2日)

伊勢神宮と並ぶ日本屈指の聖地として古くから信仰されてきた熊野。平安のころから上皇や貴族たちが足繁く通い、中世以降は庶民の間にも広まって“蟻の熊野詣で”といわれるほど、多くの人びとが憧れた巡礼の道。熊野古道には中辺路、伊勢路、大辺路、小辺路、奥駆道と多くのルートがあるが、幕営または民宿利用の1泊2日で歩ける山岳ルートが大雲取越・小雲取越。

熊野灘を見下ろす海に近いエリアから、山また山が連なる“熊野三千六百峰”のただなかへ。途中には苔むした石畳や石仏、史跡などが点在する、歴史ロマン漂う古道だ。

古くから多くの巡礼者が歩いた歴史を伝える石仏。

どこから行くにしても、起点となる那智山までのアクセスが遠いので、初日は移動日とし、新宮の速玉大社に参拝。二日目は早朝に那智山を出発し、大雲取越えで小口まで。三日目に小雲取越を歩いて請川へ下山、本宮大社へお詣りすれば、熊野三山コンプリート。

熊野三山の仏を表す梵字が刻まれた「円座石(わろうだいし)」

ぜひ御朱印帖を携えて行こう。下山後の温泉もとても良いので、楽しみに。

アドバイス

小口には廃校となった校舎を利用した宿泊施設とキャンプ場を併設した「小口自然の家」が利用できるほか、民宿もある。下山地の請川から本宮大社へはバス便もあり。近所には川湯温泉、湯峰温泉があり、いずれも外来入浴可。

アクセス

JR紀勢本線の紀伊勝浦駅か那智駅からバスで那智山へ。途中、大門坂駐車場で下車して大門坂を歩くのもおすすめ。本宮大社からは、大阪方面へはバスで紀伊田辺へ。名古屋方面ならバスで新宮へ。飛行機なら白浜空港へ。

【滋賀県】伊吹山

絶景の中で楽しむ「天上のお花畑」
山頂付近は一面のお花畑。固有種も多く、イブキフウロ、イブキジャコウソウなど伊吹山にちなんだ名前の花も。もっとも見ごたえがあるのは梅雨明けからお盆にかけてだが、10月中旬ごろまで次々に花が咲く。
  • ★ ★ ★ ☆ ☆
  • Data 総距離:13km
  • 歩行時間:7時間30分(1泊2日)

日本百名山のひとつでもあり、花の山としても有名。琵琶湖の北東にそびえ立つ独立峰で、眺望もすばらしい。九合目までドライブウェーが通っていて、観光客も訪れる山だが、山麓から登ると1,000m以上の登り。一般的には日帰り登山の対象だが、日陰がほとんどないため、夏場は晴れると非常に暑い。

そこで、夏におすすめなのが、夜間登山。日が陰って涼しくなってから登りはじめ、山麓の夜景を楽しみながらハイクアップ。涼しい山上で仮眠して、御来光を待つ。夜が明けたら、早朝の涼しい間にお花畑をめぐって、気温が上がる前に下山完了! というスタイル。

標高によって少しずつ植生が違うのもおもしろい。

山麓からの登山道は、一部急な部分もあるものの、整備された登山道なので、ライトをつけてゆっくり歩けば案外歩きやすい。六合目をすぎると傾斜が強くなるが、時期によってはヒメボタルの乱舞が見られることもある。三合目付近は夜しか咲いている姿を見られないユウスゲが群生、これもナイトハイクだけの楽しみだ。

山頂付近からは琵琶湖が一望。360度すっきりと開けた眺望。

アドバイス

山頂付近はキャンプ禁止。山上には食堂を兼ねた小屋があり、毛布の貸し出しのみだが、室内で仮眠ができるようになっている(有料・予約あり)。なお、六合目には避難小屋がある。

アクセス

JR東海道本線近江長岡駅より近江鉄道バスで伊吹登山口まで約15分。登山口周辺に有料駐車場は数軒あり。

【兵庫県】氷ノ山・鉢伏山(ブンまわし)

のびやかな高原風景のなかをぐるりと周回
まずは、奈良尾バス停から氷ノ山国際スキー場へ。スキー場の一角にある奈良尾キャンプ場の近く、東尾根登山口から本格的な登山道が始まる。
  • ★ ★ ★ ☆ ☆
  • Data 総距離:14km
  • 歩行時間:10時間(前夜泊または1泊2日)

氷ノ山は標高1510m、兵庫県の最高峰で、東側に向かい合うように位置する鉢伏山やその周辺エリアと合わせて「氷ノ山後山那岐山国定公園」に指定されている。西日本で唯一の亜寒帯性湿生植物が残存するエリアでもあり、貴重な自然環境が残されている。ブナやミズナラが美しく、林床には可憐な花々も咲き、四季折々に美しい。

また、兵庫県が輩出し、“国宝的登山家”とまで称賛された加藤文太郎ゆかりの山でもある。故郷の浜坂と、勤務先の神戸を徒歩で旅したりするかたわら、周辺の山々にも登ったが、氷ノ山は「兵庫槍」と名付けてしばしば訪れたという。

氷ノ山のピークからは360度の眺望が楽しめる。県境に近いので、西~北西側は鳥取県の山々だ。

ところで、「ブンまわし」とは円を描く道具のことで、氷ノ山と鉢伏山をぐるりと回るコースを地元ではこう呼ぶ。氷ノ山東尾根登山口から氷ノ山山頂、氷ノ山越、赤倉山、大平頭避難小屋、高丸山、鉢伏山、ハチ高原から福定へ下山するが、途中に避難小屋が点在するので、小屋泊でゆっくりとめぐるのがおすすめだ。

氷ノ山の山頂避難小屋。二階建ての立派な小屋で、眺めも良く快適。トイレもある。

アドバイス

福定には民宿も多いので、前夜泊でも。地元名産・但馬牛のすき焼きが名物の宿もある。鉢伏山と氷ノ山を別々に計画して、ワンデイでゆったり歩くプランもおすすめだ。ブナ林なので新緑と黄葉の頃がきれいだが、夏も涼しい。

アクセス

JR山陰本線八鹿駅から全但バスで氷ノ山鉢伏口へ、約50分。本数が多くないので帰り便も含め事前に要チェック。マイカーの場合は北近畿豊岡自動車道八鹿氷ノ山ICから国道9号線、関神社前交差点から県道87号線へ。

【徳島県(高知県)】剣山・三嶺縦走

雄大な眺望が続く笹尾根の道
三嶺から西熊山への美しいトレイル。この山域は稜線が一面笹に覆われていて、独特の優美な景観。空が広くて、のどかな風景のなかをひたすら歩いていく感じがたまらない。
  • ★ ★ ★ ☆ ☆
  • Data 総距離:31km
  • 歩行時間:15時間(2泊3日)

霊験あらたかな山岳信仰の聖地として古くから敬われてきた四国の剣山。日本百名山にも数えられ、登山口から1,710m 地点までリフトで登れる手軽さから、ファミリー層やビギナーにも大人気の山だ。

山頂部は広々と開けた笹尾根で、どこまでも見渡せる雄大な眺望も魅力。
剣山南西側に位置する次郎笈まで往復する日帰りの登山者が多いが、このエリアは避難小屋が充実しているため、これらをうまく利用した縦走プランなら充実した山行に。

剣山のピークは植生保護のため木道が敷かれている。

剣山から次郎笈を越えて、次の避難小屋は丸石避難小屋だが、水場がないので注意が必要。少し距離が長くなるが、白髪避難小屋まで行くとあとが楽だ。三嶺は、山頂直下に美しい池があり、眺望のよさでは剣山に負けていない。三嶺小屋もきれいで快適だが、初日に白髪まで足を伸ばしたなら、西熊山を越えて、お亀岩避難小屋まで行くのがおすすめ。

お亀岩避難小屋はまだ新しく、薪ストーブもある超快適な小屋。地元の方によって美しく維持されている。

小屋がとてもすばらしい。時間に余裕があれば、約2時間で往復できる天狗塚へも行ってみたい。

アドバイス

剣山の登山口、見ノ越へはバス便が少ないので注意が必要。マイカーの場合は、2台で行くか、標高の高い見ノ越側に自転車をデポ、逆回りで歩くというプランにする方もいるようだ。名頃から三嶺へのルートもある。

アクセス

見ノ越へは、JR阿波池田駅、または穴吹駅・貞光駅からバス。下山口の久保、名頃からは阿波池田へ定期バスが1日3便。マイカーの場合徳島自動車道美馬ICから国道438号線で約1時間40分。一部狭路あり。

【奈良県】台高山脈北部縦走

紀伊山地の秘境
明神岳からは台高山脈南側が遠望できる。
  • ★ ★ ★ ☆ ☆
  • Data 総距離:42km
  • 歩行時間:10時間30分(1泊2日)

広大なる紀伊半島を貫く大峰山脈と台高山脈。大峰山脈は、難易度は高いもののそれなりに歩かれているが、台高山脈はさらにアクセスが困難で、踏み跡も薄い。一般的には5 ~ 6日かかるハードコース。

だが、明神平から高見山の間は1泊2日で歩ける人気ルート。
大又から薊岳を経由し、明神平で1泊。翌日国見山、伊勢辻から高見山を目指す。静かな美林が続く、気持ちのいいトレイルだ。

明神平はかつてスキー場だった非常に美しい場所。近くに水場もある絶好のキャンプ地で、ココを目的地にしたいくらい。シカもたくさんいる。

アドバイス

大又から林道を終点まで詰めて明神谷を登ると明神平への最短距離。周回コースにしたい場合は、伊勢辻山から三度小屋辻を経由して大又へ下れるが、一部、ルートがわかりにくい部分もある。

アクセス

近鉄大阪線榛原駅から奈良交通バスで東吉野村役場前へ、コミュニティバスに乗り換えて大又へ。高見山からはたかすみ温泉、または高見山登山口から奈良交通バスで榛原駅へ。大又林道終点には駐車場あり。

【広島県】比婆山

神秘的な森が美しいたおやかな山
立烏帽子山の直下に避難小屋がある。風が強いときは山頂を経由せずに、南側を巻いて池の段へも行ける。
  • ★ ★ ★ ☆ ☆
  • Data 総距離:17km
  • 歩行時間:11時間(1泊2日)

広島と島根の県境近くにある比婆山は、天然記念物のブナ林に覆われた優美な山。国生みの女神、伊邪那美神の墓所と伝わる霊山でもある。登山口の「ひろしま県民の森」にはキャンプ場とスキー場があり、宿泊や入浴もできる。冬は積雪が豊富で、スノーシュートレッキングが楽しい。

立烏帽子山、池の段、比婆山(御陵)、烏帽子山を周回するコースは、無積雪期ならワンデーのコースだが、烏帽子山の西側に位置する吾妻山への途中に立派な避難小屋があり、ココを利用するとゆったりと楽しめる。

立烏帽子から池の段へは雪面が広がる。池の段の北側が「御陵」と呼ばれる比婆山。

雪の状態や天候によっては難易度が上がることもある点に注意。

アドバイス

地形がなだらかなので、スノーシューで歩きやすいエリアだが、ガスが出たり、荒天のときにはルートファインディングが困難になる。コンディションが悪そうなら早めに判断して引き返そう。

アクセス

JR芸備線備後落合駅からタクシーで20分(要予約)。マイカーの場合は中国自動車道庄原ICから国道432号線、庄原バイパス、国道183号線、314号線経由で約1時間。

【愛媛県】石鎚山

険峻な岩に囲まれた霊峰
急峻な鋭鋒の石鎚山頂には頂上山荘と石鎚神社がある。朝夕に神職による神事が執り行われ、宿泊者も参列できる。
  • ★ ★ ★ ☆ ☆
  • Data 総距離:8.5km
  • 歩行時間:6時間(1泊2日)

四国の最高峰にして、白山以西の西日本最高峰でもある石鎚山。日本七大霊場のひとつで山頂に石鎚神社がある。山頂からの日没と夜明けがすばらしいので、山上で1泊するプランがおすすめだ。

夜明峠から先は非常に急な斜面で、「試しの鎖」から始まる4か所の鎖場が続く。巻き道もあるので怖い方はそちらを通っても。

鎖場は傾斜の強い岩場で、太い鎖の輪を使って登れるようになっている。

山頂は非常に眺望がよく、晴れていれば海まで見渡せる。

アドバイス

頂上から東側の土小屋へ下り、シラサ峠を経て瓶ヶ森へ縦走することもできる。さらに笹ヶ峰まで足を伸ばせば、3泊4日のロングコースにすることも。標高の割に冬は雪が積もるので、適期は4 ~ 11月ごろ。

アクセス

JR伊予西条駅からせとうちバスで石鎚ロープウェイ前へ。マイカーの場合は松山自動車道西条ICから国道11号線、県道142号線、20号線を経て石鎚ロープウェイ前へ。有料駐車場あり。

 

風情あふれる関西の山をたっぷりとご紹介します!

フリーライター

根岸真理

六甲山をホームとして、各地の山に出没。ここ数年は熊野にもどっぷりハマっている。「アウトドアライター」を自称したいけど、なんでも書く人。六甲山勝手に宣伝部員、熊野工作員(公式)

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装備を揃え、知識を貪り、実体験し、自分を高める。山にハマる若者や、熟年層に注目のギアやウエアも取り上げ、山との出会いによろこびを感じてもらうためのメディア。

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